「かいほうげん」の読者には毎度おなじみ、茂木さんの4冊目の単行本です。去年草思社から出た「オーケストラ楽器別人間学」が、一般書店でも平積みされるという驚異的なセールスを示してしまったおかげで、この音友版も今までのペーパーバックスからハードカバーに格上げされてしまいました。それで定価も6割増し。ま〜ランクが上がればギャラも上がるという、よくある話です。
しかし、格が上がったとはいっても著者のスタンスは全く変わりませんから、内容は「正・続オーケストラは素敵だ」とおんなじ、抱腹絶倒の旅日記です。
中でも私が最も興味をひかれたのは、今やベルリン・フィルの首席としてシェレンベルガーとならぶ人気、実力を誇るオーボエ奏者、アルブレヒト・マイヤーの若き日の武勇伝です。この人だけでなく、音友の単行本の全てに目を通してみると、茂木さんはベルリン・フィルの5人のオーボエ奏者のうち、なんと3人と極めて親密な関係(同門、オーディション仇、ツアー仲間)にあることがわかります。誰とどうなのかを知りたければ、実際に読んでみるしかありません。
写真は登場するベルリン・フィルのオーボエセクションのメンバー。左からアルブレヒト・マイヤー、アンドレアス・ヴィットマン、クリストフ・ハルトマン。