予防に基づくアメリカ国内法及び国際条約

情報源: Environmental Health Alliance
Taking Steps To BE SAFE :
Precautionary-Based Laws, Policies & Agreements

訳:安間 武 (
化学物質問題市民研究会
掲載日:2004年1月28日


 下記に示すものは、ますます増大する予防に基づく法律、政策、及び条約の概要である。第T章はアメリカ国内における国、州、地方政府及び産業界の動きであり、第U章は国際条約、政策、及び協定である。


T.アメリカ連邦、州、及び地方政府と産業界

ARSENIC-TREATED WOOD
ヒ素処理木材

■ニューヨーク州ヒ素処理木材禁止令
 2002年、ニューヨーク州は、公園での新たな遊具にクロム化ヒ酸銅(CCA、ヒ素系木材防腐剤)で処理された木材を使用すること禁止し、既存の木材遊具についてはヒ素が漏れ出さないよう措置をとることを求める法案を採択した。[1]

■メイン州ヒ素処理木材禁止令
 2003年、メイン州はヒ素処理木材の販売を禁止するとともに、廃棄の規制及び発がん性が知られているこの物質のリスクに関する調査を行うこととした。[2]

■EPA ヒ素処理木材廃止
 2002年、アメリカ環境保護局(EPA)とアメリカ木材保護産業界は、ヒ素処理木材防腐剤、クロム化ヒ酸銅(Chromated Copper Arsenate CCA)を住宅用に使用することを廃止する自主的な協定を結んだ。[3]

■プレイ−ネーション遊具システム社 ヒ素処理木材の使用廃止
 2001年、東部の最大手木製遊具製作会社はヒ素処理木材の使用を中止し、ヒ素を使わない防腐処理木材のみを扱うこととした。[4]

■フロリダ州 州立公園内のヒ素処理木材の使用廃止
 フロリダ州は州立公園内でのクロム化ヒ酸銅(CCA)処理木材の使用を廃止し、ヒ素を使わない代替品へ置き換えることを宣言した。[5]

CLIMATE CHANGE
気候変動

■気候変動協定(Climate Change Agreements)
 アメリカの500以上の市と郡、数百の企業と研究所が温室効果ガス排出を削減するための自主的気候変動協定に同意した。[6]

■地域気候行動計画(Regional Climate Action Plan)
 2001年、ニューイングランド諸州知事及び東部カナダ諸州首相からなる会議は、発電所及び運輸産業からの温室効果ガスの排出を削減し、エネルギー効率と再生可能なエネルギーを増大することを誓う気候変動行動計画決議を採択した。

CHILDREN’S ENVIRONMENTAL HEALTH
子どもの環境健康

■子どもの環境健康と安全に関するアメリカ大統領令(U.S. Executive Order on Children's Environmental Health & Safety)
 1997年、クリントン大統領は、連邦政府に ”政府の政策、計画、実施、及び標準の策定に当たっては、環境健康リスク又は安全リスクが引き起こし子どもに偏在するリスクに着目すること”を求め、また、環境的危険への子どもの曝露を防ぐための目標を設定することを求めた大統領令に署名した。[7]

■連邦政府健康な学校法(Federal Healthy School Law)
 2002年、議会は、連邦政府教育法の中で、低毒性製品、資源保護、及び健康な空気質を推進するために、効率の高い学校の設計と建設に関する標準を開発し学校職員を講習するための権限を州に与える ”健康で高効率な学校条項(Healthy & High Performance Schools provisions)”を立法化した。[8]

■室内空気質法(Indoor Air Quality Laws)
 12以上の諸州が学校の空気質に関し立法化したが、その典型的な内容は、建物の評価を行うこと、地域に健康と安全委員会を設置すること、及び改修工事のための資金を準備することなどである。
 ニューヨーク州は、子どもを建築ダスト及び排気から守ることを求める規制を発布した最初の州である。コネチカット州、ニュージャージー州、及びマサチューセッツ州は、アスベスト及び化学排気を含む学校の汚染への曝露を防止する政策を採択した。[9]

■ニューヨーク州(NYS)評議会環境政策(NYS Board of Regents Environmental Policy)
 1995年、評議会は、”全ての子どもと学校職員は環境的に安全で健康な学習環境への権利を持つ・・・”と述べ、学校の環境品質のために一連の予防原則を採択した。その結果、学校の空気質、建設、施設検査、及び殺虫剤に関する法律を発布した。[10]

CONTAMINATED FERTILIZER
汚染肥料

■コロラド州の学校:有毒肥料の使用中止
 2001年、コロラド州ワイドフィールド学区は、”メトログロ(MetroGro)肥料が放射能と危険廃棄物で汚染されていることが分かったので、将来にわたって一切の出荷を拒否した。[11]

CONTAMINATED AREAS
汚染地域

■有毒物質浄化計画(Toxic Cleanup Programs)
 連邦政府スーパーファンド、五大湖改善行動計画、及び多くの州スーパーファンド計画などの改善計画が環境を浄化し将来の害を防ぐために実施されている。

