最近は移植手術についての話を聞くのも少なくなくなってきた。移植には臓器移植と骨髄移植があり、臓器移植についての脳死問題が取り上げられているからである。臓器提供者をドナー、臓器受容者をレシピエントと言う。このドナーとレシピエントの間でABOやRhなど(免疫のところを参照)の赤血球の血液型は当然のこととしてHLAといわれる組織適合性抗原が一致していないと拒絶反応が起こる可能性がでてくるのである。HLAにはclass
Iとclass IIと言われるものがあって、主にclass IIが一致することが好ましい。これには相当数の抗原があるため、一般集団から自分に一致する人を見つけるには1万人に一人と言われている。家族内の場合は一致する確率が高く(1/4)、双子の場合は完全に一致する。こういうことから考えて、移植をする場合、家族、兄弟などからドナーを捜したりする。ただし、骨髄の場合は良いが、心臓移植の場合はそうはいかないのだ。それでドナー探しが困難になるのである。 |