EUROPA プレスリリース 2010年2月9日
化学物質の複合影響

情報源:EUROPA Press Releae, 09/02/2010
Combination effects of chemicals
http://ec.europa.eu/environment/chemicals/effects.htm

訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年2月25日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/EUROPA/100209_Combination_effects_of_chemicals.html


 生活を通じて、私達は食物、水、薬品、呼吸する空気、化粧品や身の回り手入れ用品、靴、衣類、その他の消費者製品に含まれる様々な化学物質に暴露している。自然環境の中で、生物もまた複雑な化学物質のカクテルに暴露している。

 現在の化学物質の評価への規制のアプローチは通常、単一の物質について化学物質毎の評価に基づいている。評価は多くの異なる化学物質への暴露がどのようにヒトと環境に影響を及ぼすかというような不確実性を考慮して安全余裕(マージン)を含んでいる。しかし、それが十分な安全を提供しないという懸念及び化学物質の複合影響はもっと体系的な方法で対応しなくてはならないとする懸念がある。

 これらの懸念を認めて、環境大臣理事会は2009年12月22日に化学物質の複合影響に関する結論を採択した。この結論の中で、理事会は欧州委員会に対して既存の法がこの問題にどのように対応しているのか評価し、適切な修正とガイドラインを提案するよう要請した。詳細・・・

 化学物質の組み合わせの数は潜在的に膨大であり、可能性ある全ての組み合わせをテストすることは現実的ではないし有用でもない。化学物質の組み合わせ影響の評価/見積の手法は開発中であり、特定の状況の中で科学者と規制間によって用いられているが、まだ体系的で包括的な統合されたアプローチはない。2007年に環境総局は現在の科学的知識と規制のアプローチをレビューするためにひとつの研究を委託した。『State of the Art Report on Mixtures Toxicity(混合毒性に関する最新の報告書)』と題する研究報告書が最近、完成し、先の12月環境大臣会議で要求された勧告に関する欧州委員会へのインプットを提供するであろう(上述参照)。

 その最新報告書は次の5セクションからなっている。

  • エグゼクティブ・サマリー
  • 第1部−最新の混合化学物質評価技術−発表されている科学的文献の批判的評価
  • 第2部−EUの21の法律の中で混合毒性から生じるハザードとリスクを現在考慮している条項の特定と記述
  • 第3部−EU加盟国の中で複雑な環境サンプル及び廃棄物サンプルの混合毒性評価のアプローチと現実的な経験に関する調査
  • 第4部−アメリカ、日本、及び国際機関における混合化学物質のハザードとリスクの評価へのアプローチ概観

 欧州委員会は、加盟国の関連規制当局及び関心を持つ団体に、この報告書に関する議論とコメントのための機会を提供する。

 この報告書に関するコメント叉は質問を寄せたいと望む関心及び関連する経験を持つ他のどのような組織でも個人でも2010年4月30日までにENV-Chemical-Mixtures@ec.europa.euに提出することが歓迎される。


訳注:関連記事



化学物質問題市民研究会
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