DIOXIN
ダイオキシン

■ニューハンプシャー:ダイオキシン削減戦略(New Hampshire Dioxin Reduction Strategy)  ニューハンプシャー州は、2005年までに有害なダイオキシンの排出を50%削減するとする目標値をもって徹底的な削減戦略を国内で最初に採択した。[12]

■市:ダイオキシン決議
 サンフランシスコ湾岸地域の5市は、地方政府がダイオキシンのない調達要求を確立し、また、ダイオキシン汚染防止の実施のための湾岸地域タスクフォースを設置するというダイオキシン決議を承認した。[13]

ENDANGERED SPECIES
絶滅危機種

■1973年、1978年、1及び、982年の絶滅危機種法(Endangered Species Act of 1973, 1978 & 1982)
 この連邦政府法は、アメリカが ”国際的な約束を守り、市民のために国の遺産である魚、野生動物、及び植物を守ること” を確実にするために、絶滅の恐れ又は危機がある野生生物と植物種を保存し保護するための計画を確立した。[14]

LEAD PRODUCTS
鉛製品

■鉛入りローソク用芯の禁止
 2003年、アメリカ消費者製品安全委員会は、小さな子どもへの鉛曝露を引き起こすので、鉛入りローソク用芯及びそのようなローソクの製造と販売に関する禁止を発表した。[15]

■コンピュータ用 CRT モニタの埋め立て禁止
 ミネソタ州及びメイン州は、 CRT モニタは大量の鉛を含んでいるので固体廃棄物処理施設への廃棄を禁じた。[16]

MERCURY
水銀

■ニューイングランド諸州知事/東部カナダ諸州首相水銀行動計画
 ニューイングランド諸州知事/東部カナダ諸州首相は、2010年までに人間が引き起こす水銀の環境への排出を75%以上削減する目標を設定し、事実上排出を排除することに同意した。[17]

■コネティカット州水銀削減法(Connecticut Mercury Reduction Law)
 これはアメリカで最初に石炭火力発電所からの水銀排出削減を求めた法律であり、2008年までに水銀90%又は0.6 lbs/Btu の削減を実施することとしている。[18]

■メイン州水銀法(Maine Mercury Laws)
 2001年の2つの法律は自動車メーカが水銀照明スイッチの回収とリサイクルに責任を持つことを求め、ほとんどの水銀スイッチ、リレー、及び電子機器の販売を禁止している。[19]

■オレゴン州水銀削減法2001(Oregon Mercury Reduction Act 2001)
 アメリカで最初に、サーモスタット、温度計、自動スイッチ、その他の消費者製品中の水銀を禁止した。[20]

■バーモント州水銀削減法(Vermont Mercury Reduction Act)
 この法は製造者に対し水銀を含む製品にはラベル表示することを求め、それらの回収を義務付け、それらを自治体の廃棄物処理システムで処理することを禁じた。[21]

■水銀温度計禁止(Mercury Thermometer Bans)
 コネチカット、イリノイ、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、オレゴン、ロードアイランド、及びワシントンの諸州は水銀体温計の販売を禁止する法を採択した。[22]

■1,000以上の医療機関が水銀排除宣言

 ”健康な環境病院”計画の347病院、618診療所、22介護施設、その他32医療施設が水銀を排除し廃棄物を削減する宣言を行った。[23]

■水銀のない薬局(Mercury-Free Pharmacies)
 アメリカの上位10の薬局チェーンを含む少なくとも91%の薬局チェーン店が”水銀フリー”となり、Walgreen、CVS、Rite-Aid 等の水銀体温計の販売を停止した。[24]

■国立病院水銀廃止協定(National Hospital Mercury Phase-Out Agreement)
 1998年、アメリカ病院協会とアメリカ環境保護局は2005年までに病院で全ての水銀を廃止し、2007年までに病院が排出する廃棄物を50%削減する覚書に署名した。[25]

■歯科水銀法(Dental Mercury Laws)
 ニューハンプシャー州、メイン州、及びコネティカット州は、歯科医師は排水から少なくとも98%の水銀を除去するためにアマルガム分離器を使用するよう求めている。[26]

■水銀汚染魚に関する勧告(Mercury-Contaminated Fish Advisories)  ミネソタ、ミシガン、ニュージャージ、及びバーモントの諸州は、妊娠中の女性及び育児中の母親は水銀汚染されたある種の海の魚を食べないよう警告した。[27]

NUCLEAR
原子力

■非原子力ゾーン(Nuclear Free Zones)
 アメリカの33州及び北アメリカの15の先住民国家で、法律、条例、決議、あるいは宣言により、2,100万人のアメリカ人をカバーする202の非原子力ゾーンが設定された。非原子力ゾーンでは放射性物質の持ち込み、貯蔵、焼却、処分、処理プロセッシング、又は廃棄が禁止され、また、核兵器製作と核反応機(リアクター)が禁止されている。[28]

■州政府放射性廃棄物の規制廃止に反対
 連邦政府は規制する必要がないとして規制廃止を試みたが、14州が放射性廃棄物の規制管理を継続するよう求める法、規制、又は決議を採択した。コロラド、コネチカット、イリノイ、アイオワ、メイン、ミネソタ、ニューメキシコ、オハイオ、オレゴン、ペンシルベニア、サウスダコタ、バーモント、ウェストバージニア、及びウィスコンシンの各州である。[29]

