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自己免疫疾患とは
自己免疫疾患とは何であろうか。免疫の仕組みは“仕事・免疫”にゆずってゆっくりとアップしていくとして、自己免疫疾患とは何かを特集したい。自己免疫、というからには自分に対する免疫でしょ??と思う人も多いだろう。そう、自分の臓器を自分で攻撃する、これが自己免疫疾患である。要するに、自分の体の構成成分の一部を他人と思って自分で自分を攻撃する、これが自己免疫疾患なのだ。自分の細胞や自分の組織を他人と間違えて自分で抗体を作ってしまったものを自己抗体という。この自己抗体と自分の組織との間で攻撃しあうのが自己免疫疾患であり、臓器によっていろいろな病気がある。
区切り
まず、甲状腺に特異的に起こる橋本病がある。この橋本病は甲状腺のサイログロブリン、ミクロソームに対する抗体が出来るものである。これらの抗体が瀘胞上皮細胞に結合して免疫反応が起こり、甲状腺を障害し、甲状腺機能の低下が起こるものである。同じ甲状腺疾患で甲状腺機能亢進症というのがあるが、これは甲状腺刺激ホルモンレセプターが自己抗原となって起こる疾患であり、手の震え、激痩せなどが症状で出てくる。このほか、臓器特異的に起こる自己免疫疾患には以下のものがある。赤血球に起こる自己免疫性溶血性貧血、すい臓ではすい臓のβ細胞に特異的な抗体が出来るインスリン依存性糖尿病、インスリンレセプターに特異的な抗体が出来るインスリン非依存性糖尿病、副腎皮質では副腎細胞に特異的な抗体が出来るアジソン病、アセチルコリンレセプターに特異的な抗体が出来る重症筋無力症、脳のミエリン蛋白に特異的な抗体が出来る多発性硬化症、精子に抗体が出来てしまう男性不妊症、胃壁細胞に抗体が出来る萎縮性胃炎、また潰瘍性大腸炎、慢性活動性肝炎、水晶体性ブドウ膜炎などもそうである。
臓器特異的ではなく全身的にいろんな臓器で起こるものもあり、代表的なのが慢性関節リウマチや、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎など、膠原病と言われるものである。これらは抗核抗体の存在が認められることが多い。特に全身性エリテマトーデスでは抗核抗体が見られる。顔面に見られる蝶形紅斑は特徴的であり、微熱、関節炎、神経障害なども見られる。また、全身性自己免疫疾患で比較的よく見られるのが慢性関節リウマチであり、関節炎が慢性的に続き、そのうち滑膜が破壊されて関節障害が起こるのである。自己抗体としてリウマトイド因子が見られ、これがIgG(イムノグロブリン)に結合して大きな免疫複合体をつくり、補体と呼ばれるものを活性化して組織障害などの様々な悪さをしていくのである。
これらの疾患は即生死に関係するわけではないが、逆にそれだから患者を苦しめるものになってしまうところもある。命にかかわってくるもののなかに全身性硬化症があるが、最近ではこの疾患もかなり長く生きられるようになってきている。結合組織膠原繊維が増殖するのであるが、手とか指に出ているうちはまだいいものの、これが食道とか肺、腎、心臓などに出てしまうと命にかかわってくるのである。
このような様々な自己免疫疾患は解明されていることが多いものの、根本的にはまだまだ研究課程であることも多い。我々が頑張らねばのぉ、という状況であろう。
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