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抗原提示機構に関与する補助分子

生体内に新たな抗原物質が入ってきたときには細胞間でどんな作用が起こるのだろうか??抗原提示細胞上にはMHC classIIといわれる分子がある。この分子はT細胞上のTCR(T細胞レセプター)と反応して〔間に小さく千切られた抗原のかけらを挟むのだよ〕生じる刺激だけではナイーブCD4細胞を充分に活性化できない。細胞表面にはこの反応を手伝う分子が存在する。これらの多くの分子について、全部を語るとかなり長くなるし専門的になる。なので、一部について語って見よう。

区切り

抗原提示細胞上にはB7-1とB7-2、T細胞上にはCD28とCTLA4があるのだ。B7-1とB7-2は未熟な樹状細胞の上には少ししか発現していないが、一匹前の抗原提示細胞になると強く発現する。そう、細胞表面上の分子数が多くなるのだ。一方、T細胞上のCTLA4分子はT細胞活性化に伴って誘導される。また、CD28は多くのT細胞上に恒常的に発現されている。B7-1とB7-2はCD28やCTLA4とそれぞれ相互作用をして働くのだ。そう、B7-1とB7-2はその共通の受容体であるCD28に作用してT細胞を活性化するのだが、こうして活性化したT細胞の上にCTLA4が出現してきて、これらがB7-1,B7-2とくっつき、活性化を抑制するようになるのだ。CTLA4はCD28よりもB7-1やB7-2とくっつく力が強く、余計な活性化を防いでいるのである。これらのバランスは、生体内でも免疫反応を調整しているのだ。簡単に書いちゃったけど、わかるかな??
ついでに・・・
Th1とTh2の相互制御についても話しておこうか。
Thは抗原提示細胞によって活性化されて機能の異なるサブセットに分化する。Th1の誘導には抗原提示の際にAPC(抗原提示細胞)から分泌されるIL-12が重要であり、Th2への誘導にはTh自身かNKTなどの細胞から分泌されるIL-4が関与している。IL-4にはTh2誘導促進のほかにIL-12レセプター抑制作用などがあり、Th1をこれによって抑制してTh2に偏らせているという考えもある。Th1、Th2それぞれに偏ると、さらにそれぞれのTh細胞自身が産生するサイトカインによってさらに傾きが増すと思われる。不思議なことに、Th2に偏る状況下ではTh1の誘導が困難であるのに対して、Th1に偏る状況下ではTh2はそれでも誘導されるという面白い結果もある。
現代はTh1を誘導するような感染症が減ってきてTh2に偏ってるのでは??という考えもあるが、これが正しいとも限らない。様々な環境因子も関与しているのだろう。

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