OCCUPATIONAL SAFETY & HEALTH
職業安全衛生

■アメリカ職業安全衛生法(U.S. Occupational Safety & Health Act (OSHA))
 OSHA 法は、”アメリカの全ての働く男女に可能な限り安全で健康な作業環境を確保するよう”設計されている。[30]

■ OSHA 発がん性基準ドラフト
 この連邦政府提案の基準(実際には実施に移されたことはない)は、職場で使用される化学物質が動物に発がん性があると疑われた場合にはいつでも、予防的措置を要求することとなっている。[31]

■知る権利法(Right to Act Law)
 1999年、ニュージャージー州のサニック郡は、潜在的に危険な施設の危険な状況を改善することを意図して、第三者の専門家を連れて調査する権利を人々に与えるという権利法をアメリカで最初に採択した。25人以上の居住者又は作業者が郡の健康局に対し特定の施設を監視するために近隣危険防止諮問委員会を設置するよう請願することができる。[32]

PERSISTENT BIOACCUMULATIVE TOXIC (PBT) CHEMICALS
残留性生体蓄積性有毒(PBT)化学物質

■五大湖二カ国有毒物質戦略(Great Lakes Binational Toxics Strategy)
 1997年、五大湖周辺から残留性有毒物質を実質的に除去するためのカナダ−アメリカ戦略が署名され、化学物質削減目標と残留性有毒物質の削減行動計画が設定された。[33]

■ワシントン州 PBT 廃止計画W(ashington State PBT Phase Out Plan)
 ワシントン州生態系局は同州内で水銀やダイオキシンを含む残留性生体蓄積性有毒(PBT)化学物質の使用を2020年までに廃止するために2000年に先行計画を設定した。[34]

■オレゴン州 PBT 廃止知事命令(Oregon PBT Phase-Out Executive Order)
 1999年、オレゴン州知事は州環境局に2020年までに PBT の排出ゼロを達成するよう求める知事命令を承認した。(35)

■シアトル PBT 削減決議(Seattle PBT Reduction Resolution)
 2002年、ワシントン州シアトル市は PBT の使用を削減し、PBT 削減計画設定するという決議を承認した。[36]

PERSISTENT ORGANIC POLLUTANTS (POPs)
残留性有機汚染物質(POPs)

■国際 POPs 条約(International POPs Treaty)
 2001年、アメリカは予防的アプローチに基づいて、12の残留性有機汚染物質(POPs)(汚染ダースと呼ばれる)の製造、使用、及び又は排出の削減及び又は廃止するために、この条約に署名した。下記はPOP化学物質10種に関しアメリカ政府がとった措置の概要である。
  • アルドリン(Aldrin)ほとんどの使用は1969年に廃止され、全ての使用は1987年に廃止された。食用作物の全ての残留許容は1986年に取り消された。
  • クロルデン(Chlordane)ほとんどの使用は1978年に廃止され、全ての使用は1988年に廃止された。製造は1997年に中止された。
  • DDT:ジクロ−ジフェニル−トリクロロエタン又はDDTはアメリカで最も広範に使用された殺虫剤の一つであり、環境に対する許容できないリスクと人間の健康に潜在的な害を及ぼすという理由で、その使用の大部分はEPAにより1972年に禁止された。[38] 食物及び飼料の全ての残留許容は1986年に取り消された。
  • ディルドリン(Dieldrin)ほとんどの使用は1969年に廃止され、全ての使用は1987年に廃止された。食用作物の全ての残留許容は1986年に取り消された。
  • エンドリン(Endrin)ほとんどの使用は1979年に廃止され、全ての使用は1984年に廃止された。
  • ヘプタクロル(Heptachlor)ほとんどの使用は1978年に廃止された。2000年に、登録者が自主的に地下ケーブルの防蟻用使用が取り消された。製造は1997年に中止された。食用作物の全ての残留許容は1989年に取り消された。
  • HCB:ヘキサクロロベンゼンまたはBHCの殺虫剤としての全ての使用は1985年に中止された。殺虫剤としてのHCBの製造、輸入、輸出は許されていないが、”化学的中間体”としては許されている。
  • マイレックス(Mirex)全ての使用は1977に中止された。製造、輸入、輸出は許されていない。
  • PCBs:ポリ塩化ビフェニル又はPCBの製造及び新たな使用は、有毒物質管理法(TSCA)に基づき1978年に禁止された。 在庫品の使用に関しては”厳しい制限”で管理されている。
  • トクサフェン(Toxaphene)ほとんどの使用は1982年に廃止され、全ての使用は1990年に廃止された。食用作物の全ての残留許容は1993年に取り消された。
PESTICIDES
殺虫剤

■食品品質保護法(Food Quality Protection Act:)
 1996年、”画期的な殺虫剤食品安全”に関する連邦政府法が承認された。それは全ての食品中の全ての殺虫剤に対し健康をベースとした基準を義務付け、幼児と子どもに対し特別の保護をすることとしている。[39]

