水辺の鳥(河川)

黒川・余笹川・蛇尾川・箒川・那珂川の清流は、那須野が原に生きる鳥や獣の生命線です。

渓流に映える
(2021.05)

 5月中旬、那珂川水系の上流、渓谷での一枚。モノトーンの鳥がモスグリーンの水面を滑空するように飛んでいきました。ヤマセミです。この美しい鳥に会いたくて早起きし、姿を隠して待っていました。スズメではありませんが、欣喜雀躍の気分です。いい気分でいると、近くでジャブジャブと大きな音がしました。カワウです。水浴びをし始めたのです。この鳥は集団でアユなどを食べ過ぎるので、那珂川ではあまり歓迎されません。こんな上流まで生息域を広げていたことに驚きました。この鳥もモノトーンでした。

水飛沫三昧(枚)

 最近、お気に入りの那珂川早朝おこもり観察での3ショット。取り憑かれたように水浴びするヤマセミ、優雅に離水して飛び立つダイサギ、容赦なく獲物をたたきつけるカワセミ。水飛沫(しぶき)が飛び散る瞬間を切り取ると少し芸術的な感じもしますが、水辺に依存して生活している彼らにとっては、ごく普通の日常風景でもあります。

 清流の証(ヤマセミ)

 平日の休み、緊急事態宣言中でもあったので、那珂川の河原で少し引きこもることにしました。久しぶりにブラインド(観察用小型テント)で本格的に水辺の鳥を観察・撮影しようと思い立ったのです。「今日の占い」が一番良かったのを頼みにして、厳冬の寒さに震えながら待つこと10分、「キャラッ、キャラッ・・」と鳴きながら、ハトくらいの白っぽい鳥が飛んできました。ヤマセミです。胸も喉もゴマ塩模様のメスでした(オスはここに茶色がまじります)。本当に占いが当たったようです。警戒心が極めて強い鳥ですが、目の前の石の上にとまったり、ダイビングして魚(多分オイカワのメス)を獲ったりしてくれました。ヤマセミの生息は清流の証です。ヤマセミの美しい姿が那珂川から消えないことを願わずにいられませんでした。

 謹賀新年

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。大晦日と元日に那珂川河畔を散策しました。同じ場所に大晦日はカワアイサが、元日にはカワセミが姿を見せてくれました。カワガラスは両日とも鳴いていました。年をまたいで「カワ」いい鳥たちに会えて良かったです。ついでに世の中の状況が良い方向に「カワ」ると言うことないのですが・・。今年こそ本当に良い年になりますように。 

 
周囲に溶け込む工夫(2020.5)

 左は、箒川の河原で見つけた、イカルチドリの巣(卵は4個、親が大切そうに抱卵していました)。遠目にはなかなか分かりません。右は庭のエノキで見つけた、アカボシゴマダラの幼虫です。色も形も若葉にそっくりです。どちらも見事に周囲に溶け込んでいます。自然の生き物たちの創意工夫に遭遇すると、いつも驚き、感心し、敬意を表したくなります。  

オオハクチョウ(2019.1)

 オオハクチョウの着水の様子です。頑張って水掻きを大きく広げ、ブレーキをかけるように水面を押しつけて着水しました。日本で越冬するハクチョウたちは、ファミリーで仲良く行動します。灰色の個体は、昨年生まれた幼鳥です。下の左は6羽家族、右は5羽家族でした。

ひっそりと・(2012.04)

「忍び」のように・・・

 4月下旬、薄暗い杉林を沢すじに登っていくと、焦げ茶色の鳥が飛び立ちました。ミゾゴイです。5月になって再び同じ沢を訪れてみると、やはりほぼ同じ場所からミゾゴイが飛び立ち、杉の枝にとまりました。よほどこの暗い林を気に入っているようです。
 ひっそりと「忍び」のように振る舞っているつもりでしょうが、首から腹にかけての茶色は結構明るいうえに、驚いて飛び出してもすぐに近くにとまるので、林の中でも案外見つけることができます。繁殖してくれれば、こちらが忍者になって、観察したいともくろんでいるのですが・・・

ヤマセミの休息(2011.01)

ヤマセミの休息(2011.01)

 1月の極寒の日に、那須町黒川の支流でヤマセミ(全長40p弱)のメスを見つけました。メスは喉にオレンジ色の羽毛が混じらない代わりに、翼の裏がオレンジ色なのです(左)。オスは逆です。寒かったので足を包むように枝にとまっていたり(左上)、白ペンキのようなフンをフン射したり(上)、ストレッチをしたり(左)して、くつろいでいました。ペアとなるオスは見つけられませんでした。来月下旬には繁殖の準備をし始めるはずです。


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