HEAL プレスリリース 2017年12月13日
EU 加盟諸国 EDC 基準修正案を採択
正しい方向への第一歩ではあるが十分ではない


情報源:Health and Environment Alliance (HEAL), 13 December 2017
EU Member States adopt revised EDC proposal
- A step in the right direction, but not enough
http://www.env-health.org/resources/press-releases/article/
eu-member-states-adopt-revised-edc


訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2017年12月31日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/171213_HEAL_
EU_Member_States_adopt_revised_EDC_proposal.html


【ブリュッセル 2017年12月13日】EU植物・動物・食品・飼料常設委員会(SCOPAFF)の欧州連合加盟各国代表らは本日、内分泌かく乱化学物質(EDCs)の同定基準に関する欧州委員会の修正提案に賛成投票をした[原注1]。

 同委員会は、同基準の修正前の版は市民の健康を保護するものではなく、農薬規制を違法に再開するものであるとして欧州議会が拒否したために召集された。[原注2]。

 本日同意された修正基準案は、多くの内分泌かく乱物質を規制対象外にすることになるであろう問題のある免除を外すことにより欧州議会の要求を幾分考慮していた。しかし、健康環境連合(HEAL)は、公衆健康に関する多くの世論と権威ある学会と共に、以前から表明している懸念−すなわち内分泌かく乱化学物質を同定するために今回採択された基準の中でも求められている非常に高い立証責任についての懸念を繰り返し強調した[原注3]。このことは、内分泌かく乱物質の様な環境汚染物質への人間の暴露が公共予算に重くのしかかるようになってきているという証拠が増えている中で、特に懸念がある[原注4]。

 健康環境連合(HEAL)の執行ディレクターであるゲノン K. ジェンセンは次のように述べた。”本日、加盟諸国は、有害な内分泌かく乱農薬から人の健康を真に保護するために基準を著しく改善するための欧州議会の決定に基づき提案された機会を利用しなかった。多数の内分泌かく乱物質を規制対象としないことになる免除をなくすことは正しい方向のの措置である”。

 ”現状の基準は、将来世代の健康と我々の経済に関して不必要な立証責任を課し、我々が必要とする健康に有害な物質を素早く同定することを許さない”。

 これらの基準を将来どの様に実施するかについてのガイドラインが開発されつつあり、物質を同定するために選ばれるアプローチについて懸念が提起されている[原注5]。欧州内分泌かく乱物質専門家グループの一員として、健康環境連合(HEAL)はこれらの懸念を共有しており、現在行われているガイドラインに関するパブリック・コンサルテーションの脈絡で生じる議論への関与を積極的に継続するであろう[原注6]。

連絡先:
Natacha Cingotti, Health and Chemicals Policy Officer, natacha@env-health.org, +32-2-234-3645

原注(記者のための備考):

訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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