■市及び自治体の殺虫剤禁止
 1996年、サンフランシスコ市は3年間にわたって市の施設内で殺虫剤を使用することを止める条例を採択した。[40] ニューヨーク州の8つの自治体がこれに従った。サフォーク、ウェストチェスター、及びアルバーニの各郡、バッファロー市及びアルバーニ市、さらに3つの町である。ワシントン州のシアトル市は1999年にほとんどの危険な殺虫剤と殺菌剤の使用を止め、2001年には6つの殺虫剤を使用しない公園を作った。[41] オハイオ州のリンダースト市は2003年に殺虫剤の散布を禁止する画期的な法を承認し、危険性の少ない蚊駆除対策を実施することとなっている。[42] ワシントン州のベインブリッジ・アイランド市評議会は2003年に市の施設で危険な殺虫剤の使用をやめ、非常に毒性の低い限られた製品の使用だけを許す条例を承認した。[43]

■33州の殺虫剤削減法、禁止令、及び、知る権利計画
 33の州法及び400以上の学区は統合害虫管理(Integrated Pest Management (IPM))、殺虫剤禁止、及び、知る権利に関する政策又は計画を持っている。IPMは学校において危険な殺虫剤の使用をや止めるあるいは劇的に削減する機会を提案する予防、監視、及び管理のプログラムとして作られたものである。[44]

■13州の学校殺虫剤削減法
 13の州が学校に対し、IPMプログラムを採用するよう求めた。フロリダ、イリノイ、ケンタッキー、ルイジアナ、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ニュージャージ、」ペンシルベニア、ロードアイランド、テキサス、及びウェストバージニアの諸州である。さらに、315の学区と5つの学校が自主的にIPM政策を採用した。いくつかの例を下記に示す。
  • アラスカ州アンカレッジ学区、ニューヨーク州ボルドウィン統一自由学区は、美意識を目的とした殺虫剤の使用を禁止した
  • コロンビア州ボウルダーバレー学区は屋内ではいかなる有毒人工殺虫剤も使用しない
  • ニュージャージ州エベシャム・タウンシップ学区は建物内での有機リン系、カルバミン酸系、及び溶剤ベースの殺虫剤を使用しない
  • メリーランド州モントゴメリ郡公立学校ではダースバンとダイアジノンに頼ることをやめた
  • ニューヨーク州ニューヨーク市公立学校は殺虫剤の散布と噴霧をやめた
■ロサンゼルス学校殺虫剤政策(Los Angeles School Pesticide Policy)
 1999年、ロサンゼルス統一学区−郡内で2番目に大きな私立学校システム−は害虫管理問題に対し最も安全でリスクの低いアプローチをするために予防原則に基づく包括的な統合害虫管理政策(Integrated Pest Management (IPM))を全国で最初に採用した。[46]
(訳注)
 レイチェル・ニュース #684 最も害の少ない方法を選ぶ−ロサンゼルス学区の害虫対策方針−

PHARMACEUTICALS
医薬品

■連邦食品医薬品法(Federal Food & Drug Act)
 このアメリカの法律は、全ての新たな医薬品は市場に出される前に安全性と効能についてテストすることを要求している[47]。

POLLUTION PREVENTION
汚染防止

■マサチューセッツ州有毒物質使用削減条例(Massachusetts Toxic Use Reduction Act)
 この州法は製造企業が、実行可能な代替案の包括的な分析を行って有毒化学物質の使用削減の方法を見つけることを求めている。[48]
(訳注)
 マサチューセッツ州 有毒物質使用削減条例 (TURA) の紹介)

■アメリカ汚染防止法(U.S. Pollution Prevention Act)
 この1990年の連邦法はアメリカにおける環境計画中、最も上位の保護法である。[49]

■国家環境政策法(National Environmental Policy Act (NEPA))
 この連邦法は、環境に深刻な害を及ぼすかもしれない連邦政府基金を受けるどのようなプロジェクトも、環境影響調査を行い、他により安全な代替がないことを立証しなくてはならない。[50]

■持続可能な開発に関するアメリカ大統領審議会(U.S. President's Council on Sustainable Development)
 審議会は次のように述べている。「・・・我々は、科学的不確実性に直面しても、社会は人間の健康又は環境に対する潜在的なリスクが深刻である又は修復不可能であると考えられる場合にはリスクを回避する合理的な措置をとらなければならない」。[51]

■電子廃棄物(e-waste)リサイクルに対する15企業の宣言
 北アメリカの22施設を代表する15の電子機器リサイクル企業が2003年に、危険な電子廃棄物が埋め立て処分、あるいは焼却処分されることを防ぎ、またそれらが発展途上国に輸出されることを防ぐことを含む ”真の製品責任” 宣言に合意した。[52]

POLYBROMINATED DIPHENYL ETHERS (PBDE) FLAME RETARDANT
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)難燃剤

■難燃剤(PBDE)の禁止
 2003年、カリフォルニア州はアメリカで最初に、有毒難燃剤である2つの有害なPBDEs(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の使用、販売、及び製造を禁止した。[53]

■産業界の非 PBDE 方針
 ソニーやイケアを含む多くの電子機器及び家具会社はより安全な代替物質に切り替えつつ、非 PBDE 方針を採択した。[54]

