花・虫・その他 更新(2023年12月24日)

秋深し(2023.10)

 ・左上・・クリタケ。秋後半、林に顔を出す食用キノコ。那須での呼び名は「アカンボ」。
 ・右上・・那須の名峰、朝日岳(1896m)。朝日と紅葉で真っ赤っかに燃えてます。
 ・中央・・ホオジロも食欲の秋を満喫してます。ごちそうはススキの穂でした。

秋の七実(2023.09)

秋の野や山で見つけた木の実七種を紹介します。「秋の七草」ならぬ「秋の七実」です。「しちみ」とも読めますが、この七つの実は、甘かったり、酸っぱかったり、渋かったり、えぐみがあったりしますが、「辛み」のある実は多分ありません。すべてヒトも食べられますが、野の鳥や獣にとっては冬を乗り切るための大切なエネルギー源になってます。樹木名をランダムに並べておきますので、それぞれの実の写真と結びつけてください。
 ・ズミ(酢実)・・リンゴの親戚。初夏に咲く白い花もこの赤い実も確かに似ています。
 ・ヤマグリ(山栗)・・既に誰かに食べられていました。黒くて大きいアイツの仕業です。
 ・アケビ(木通)・・熟すと実は縦に割れます。中は黒い種とそれを包む白くて甘い果肉です。
 ・サルナシ(猿梨)・・キウイの親戚。実の形も甘酸っぱい味もそっくりです。
 ・オニグルミ(鬼胡桃)・・中身のおいしさを一番知っているのは、やっぱりリスでしょうね。
 ・ヤマブドウ(山葡萄)・・野生のブドウそのもの。熟すと甘く、多くの動物を寄せ付けます。
 ・ヤマボウシ(山法師)・・四角い真っ白な花から、丸くて赤い実に大変身です。。

 
北上する蛇の目蝶(2023.09)

クロコノマチョウ(黒木間蝶)です。那須塩原市の暗い山中で見つけました。同じ場所で10数年前(正確には、2010.10.02)にも、このチョウの写真を撮ったことをすぐに思い出しました。南方系のチョウですが、ツマグロヒョウモンやモンキアゲハと同じように温暖化ともに分布を北上させているようです。

盛夏・晩夏の花々(2023.08)

夏の那須高原を彩る花々を紹介します。花の名をランダムに並べておきますので、それぞれの写真と結びつけてみてください。
 ・オミナエシ(女郎花)・・お盆花。「秋の七草」の一つ。
 ・ワレモコウ(吾亦紅)・・濃い赤紫色の小さな花の集合体。写真は虫付き。
 ・タチフウロ(立風露)・・淡いピンク色。朝露付きの、風に揺れる花が語源か?
 ・キキョウ(桔梗)・・これも「秋の七草」。古名「朝顔」。品を感じさせる紫色。
 ・カワラナデシコ(河原撫子)・・大抵はピンク色。これは貴重な白花。「秋の七草」の一つ。
 ・アサマフウロ(浅間風露)・・浅間高原が名前の由来。写真は虫付き。

巣箱アパートでの同居(2023.05)

 庭のエノキには巣箱が設置してあります。ヤマガラが出入りしているのですが、その階下(巣箱の床下)では、蜂と蝶が同居していました。蜂は、ムモンホソアシナガバチ。越冬した女王蜂がひとりで巣を作り始めています。よくよく見ると、卵も産んでありました。蝶は、ヒオドシチョウというタテハチョウの仲間。オオムラサキと同じくエノキを食樹としています。写真左は幼虫が蛹になるためにぶらさがっているところ。ここは、雨に当たらない都合の良い場所のようで、3匹もぶらさがっていました。右は、1時間後の様子。すでに、左2つは蛹化しています。多分、しばらくはこのアパートで同居が続くでしょう。ヒオドシチョウの蛹は約2週間で羽化します。本家ヤマガラの様子は後日、報告します。

小さな大蟷螂
(2023.04)

 庭木に産み付けられていた大蟷螂(オオカマキリ)の卵が孵化しました。一気に次から次へと幼虫が出てきます。すぐに脱皮して1令幼虫になるそうです。10mmほどの生まれたてですが、ほとんどカマキリの姿形になっています。

