Newswise 2015年6月1日
内分泌学会
内分泌かく乱物質の同定と評価に関して
欧州委員会に語る


情報源:Newswise, June 1, 2015
Endocrine Society Addresses European Commission
on Identifying and Assessing Endocrine Disruptors

http://www.newswise.com/articles/endocrine-society-addresses-european-
commission-on-identifying-and-assessing-endocrine-disruptors


訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年8月16日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/
150601_Newswise_Endocrine_Society_Addresses_European_Commission.html


【Newswise−ブリュッセル、ベルギー】本日(2015年6月1日)の内分泌かく乱物質に関する EU 会議に招ねかれた内分泌学会報道担当トマス・ゼラー博士は欧州委員会に対し、EDCs を同定するための現在のアプローチは、重要な内分泌の原則を考慮していないので効果がないと述べた。

 内分泌かく乱化学物質(EDC)は、ホルモン作用のあらゆる面を阻害することができる環境中の化学物質又は化学物質の混合物である。2009年に発表された内分泌学会の科学的声明は、人及び野生生物のEDC暴露の影響の懸念を正当化する科学的背景の徹底的な要約を提供した(訳注1)。

 ”EU及びアメリカの両方における現状の規制は、EDCsを環境中の他の潜在的な有害化学物質と同様に扱っているが、EDCsは現状の同定プロセスが考慮していない非常に独自なやり方で作用する”と、ゼラー博士は述べた。”例えば、EDCsへの非常に低いレベルでの暴露は体に非常に著しい影響を及ぼすことができる一方で、同じ化学物質へのより高いレベルでの暴露は異なる影響を示すかもしれない。’毒は用量次第’という原則(訳注2)にいまだに固執する現状の同定プロセスでは、これらの化学物質が公衆の健康に及ぼす脅威を認識することができないであろう”。

 EU会議の目的は、加盟国、欧州議会議員、EU以外の国、及び利害関係者に、植物防疫製品規則(EC 1107/2009)及び殺生物性製品規則(EU 528/2012) の脈絡で、内分泌かく乱物質を同定するための基準に基づき欧州委員会が実施している影響評価について知らせることである。

 ”ホルモンは、もしかく乱されれば不可逆的な発達の要素を制御しているということを規制当局が理解することが重要である”と、ゼラー博士は述べた。”今、行動を起こさなければ、我々は世界的に広がる継続的な慢性疾病に直面するであろう”。

 内分泌かく乱化学物質について世界的な意識向上を図るために、内分泌学会と IPEN は昨年、内分泌かく乱化学物質が人の健康に及ぼす脅威を文書化して、公益組織と政策策定者のための新たなガイドを発表した(訳注3)。

 内分泌学会は月曜日(2015年6月1日)に、化学者とEU規制当局がEDCsから公衆をより良く保護できる方法に関する意見表明書を発表した。

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 1916年に設立された内分泌学会は、内分泌に関する研究と内分泌学の臨床診療に専念する世界で最も古く、最も大きく、最も活発な組織である。今日、内分泌学会の会員は、122か国からの18,000 人以上の科学者、医師、教育者、看護師、そして学生からなる。学会の会員は、内分泌学における全ての基礎、応用、及び臨床的関心を体現している。内分泌学会はワシントン DC を拠点としている。内分泌学会及び内分泌学の分野についてもっと知るためには、我々のウェブサイト www.endocrine.org をご覧ください。


訳注1
訳注2
訳注3


化学物質問題市民研究会
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