POLYVINYL CHLORIDE (PVC)
ポリ塩化ビニル(PVC)

■アメリカの会社が製品中のPVC使用を中止
 多くのアメリカの会社が製品中でPVCを使用すること中止した。下記はいくつかの例である。[55]
  • ゼネラル・モータは、004年までに自動車内装パネルにPVCを使用することを止めると発表し、内装パネル供給者に全ての新たな製品のために代替品を使用するよう通告した。
  • インターナショナルプレイシングス、ゲルバー、ブリオを含む玩具製造9社は製品にPVCを使用することをやめた。
  • 世界最大の玩具製造会社マッテル社は、同社製品中のPVCの代替として植物プラスチックを導入することを計画している。
  • 靴とスポーツ用品製造のナイキ社は製品中のPVCを廃止した。
  • ヘレンクリス社は飲料容器としてのPVCボトルを廃止した。
  • 大手化粧品会社のインタメイト・ブランズ社は2003年までにPVC容器を廃止する。
■医療介護機関がPVC廃止の方向へ[56]
  • プレミエール社などアメリカの医療機器の70%以上を購入している医療介護購入上位4団体購入組織(GPOs)はPVC、水銀、プラスチック可塑剤ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)を含む医療機器の購入を削減する運動を展開した。
  • 世界最大の医療機器供給会社の一つであるバクスター・インターナショナルは、静脈溶液(IV)容器にPVC を使用することをやめつつある。
  • アボート・ラボラトリーズはPVCとDEHPを使用しない代替品に向けて動くことを約束した。
■PVC製おしゃぶり製造廃止
 消費者製品安全委員会は、PVCの可塑剤−フタル酸塩を含有するおしゃぶりの製造の自主的廃止を発表し、小売店に対しこれらの製品を店に置かないよう求めた。[57]

■非PVC グリーン・ビルディング税優遇策(PVC-Free Green Building Tax Credit Program)
 2000年、ニューヨーク州は最初にグリーン・ビルディング税優遇策を採用し、環境配慮及びネネルギー効率基準に合致した建物の所有者及び借主に対し課税の優遇を行っている。PVC製の床を使わないことも対象となるが、それはPVC床の製造、使用、及び廃棄に関連する深刻な環境と人々の健康に対する懸念があるからである。[58]

■ニュージャージの市がPVC製食品包装容器を禁止
 ニュージャージ州のラルウェイ自治協議会市は、市内の食品小売店がPVC製包装容器を使用することを禁止し、化学的分解可能なものを使用するよう要求した。[59]

■ニューヨークの市がPVC製食品包装容器を禁止
 ニューヨーク州のクレン・コーブ市は、同市食品小売業界がPVC又はポリスチレンを含む食品容器又は台所用品を消費者に販売又は提供することを禁止した。[60]

■市が非PVCプラスチック推進の決議
 カリフォルニア州のオークランド市協議会は、非PVCプラスチックなど毒性の少ない製品を推進する決議を採択し、オークランド医療健康機関が非PVCとなるよう勧告した。[61]

PRECAUTIONARY POLICY
予防的政策

■サンフランシスコ市 予防原則条例(San Francisco City Precautionary Ordinance)
 2003年、サンフランシスコ市評議会は、全国で初めて、予防原則に基づく環境条例を採択した。[62]
(訳注)
 レイチェル・ニュース #765 サンフランシスコ市予防原則を市の政策として採用
 サンフランシスコ環境コード 第1章 予防原則方針声明

PRODUCT RESEARCH
製品研究

■ブリストルマイヤーズ・スクイブ社の宣言
 ある会社の研究課題が予防的アプローチによって導かれると会社の宣言の中で述べられた。「科学的不確実性があるという理由で、深刻な環境、健康、及び安全への脅威へ目を向ける努力を怠ってはならない。ブリストルマイヤーズ・スクイブ社は、人間の健康又は環境に対し潜在的有害性が存在する場合には、予防的アプローチを採用する。・・・」[63]

WATER


■アメリカ水質法(Clean Water Act(CWA))
 CWAは、”国の水の化学的、物理的、生物学的な安全性”を回復し、維持するために厳しい目標を設定した。[64]

■五大湖水質協定(Great Lakes Water Quality Agreement)
 1978年のこのカナダ−アメリカ間協定の目的は、五大湖周辺生態系の水質を改善その他の措置により、回復することにある。[65]

■国際合同委員会 アメリカ及びカナダ(International Joint Commission US & Canada)
 1996年以来、この委員会は、五大湖水質協定の実施指針として、下記のように述べて、予防的アプローチを勧告している。「汚染は4つの主要原則によって管理されなくてはならない。すなわち、予防、防止、証拠に基づくアプローチを用いての化学物質単体ではなく化学物質のグループをターゲットとすること、及び立証責任の移転である」。[66]

WILDERNESS PROTECTION
野生保護

 野生区域と天然資源を保護するための法と政策は環境を守り将来の危害を防ぐために設定された。下記に主要な法を挙げる。

■1897年有機法(Organic Act of 1897)
 この連邦政府法は、後に国有林となる連邦政府の森林の保護管理を規定した。現在155の国有林があり、その面積は1億9,100万エーカーに及ぶ。[68]

