フランス国際放送(RFI) 2017年7月18日
フランスは EU での妥協の後、 内分泌かく乱特性を持つ農薬のリストを発表 情報源:Radio France Internationale (RFI) 18 June 2017 France names pesticides with hormone disruptors after EU compromise http://en.rfi.fr/environment/20170718-france-names -pesticides-hormone-disruptors-after-eu-compromise 訳:安間 武(化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2017年7月29日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/170718_RFI_ France_names_pesticides_with_hormone_disruptors_after_EU_compromise.html フランスは、がん、糖尿病、及び不妊問題を引き起こすとされる内分泌かく乱物質を含む農薬の二種類のリストを発表した(訳注1:insect killer 及び sanitation products)。そのリストは、その基準は十分でないとして前フランス政府は反対していたが、新政府はその反対を取り下げて、本年7月4日に合意された欧州連合の基準に基づくものである。 そのリストは、全てを網羅しているわけではないが、内分泌かく乱物質を含んでいそうな殺虫剤、木材防腐剤、除草剤、殺菌剤など、約1,000 製品の名前を挙げている。 それらの製品は販売が禁止されるわけではなく、公衆に可能性あるリスクを知らせるためだけのものである。 内分泌かく乱化学物質(ECDs)を同定するための EU 基準について数年間議論が続いていたが、エマニュエル・マクロン新大統領選出後、フランスは反対から賛成に立場を変えて、本年7月4日に EU 諸国により合意された(訳注2)後にこの発表が行われた。 いくつかの NGOs はこのリストの発表を歓迎したが、まだ十分ではないと不満を述べた 内分泌かく乱物質(ECDs)とは何か?
EU の基準は数年間の論争の後、最終的に本年6月4日に合意された。 スウェーデンは、基準案の発表が期限より遅れているとして欧州委員会を訴え(訳注3)、欧州委員会は 3年遅れの 2016年に基準案を発表した。 スウェーデンとデンマークに支援されてフランスは、物質のポテンシー(効力)又は人に影響を及ぼすために必要な量を考慮せずに、科学界が認識するハザードの確実性のレベルに基づき、3つの広範な基準、すなわち、”確認されている(verified)”、”推定される(presumed)”、及び”疑われる(suspected)”を採用するよう働きかけていた(訳注2)。 ドイツ及び強力な産業界はそれらに反対し、ハザード、暴露、及びポテンシーの組み合わせを主張した。 欧州化学工業連盟(CEFIC)は、もしフランスの提案が採用されるなら、カフェインや大豆たん白のような製品も ECDs と同定されると述べた。 ロワイヤルは強硬な立場をとった 社会党環境大臣セゴレーヌ・ロワイヤルはこの問題に強い立場で反対したが、彼女の後任で元環境運動家のニコラ・ユロはこの反対を取り下げて、多数派を形成して、欧州委員会の提案の可決をもたらした。 この決定にがなされる間に、内分泌学者を代表する3つの団体が、フランスの変節を防ごうとして共同声明を発表したが、それはある化学物質について”恣意的な適用除外”を含んでいることを非難し、またその基準は”科学に基づいていると言うことはできない”と主張した(訳注4)。 それにもかかわらず、ユロは EU の決定を前進であるとして称賛した。 ”我々は決着をつけるための戦い(the battle)には勝利したが、(目標達成のための)戦争(the war)に勝ったわけではない”と、彼はコメントした。 フランスのNGO である Generations Futures (将来の世代)は、リストを発表したことでその約束を守ったとして政府をほめたが、それは十分に正確であるというわけではないとし、約 40製品が禁止されるべきであると要求した。 ”このリストは非常に限定的である”というのが、 France Nature Environnement(フランス自然環境)の Charlotte Lepitre のコメントであった。 訳注1:発表された二つのリスト
訳注3:スウェーデンの訴訟
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