スプリング・エフェメラル3種
(2023.03)

 春に咲く儚い花たちを総称して、「スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)」と言うそうです。ここでは、同じ雑木林に咲いていた3種を紹介します。
 黄:フクジュソウ
 紫:カタクリ
 白:キクザキイチゲ
早春の一時だけ、花をつけて林を彩り、夏から冬は静かに休眠します。

フキノトウと氷柱(2023.02)

 那珂川の河畔には切り立った崖もあって、この崖からは水が染み出していました。2月半ばですが、ここではご覧のとおり既にフキノトウがいいあんばいに育っていて、何だか冬と春が混在しているでようでした。右は氷詰め。氷柱のカーテンも少し芸術的です。美しい氷のナタのような造形もありました。

越冬てふてふ(2023.01)
上左:クロアゲハ(蛹) 上右:ウラギンシジミ(成虫)
下:ゴマダラチョウ(左)とオオムラサキ(右)(幼虫)

 同じチョウの仲間でも、種類によって厳しい冬を越す形態は様々です。今冬、自宅の庭で見つけた4種類のチョウを紹介します。クロアゲハは食樹のサンショウの枝で越冬蛹になっていました。目立たない保護色です。アゲハに比べると、頭の突起物がやや長く鋭いそうです。ウラギンシジミは成虫のまま。たいていは葉の裏などで越冬しますが、この時はなぜか落ち葉の上で固まっていました。真っ白(翅ウラのギン色)なのでこちらは目立ちますね。ゴマダラチョウとオオムラサキは、エノキの根元で幼虫で越冬します。そっと枯れ葉をめくると、ご覧のとおり頭に角、背中にトゲのあるイモムシがじっとしていました。左の、 少しずんぐりして、トゲが3つあるのがゴマダラチョウ。右の、それより小さくて4つトゲのあるのが、オオムラサキ(国蝶)です。もちろん、成虫はオオムラサキの方がずっと大きいです。

冬のキノコ
(2022.11)
(立冬に撮影)

上左:ナメコ
上右:ムキタケ
右:クリタケ

湿原・湿地の花だよりU(2022.10)

上左:ヤマラッキョウ
上右:ウメバチソウ
右:ツリガネニンジン
(那須町の湿地にて)

秋の気配(2022.08)
〜那須の草原にて〜

 左上:アサマフウロ(浅間風露)
 右上:ワレモコウ(吾亦紅)
 右:オミナエシ(女郎花)

   
湿原・湿地の花だより(2022.07)

左:上から、ノハナショウブ 多分コバノトンボソウ
右:上から、トキソウ(「朱鷺」色の花) ネジバナ(ハッチョウトンボ付き) シモツケソウ(草本。木の「シモツケ」とは別種)

那須の山菜だより(2022.04)

那須の山野に芽吹く山菜の一部を紹介します。
左上:タラ(タラボ) 右上:コシアブラ(シロキノメ)
左下:コゴミ 右下:オオバギボウシ(ウルイ)

春の花だより(2022.04)

那須の山野にひっそりと咲く春の花の一部を紹介します。
左上:ハルトラノオ 右上:エイザンスミレ
左下:ショウジョウバカマ 右下:エンレイソウ

春のきざし(2022.03)
〜那須山中にて〜

 左上:湧き水のたまりにひっそりと咲いていたリュウキンカ
 右上:路傍に元気良く群生していたオオイヌノフグリ
 右:用水路ほとりでみつけたフキノトウ

 
舞茸「天然も栽培も」
(2021.09)

 今年も深山幽谷に分け入り、ご覧のようなキノコを採ってきました。舞茸(マイタケ)です。いくつかの株を見つけ、例年になく大漁で、御飯、汁物、炒め物などどんな料理にしても舌鼓を打ちっぱなしでした。こういう時に自然を味わうことの贅沢さを実感します。写真には、一つだけ庭に出た栽培マイタケも掲載してあります。どれか分かりますね。いかにも庭に埋め込まれた原木から「雑草」をかき分けて出てきたヤツです。風味や香りは天然物には及びませんが、これも十分においしかったです。  