■野生法(Wilderness Act)
 この1964年の連邦法は、54の野生区域(910万エーカー)を保護し、新たな土地をこのシステムに追加する手順を設定した。いくつかの例外を除いて、自動車での接近、木材伐採、牧草用地、採鉱、いかなる開発行為などが禁止されている。現在、国立野生保護システムには630区域があり、合計約1億400万エーカの面積となる。[69]

■野生及び景観河川法(Wild & Scenic Rivers Act)
 この1968年の連邦法は、緊急を要する環境を保護し河川の自然な流れを保つための国のシステムを設定した。[70]

■1980年アラスカ国家利益土地保護法(1980 Alaska National Interest Lands Conservation Act)
 この連邦政府法は、アラスカの約5,600万エーカーの土地を国家野生保護システムに追加し、いくつかの野生及び景観河川を国のシステムに追加した。「天然の景観のこのうえない景色と地質学的価値を守ること、及び、広範なかけがえのない北極圏ツンドラ、寒帯林、及び海岸雨林の生態系を守ること、そして野生生物の生息地を守ること、・・・それが議会の意図するところである」。[71]

■個々の野生法(Individual Wilderness Bills)
 1964年以来、議会は64の法律を採択し、428区域と8,700万エーカ以上の土地を国家野生保護システムに加えた。[72]

■ハワイ パブリック・トラスト原則(Hawaii Constitutional Public Trust Doctrine)
 ハワイ最高裁判所は、「政府は、ハワイの自然の美と土地、水、空気、鉱物及びエネルギー資源を含む全ての天然資源を保護保存しなければならない」と述べて、パブリック・トラスト原則の指針として予防原則の適用を要求した。[73]

WIRELESS PHONES
携帯(無線)電話

■ベリゾン無線社は子どもの携帯電話の使用に予防的アプローチを示唆
 同社は2001年に冊子をアメリカの携帯電話使用者に送付し、携帯電話から発せられる電波により子どもが潜在的な害を受けるとかもしれないと述べた。ベリゾン社は予防原則を述べ、両親がその原則を適用し、子どもの携帯電話の使用を制限することを提案した。それ以来、ベリゾン社は同社のウェブサイトに 「他の国の政府(イギリス)によって支援を受けたいくつかの団体は子どもたちが携帯電話をなるべく使用しないよう呼びかけた・・・。子どもの電波曝露を削減しようと望む親たちは、子どもたちの携帯電話の使用を制限することを選択するかもしれない」 というメッセージを掲載した。(2003年)[74]


U.国際条約と議定書

CLIMATE CHANGE
気候変動

■オゾン層議定書(Ozone Layer Protocol)
 この議定書は 「地球上からの排出を公平に管理するために予防的措置をとることでオゾン層を保護することを決定する・・・」(1987年)としている。[75]

■世界気候会議(World Climate Conference)
 1990年、第2回気候会議の大臣宣言は 「現在及び将来の世代の要求を満たすために、気候変動に対応した予防的措置が期待され、その原因から守り、その原因をなくし、又はその原因を最小化しなければならない・・・」。[76]

■京都議定書(Kyoto Protocol)
 1997年、日本の京都においてアメリカ及び170カ国が、2008年から2012年までの間に達成すべき温室効果ガス排出削減目標を設定し合意した。1998年、アメリカは京都議定書に署名したが、まだ批准していない。[77]

ENVIRONMENTAL PRECAUTIONARY POLICIES
環境予防政策

■欧州連合(EU)のマーストリヒト条約(Maastricht Treaty on the European Union)
 この条約は 「環境に関するEUの政策は予防原則に基づかなくてはならず、この原則に基づいて予防的措置がとられなくてはならない。環境的ダメージはその源で優先的に矯正し、汚染者が負担しなくてはならない」と述べている。(1994年)[78]

■環境と開発に関する国連会議におけるリオ宣言
 宣言は 「環境を保護するために、予防的アプローチが各国によって能力に応じて幅広く適用されなくてはならない。深刻な又は不可逆的なダメージの恐れがある重場合には、環境的劣化を防ぐために、完全な科学的確実性に欠けることをコスト効果のある措置の実施を遅らせる理由にしてはならない」と述べている。(1992年)[79]

FISHERIES
漁業

■責任ある漁業管理のための FAO コード(FAO Code of Conduct for Responsible Fisheries)
 このコードは 「各国は、水生生物資源を守るために、それらの保護、管理及び開発に対し予防的アプローチを広く適用すべきである・・・」と述べている。[80]

■国連海洋法(UN Law of the Sea)
 予防的措置が適用されるべき漁獲の保護と管理に関連する海洋法の国連協定の実施に関する拘束力ある合意(2001年)[81]

GENETICALLY MODIFIED ORGANISMS
遺伝子組み換え生物

■バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(Cartagena Protocol on Biosafety)
 この議定書は、各国が予防(precaution)に基づき遺伝子組み換え生物を阻止することを認める。(2000年)[82]

