NOETB 2018年1月24日
欧州委員会(EC)の消費者安全科学委員会(SCCS)
スプレー中の UV フィルターとしての
ナノ形状二酸化チタンに関する最終意見を発表

リン L. バーガソン、カルラ N. ハットン

情報源:Nano and Other Emerging Technologies Blog, January 24, 2018
EC Committee Publishes Final Opinion on Titanium Dioxide (Nano Form) as UV-Filter in Sprays
By Lynn L. Bergeson and Carla N. Hutton
https://nanotech.lawbc.com/2018/01/ec-committee-publishes-
final-opinion-on-titanium-dioxide-nano-form-as-uv-filter-in-sprays/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2018年2月21日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/180124_NOETB_EC_Committee_
Publishes_Final_Opinion_on_Nano-Form_TiO2_as_UV-Filter_in_Sprays.html

 欧州委員会(EC)の消費者安全科学委員会(SCCS)は2018年1月24日に、スプレー中の紫外線(UV)フィルターとしてのナノ形状二酸化チタンに関する最終意見を発表した。EC は SCCS に次の問いに対応するよう求めた。

1. 提供されたデータに照らして、 SCCS は二酸化チタン(ナノ)が日焼け止め及び身体手入れ用スプレー製品中で5.5%までの濃度で紫外線(UV)フィルターとして使用される時に安全であると考えるか?

2. SCCS は二酸化チタン(ナノ)が日焼け止め中及び身体手入れ用スプレー製品中で紫外線(UV)フィルターとして使用される時にその使用に関してさらなる科学的懸念を持っているか?

 SCCS は2015年7月に産業により提出されたデータをレビューし、”提供された情報は、消費者の肺の暴露を引き起こす可能性のあるスプレー用途でのナノ-TiO2 の使用の安全性を評価するためには不十分である”と結論付けた。

 その最終意見によれば、その調査書類は低アルコールの水系のスプレー式製品で実施された暴露調査を提供しているが、それらは市場情報によれば、現在欧州連合(EU)市場にあるスプレー式日焼け止め製品の約 80%を占めている。

 現在欧州連合(EU)市場にあるスプレー式日焼け止め製品の約 20%を占める非水系製品、又は10 wt%以上のアルコール処方製品については暴露データが提出されなかったので、これらの製品は評価することができなかった。

 その最終意見は、提出書類は”また、最悪ケースの仮定を用いる安全評価のための出発点を引き出すことを可能にするであろう暴露経路に関連するナノ-TiO2 の適切な毒性学的評価を提供していない”と述べている。

 SCCS の暫定的意見に関するコメント期間中に、申請者は新たな提出を行った。その分析は、”ナノ二酸化チタンが日焼け止め及び身体手入れ用スプレー製品中で紫外線(UV)フィルターとして使用される時に、ナノ二酸化チタンの安全性に関する SCCS の懸念に対応していないことを示した”と SCCS は述べている。

 SCCS は、申請者の新たな提出により、ナノ形状の二酸化チタンを含有するスプレー製品が市場にはすでに存在すること知ったと言及している。SCCS は、”そのような使用は、吸入により消費者の肺暴露を通じて生じる有害影響の可能性を回避できるよう、注意深く評価される必要がある”と警告している。


訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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