初茸「緑青色の変なヤツ」
(2021.09)

 那須山中の小松林でハツタケ(初茸)を見つけました。ご覧のとおり、目立たないキノコですが、古来その名のとおり初秋に出始めるキノコのトップバッターとして知られています。芭蕉や一茶にも初茸を詠んだ句があるそうです。傷がついたところは、緑青色に変わることも有名で、そのおかげで他のキノコと間違えることはありません。地味なのに色変わりする変なキノコですが、風味豊かな出汁がでます。秋ナスとの相性が抜群です。

葉陰の死闘
「ムモンホソアシナガバチvsヒメスズメバチ」
(2021.08)

 アシナガバチが庭木の周囲をたくさん飛んでいたので、何事かと用心しながら観察すると、葉陰に作られた巣にスズメバチが襲いかかり、成虫を追い払ったり、蛹をくわえ出したりしていました。すさまじい死闘が繰り広げられていました。早速ハチの種などを調べてみると、被害者はムモンホソアシナガバチ(体長15〜20mm)、加害者はヒメスズメバチ(体長25〜33mm)というハチでした。ムモンホソアシナガバチは、すらりとした細身で淡い黄色のハチです。顔に縦紋がないので、ムモン(無紋)なのだそうです。ヒメスズメバチは、「ヒメ」の割にオオスズメバチに次ぐ大きさのスズメバチでした。腹部先端が黒いのが特徴で、他のスズメバチとは簡単に識別できます。生態も特徴的で、実はアシナガバチを専門に捕食する偏食家だそうです(確かに、すぐ近くにはクロスズメバチの飼育箱が置いてあるのですが、そちらには見向きもしませんでした)。死闘と言っても一方的で、半日後にはムモンホソアシナガバチは一家離散、巣も放棄されていました。自然の掟は、時に非情で酷いものです。ただ、多分アシナガバチがいないとヒメスズメバチは生きていけないのでしょうが・・。

可憐な花ですが・・「タヌキモ」
(2021.08)

 那須の溜め池に咲いていた可憐な黄花。よく見ると特徴的な花の形です。初めて見た花でしたので、調べてみました。実は「タヌキモ」という水生植物で、何と食虫植物なのだそうです。根は退化してない代わりに、水中の茎には袋が付いており(「捕虫嚢」)、近づいたミジンコやボウフラなどをその袋を急に膨らませて吸い込むということです。和名は「狸藻」で、水中の茎や葉がタヌキの尻尾に似ていることが由来だそうです。名前も花も可愛らしい感じ(古語の「うつくし」)ですが、生態とのギャップが「いとをかし」ですね。

晩夏初秋の花々「アサマフウロ他」
(2021.08〜09)

 8月下旬から9月上旬、那須の草原に咲いていたインパクトのある花々を紹介します。上は濃くて鮮やかな赤紫の花、アサマフウロ(浅間風露)です。それと下左、クズ(葛)に、下右のワレモコウ(吾亦紅)。自己主張が強そうな濃い赤紫系の花を並べてみました。行く夏を惜しみつつも秋の訪れを感じさせる花々です。

 
派手な目玉模様「クジャクチョウ」
(2021.08)

 8月中旬、停滞している前線のために、那須高原にも数日間にわたり断続的に雨が降り続いています。真夏なのに日中の気温は20度に届きません。雨が止んだ昼下がり、木道を歩いていると、足下から黒っぽい蝶がフワフワと飛び立ち、近くのツツジの枝先にとまりました。クジャクチョウです。翅の裏面は黒褐色ですが、表面は濃い赤地に派手な目玉模様が4つ、強烈なインパクトのあるデザインです。「孔雀」という和名は、この模様に由来します。少し傷んではいましたが、クジャクチョウらしい鮮やかさは健在でした。タテハチョウの仲間なので、気温が高ければ、「フワフワ」ではなく、「スイスイ」と俊敏に飛び回るのでしょうが、さすがにこういう日はおとなしいようです。しばらく同じ枝先にじっととまっていました。

