ナノテクノロジー産業協会(NIA) 2016年7月22日
ナノ二酸化チタン EU の化粧品中で許容される
紫外線フィルターのリストに加えられる


情報源:Nanotechnology Industries Association (NIA), News and Alerts, 22 July 2016
Nano TiO2 enters European List of UV Filters Allowed in Cosmetic Products
http://www.nanotechia.org/news/news-articles/
nano-tio2-enters-european-list-uv-filters-allowed-cosmetic-products


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2016年9月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/NIA/
160722_Nano_TiO2_Allowed_for_UV_Filters_in_Cosmetic.html


 欧州委員会は、欧州連合における化粧品の安全と上市規則を定める化粧品に関する規則(Regulation on Cosmetic Products (1223/2009) )を改訂して、ナノ二酸化チタンを紫外線フィルターの認可リスト(Annex VI)に加えた。

 二酸化チタンのナノ粒子は、紫外線照射のフィルタリング効果と透明性を高めることが知られており、その理由のために皮膚保護製品の理想的な候補物質である。

 ’皮膚に塗る化粧品中での酸化チタン(ナノ)の使用は、どのような有意なリスクをも消費者に及ぼさない’という事実を専門家らが認めた消費者安全科学委員会(SCCS)の修正意見に基づき、欧州委員会はこの物質をリストに加えた。

   しかし、このリストへの追加は、スプレー塗布は避けるべきことと規定し、吸入により最終ユーザの肺の暴露をもたらすかもしれない応用でのこの物質の使用を禁止した。

 同規則は、紫外線フィルターとして使用されるナノスケール二酸化チタンは下記の特性を持つことを求めている。

  • 純度が99%以上
  • 結晶構造、及び球状、針状又は披針形状の物理的外見をもった、ルチル型又は5%までのアナターゼ型をもったルチル
  • サイズ数分布に基づく中央値粒子サイズが 30 nm 以上
  • アスペクト比(縦横比)が 1〜4.5、単位体積当たりの比表面積は 460 m2/cm3 以下
  • シリカ、ケイ酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、トリエトキシカプリリルシラン、グリセリン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコンによってコーティングされているもの
  • コーティングされていない又はドーピングされていない(不純物を添加されていない)同一物質に比べて光触媒作用が10%以下
  • ナノ粒子は最終配合組成で光安定
 2013年7月以来、同化粧品規則は化粧品中で使用されている使用されているナノ物質について上市前の届け出と、[ ]中に’nano’という言葉を表示することを求めている。

 化粧品に関する欧州議会及び及び理事会2016 年7月13日の規則 (EC) No 1223/2009 Annex VI の修正のためのリンク、及び化粧品に関する欧州議会及び及び理事会の2009年11月30日の規則(EC) No 1223/2009 のためのリンクをフォローください。


訳注:関連情報



化学物質問題市民研究会
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