INCINERATION POLLUTION
焼却汚染

■フィリピン 焼却を禁止
 1999年、フィリピンは世界で最初に焼却を禁止した国である。[83]

MARINE ENVIRONMENT POLICIES
海洋環境政策

■UNCED 海洋保護(UNCED on Protection of Oceans:)
 環境と開発に関する国連会議(UNCED)は 「対症療法的アプローチよりも予防的及び予見的アプローチが海洋環境の劣化保護には必要である・・・」と述べている。(1991年)[84]

■国連環境計画(United Nations Environment Programme)
 この国連計画は、全ての政府が”予防措置の原則”を海洋汚染の防止と排除の政策に採用するよう勧告している。(1989年)[85]

■北海宣言(North Sea Declaration)
 この1987年の宣言は 「北海を最も危険な物質からの可能性あるダメージから保護するために、因果関係が確立される前であってもそのような物質の流入を管理する措置を要求する予防的アプローチが着目される・・・」 と述べている。[86]

NUCLEAR WEAPONS & WASTE
核兵器と核廃棄物

■核武装地帯(Nuclear Weapons Zones)
 非核武装地帯は、その地理的域内で核兵器の配備、実験、使用、及び開発を禁じる。ニュージランド、フィリピン、及びオーストリアは非核武装地帯(Nuclear Weapon Free Zone)法、宣言、又は憲法的義務を採択した。[87]

■非核武装地帯条約(Nuclear Weapon Free Zone Treaties)
 世界には5つの非核武装地帯が存在する。それらはには下記が含まれる。
 ・ラテンアメリカ及びカリブ海における核兵器禁止条約(1968)
 ・南太平洋非核地帯条約(1986)
 ・東南アジア非核武装地帯条約(1996)
 ・アフリカ非核武装地帯条約(1996年に各国への署名が開かれたがまだ発効されていない)[88]

■核兵器条約(Nuclear Weapon Treaties)
 海底条約(Sea Bed Treaty)1971年、大気圏外条約(Outer Space Treaty)1967、及び南極条約(Antarctic Treaty)1959 は特定の領域への核兵器拡散を削減することを目的とする多国間条約である。例えば、南極条約は、南極での核爆発と核廃棄物の廃棄処分を禁止している。[89]

TOXIC CHEMICALS
有毒化学物質

■残留性有機汚染物質条約(Persistent Organic Pollutant Treaty)
 2000年、122カ国が、残留性有機汚染物質(POPs)に関する国連国際条約を最終的に承認した。それは 12 の POPs −世界で最もダメージを与える化学物質の一部でダイオキシン、ポリ塩化ビニール(PCBs、及び殺虫剤からなる−を禁止又は廃止する歴史上初の国際条約であり、”予防的アプローチ”に基づいている。現在、同条約は発効に必要な最低50カ国の批准を待っている。[90]

■国境を越えてアフリカに持ち込まれる危険廃棄物に関するバマコ協定
 (Bamako Convention on Transboundary Hazardous Waste into Africa)

 1991年、この協定は 「人間又は環境に害を及ぼす物質の環境中への排出を防ぐために、汚染問題に対し未然防止及び予防的アプローチを実施する・・・」と述べている。[91]