清楚で気品のあるゼフィルス
〜ウラゴマダラシジミ〜(2021.06)

 梅雨時、少し暗めの雑木林からこの品のあるチョウは発生します。食樹は白い花を咲かせるイボタ。ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の中では、毎年最初に登場します。写真は那須町の山中での1枚。薄紫色がきれいな個体だったこともあって、写真に撮れた時は悦に入ってほくそ笑みましたが、翌日庭先のユズの葉にちゃっかりとまっているところを見つけた時は「あれあれ」と思いました。隣の薄暗い雑木林には、実はイボタの木があったのです。何とかイボタを庭木にして、敷地内でウラゴマダラシジミの自然発生を企てようと思います。ちなみに、これまでにうちの庭木から自然発生した、珍しめのチョウは、オオムラサキ・ゴマダラチョウ・ヒオドシチョウ(エノキ)、アオバセセリ(アワブキ)、オオミスジ(ウメ)などです。

悠々たるノスリと密なカタクリ(2021.03)

 3月末、うららかな日の光に誘われて散歩に出てみると、頭上から「ピエーピエー」と声が聞こえました。悠々と空を舞うノスリです。繁殖のためにテリトリーを宣言しているようでした。近くに松林が少し残っていて、そこで巣作りと子育てをしてくれるかもしれません。既に巣作りは終えている時期ですので、後でそっと観察してみます。
 目を転じて、林中の地上には、カタクリが可憐な花を咲かせていました。こちらはかなり密ですね。日が当たると写真のように花びらを反り返らせるほど開きますが、日がかげる夕方には完全に閉じてしまいます。カタクリは春先に開花し、種子をつけると、初夏の頃までには枯れてしまい、休眠状態になって、そのまま冬を越すのだそうです。こういう草花を総称して、「スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral:春の妖精)」と言います。イチリンソウやショウジョウバカマも同じです。ちなみに、カタクリの種子には、アリが好む成分が付いていて、アリはそれに誘われて種子を巣まで運ぶのだそうです。分布を広げるためのカタクリの戦略です。

キイロイハナ(2021.03)

 3月上旬、まだまだ寒い那須高原でも黄色い春の兆しを見つけることができました。左上はフクジュソウ(幸福)で、上はマンサク(ひらめき)、左はセイヨウタンポポ(真心の愛)です。( )内は花言葉。同じ黄色と言っても、濃淡や色合いなど花の形とともにかなり違っていますね。三者三様です。

 天然マイタケと栽培マイタケ

 9月下旬県北の山中でマイタケを収穫しました(左)。少し黒みがかった良物で、時期もちょうど良かったようです。自然・天然の風味が豊かで、キノコ御飯や天ぷらにして美味しくいただきました。調子に乗って欲をかき、10月上旬再びマイタケ採りに挑戦しました。が、目的の原生林に向かう途中の沢筋で、親子のツキノワグマに遭遇しました。興奮した親グマの様子にたじろぎ、あえなく撤退しました。ほうほうの体で家に帰り、クマに叱られた傷心を癒やそうと庭を眺めていると、何とそこにマイタケ(右)が・・・!瞬時に「幻?」と自分の目を疑いましたが、すぐに2年ほど前に栽培マイタケの原木をそこに埋めておいたことを思い出しました。忘れずに出てきてくれたのです。天然に拒まれ、栽培に慰められた日でした。

タマゴタケの変化(2020.9)

 左は通勤途中で見つけたタマゴタケ(7時52分)、中央は退勤した時の同じタマゴタケ(17時37分)、約10時間で急激に成長しました。・・・その約1時間後、バターソテーになって夕食のテーブルに登場です。

鱒と卵の茸(2020.9)

 9月半ばにさしかかると、那須は急に秋めいてきます。涼やかに吹き渡る風、爽やかな日の光、迫り来る夕闇など・・林の中でも地表から一夜にして様々なキノコが現れ、季節の移り変わりを感じさせてくれます。
 左上はマスタケ、その名のとおり、鱒の肉のようなサーモン色です。右上はタマゴタケ、卵のような「つぼ」から鮮やかな紅色の「かさ」が芽を出しています。名前負けせずに、どちらも食用キノコで案外美味です(くれぐれも野生のキノコを食べようとする時には、十分図鑑などで確かめて、確証を得てからにしてください)。

