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B細胞の分化、免疫グロブリンのクラススイッチ

B細胞というのは高度に分化した細胞であり、その最大の役割は抗原特異的な抗体の産生である。B細胞には無数の外来抗原に対しては抗体を作るにも関わらず、自己抗体は作らないという面白い現象が起こる。すなわち、多数の免疫グロブリン遺伝子断片を染色体上に持っていてこれらを多くの分化段階で再構成してこの際に成功したクローンのみ選択し、自己反応性クローンは排除するという作業を繰り返している。

区切り

マウスを例にあげると、マウスでは一日に1から2X107のB細胞が産生されてきて末梢にはその10から20倍のB細胞があることが知られている。末梢のB細胞はほとんど成熟しているが、良く考えてもらうと何かがおかしい。そう、骨髄から新たに出てきたB細胞がみんな生きていたらB細胞だらけになってしまうのだ。それを考えると、B細胞はほとんどが死滅してくのがわかるだろう。しかし、脾臓などで成熟しているB細胞も身体の中では数週間生き続けるが、細胞を取りだすと2から3日で死滅する。そう、こういうことを考えると、生体内では細胞が生きていくために必要なシグナルが動いているのだ。その一つに抗原レセプターからのシグナルがある。シグナルにはCD19、22,40などを介する様々なものがあり、それぞれいろいろな役割を果たしている。19や22は専門分野になってしまうが、40は割に優しい、というか、基本的なところで大事である。何に大事か??それは免疫グロブリンのクラススイッチに大事なのだ。CD40はT細胞の上にあるCD40Lという分子と関与しあう。そう、B細胞はT細胞上のCD40Lによって活性化し、これによってクラススイッチが起こるのだ。T細胞上のCD40Lに異常があるとクラススイッチが障害されてIgMが多くなるX連鎖型高IgM症候群が引き起こされる。
このようなCD40依存的なクラススイッチのほかにも非依存的なクラススイッチが存在する。その中に樹状細胞依存的なものが存在する。樹状細胞をIFNなどで刺激し、これにB細胞を添加するとクラススイッチが見られる。もう少し専門的なところでは、B細胞上のBCRを刺激した〔架橋した〕B細胞に樹状細胞を入れるとB細胞は形質細胞に分化したりする。まぁ、専門的な分野になるけれど、面白い現象である。

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