参照

1 10/4/03 Communication from Laura Haight, New York Public Interest Research Group.
2 Legislators Ban Lumber Treated with Arsenic, Bangor Daily News, 6/4/03.
3 EPA Announces Phase Out of Residential Uses of CCA-Treated Wood, Beyond Pesticides Website, News Release, 2/12/02.
4 Leading National Wooden Playground Manufacturer First to Eliminate Arsenic-Treated Lumber in Production of Play Sets, Healthy Building Network Website, News Release, 6/26/01 .
5 Resolution Banning Wood Treated with Arsenic, Healthy Building Network Website, 2003.
6 International Council for Local Environmental Initiatives Website, 2003.
7 Summary of Executive Order on Children’s Environmental Health & Safety, Children’s Environmental Health Network Website, 2003.
8 10/5/03 Memo from Claire Barnett, Executive Director, Healthy Schools Network, Inc., Albany, NY.
9 Ibid.
10 Ibid.
11 Student Environmental Action Coalition of the University of Colorado Letter to National Sludge Alliance, 2001.
12 DES Receives National Award for N.H. Dioxin Reduction Strategy, New Hampshire Department of Environmental Services News Release, 3/19/03.
13 Alliance for Safe Alternatives & Center for Health, Environment & Justice Website, 2003.
14 U.S. Fish & Wildlife Service Website, 2003.
15 CPSC Bans Candles with Lead-Cored Wicks, U.S. Consumer Product Safety Commission News Release, 4/7/03.
16 US Initiatives, Clean Computer Campaign Website, 2003.
17 Caught in the Middle, The 2003 Report Card on Mercury Elimination in New England, New England Zero Mercury Campaign, 9/03.
18 Ibid.
19 Ibid.
20 Mercury, Oregon Environmental Council Website, 2003.
21 Caught in the Middle, The 2003 Report Card on Mercury Elimination in New England, New England Zero Mercury Campaign, 9/03.
22 Ibid.
23 Great Lakes Binational Toxics Strategy Report, 1.0. Mercury, 2002.
24 Mercury-Free Pharmacies, Health Care Without Harm Website, 2003.
25 Mercury Ordinances/Resolutions, Health Care Without Harm Website, 2003.
26 Caught in the Middle, The 2003 Report Card on Mercury Elimination in New England, New England Zero Mercury Campaign, 9/03.
27 Exposure to Mercury, Mercury Policy Project Website, 2003.
28 Native American & U.S. Nuclear Free Zones, Nuclear Free Zone Project, Portland OR.
29 10/7/03 Communication from Diane D’Arrigo, Nuclear Information Resource Services.
30 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.
31 Ibid.
32 Jersey County gives workers and residents “Right to Act” against corporate polluters, by Jim Young, Labor Notes, May 1999.
33 Great Lakes Toxics Reduction, U.S. Environmental Protection Agency Website, 2003.
34 Toxic Free Legacy, Washington Toxics Coalition Website, 2003.
35 Toxics, Oregon Environmental Council Website, 2003.
36 Toxic Free Legacy, Washington Toxics Coalition Website, 2003.
37 Persistent Organic Pollutants (POPs), U. S. EPA Website, 2003.
38 DDT Ban Takes Effect, U.S. EPA News Release, 12/31/72.
39 The Food Quality Protection Act (FQPA) Background, U.S. EPA Website, 2003.
40 10/4/03 Communication from Laura Haight, New York Public Interest ResearchGroup.
41 Alternatives, Washington Toxics Coalition, Summer 2003.
42 Ohio City Adopts Landmark Law to Stop Pesticide Spraying for West Nile Virus, Beyond Pesticides Website, 2003.
43 Strongest City Pesticide Use Policy in State Adopted on Bainbridge Island, Alternatives, Washington Toxics Coalition, Summer 2003.
44 State & Local Pesticide Policies, Beyond Pesticides Website, 2003.
45 Safer Schools, Beyond Pesticides & School Pesticide Reform Coalition, April, 2003.
46 Preferring the Least Harmful Way, Rachel’s Environment & Health Weekly, 1/27/00.
47 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.
48 Ibid.
49 Ibid.
50 Ibid.
51 Ibid.
52 Finally, A Responsible Way to Get Rid of that Old Computer!, Silicon Valley Toxics Coalition, News Release, 2/25/03.
53 First in the Nation: California Bill Banning Toxic Fire Retardants Signed by Governor, Assembly Majority Leader Wilma Chan, News Release, 11/9/03.
54 Ibid.
55 PVC Free Future: A Review of Restrictions & PVC-Free Policies Worldwide, Greenpeace; 2003 Toy Report Card, Greenpeace; Alliance for Safe Alternatives Website, 2003.
56 Top GPOs Embrace Effort to Reduce Environmental Impact of Health Care, Health Care Without Harm News Release, 10/31/02.
57 PVC Free Future: A Review of Restrictions & PVC-Free Policies Worldwide, Greenpeace; 2003 Toy Report Card, Greenpeace.
58 PVC Industry Abandons Challenge of Green Building Rules, News Release, NYS Attorney General Eliot Spitzer, 6/3/03.
59 Model Policies, Alliance for Safe Alternatives Website, 2003.
60 Ibid.
61 Ibid.
62 Center for Environmental Health and Science & Environmental Health Network Websites, 2003.
63 Bristol-Myers Squibb Website, 2003.
64 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger.
65 11th Biennial Report Great Lakes Water Quality; and 9/12/02 News Release, U.S. & Canadian Federal Governments Show Progress, but Challenges Remain in Restoring the Great Lakes.
66 Eighth Biennial Report Under the Great Lakes Water Quality Agreement of 1978, International Joint Commission, 1996.
67 The National Wilderness Preservation System, Wilderness.net, 2003.
68 Forest Protection & Restoration Campaign Overview, Sierra Club Website, 2003.
69 The National Wilderness Preservation System, Wilderness.net Website, 2003.
70 Ibid.
71 Ibid.
72 Ibid.
73 Hawaii State Constitution, Article XI, Section 1; and 10/4/03 Memo from Carolyn Raffensperger, Science & Environmental Health Network.
74 Verizon 7/21/02 Statement to Customers; Verizon Website, 2003; United Kingdom Leaflet on children’s cell phone use (www.doh.gov.uk/mobilephones/mobilephones.pdf)
75 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.
76 Ibid.
77 National Environmental Trust Website, 2003.
78 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.
79 Ibid.
80 10/4/03 Memo from Carolyn Raffensperger, Science & Environmental Health Network.
81 Ibid.
82 The Precautionary Principle, Michael Pollan, New York Times, 12/9/01.
83 Model Policies, Alliance for Safe Alternatives Website, 2003.
84 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.
85 Ibid.
86 Ibid.
87 Nuclear Weapon-Free Zones, Nuclear Age Peace Foundation Website, 2003.
88 Ibid.
89 Ibid.
90 International POPs Elimination Network Website, 2003.
91 The Precautionary Principle in Action: A Handbook, Joel Tickner & Carolyn Raffensperger, 1999.


化学物質問題市民研究会
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