ジョウザンミドリシジミの乱舞(2020.7)

 7月下旬、早起きして那須塩原市の山中に出かけ、蝶を観察しました。お目当ては、午前中だけ活発に行動するシジミチョウ、ジョウザンミドリシジミです。車道の片側が崖になっている開けた場所で、その小さなチョウを見つけました。キラキラしながら争うように乱舞する美しいオスです。御覧のとおり、緑色の金属光沢で、宝石のように輝いていました。前翅の片方の大きさ(前翅長)は20mmほどです。ミドリシジミの仲間は、栃木県内で20種ほど確認されており、その美しさから「ゼフィルス」(そよ風の精)とも呼ばれているそうです。すべて年1回の発生で、主に6〜7月頃に羽化します。どの種もオスはテリトリーを作り、占有性が強く、別のオスが入り込むと、すぐに執拗に追いかけ回します(その飛び方を「卍巴」とか「卍飛翔」と言うそうです)。ジョウザンミドリシジミは8時から10時頃までがピークで、種によっては夕方から日没までなど、それぞれに活発に活動する時間帯が決まっているようです。観察した、この個体もあれほど一所懸命飛びまわってライバルを追い出そうとしていたのに、10時を過ぎると消えたように姿を見せなくなりました。何だか「冗談」のようです。「冗談」でなくて、「ジョウザン」ミドリシジミでしたm(__)m。「ジョウザン」は北海道の定山渓のことで、ここで初めて発見されたのだそうです。山地系のゼフィルスで、ミズナラを食樹とします。

「飛ぶ宝石」
ジョウザンミドリシジミ
(2020.7)

 ジョウザンミドリシジミの光り輝く飛翔に見とれてしまいました。オスの翅表は、モルフォ蝶のようにメタリックで、光の角度によっては、青みがかったり、グリーンに映えたりします。


桃色三昧(2020.7)

 7月下旬、那須の高原に美しいピンク色の野草が咲き乱れます。左上はタチフウロ(信頼)で、上はカワラナデシコ(可憐)、左はシモツケソウ(純情)です。( )内は花言葉、同じピンクと言っても、良く見ると花の形とともに違っていて三者三様です。


「はらぺこあおむし」のような・・(2020.5〜6)

 5月下旬、庭に植えてあるアワブキにアオバセセリが訪れて産卵するのを見つけました。6月に孵化した幼虫は、アワブキの葉をもりもり食べ続け、どんどん太っていきました。有名な絵本「はらぺこあおむし」のモデルのようです。派手な色合いを隠すかのように、葉を丸めて巣を作るのも特徴的な生態です。やがて蛹になり、7月には羽化して蝶になったシーンを撮って、ここに紹介する予定でした。しかし、幼虫は20以上見つけていたのに、不思議なことに蛹は一つも見つけられません。今回は終令幼虫までの紹介です。

カタクリとビロウドツリアブ(2019.3)

 庭先に咲いたカタクリの花を撮影しようとカメラを向けたら、その蜜を吸いにアブが飛んできました。ホバリングしながら長い口吻を花の奥に差し込みました。この毛に覆われたアブは、早春にだけ出現して吸蜜する訪花性のビロウドツリアブというのだそうです。確かに、「ビロード」織物のような毛に覆われ、写真のとおり、ホバリングの様子が一瞬は花から「吊り」下げられたようでした。図らずも、状態と様子が、その名前の由来を表した瞬間でした。

フキノトウ(2018.1)

 1月上旬、お気に入りの那珂川の河川敷を散策しました。数羽のカケスが騒々しく鳴き交わし、シジュウカラが群れをなして枝から枝へ移っていきました。左岸に続く崖には、一面に水がしみ出しています。河原は枯れた色で覆われていますが、濡れた崖に数か所に瑞々しい緑色を見つけました。フキノトウです。冬真っただ中には違いありませんが、春はこんなところでひそかに準備を始めているようです。

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