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ELISAについて

最近の臨床検査方法はとてつもなく進歩している。そう、生体内のかなり微量な物まで測定できるのである。その生体内の微量な物を測る方法の一つがELISAというものである。”えりざ??”聞きなれない言葉であろう。しかし、今では様々なガンマーカーとか、生体内のサイトカインとかがみなELISAで測られているのである。そして微量な物を早期に発見すること、早期に動きを捕まえることで出来るだけ早い治療に踏み出せるようになるのである。では、ELISAという測定法の原理はなんであろうか??原理なんてわからなくても良い、と思うかもしれないが、原理がわからないと困ることは様々な場面で遭遇する。何事も基礎がわからないと、なのである。

区切り

ELISAとはenzyme linked immunosolvent assayというもので、以前はラジオアイソトープを使ってやっていた方法のenzyme編である。一般的にサンドイッチ方という方法をとる。ある抗原を測りたい場合、その抗原に反応する抗体を2種類用意して、一つに酵素をくっつけて、この二つで挟み込んで測定するのだ。

測定は は以下のような方法をとる。
免疫学では良く使う96wells plateというプラスチック製のプレートがある。このプレートの底に自分が測定したいものに対する抗体をくっつける。プレートは抗体がくっつきやすいように加工してあるのだ。例えば人のイムノグロブリンGを測りたいとしよう。
その場合、抗ヒトイムノグロブリンG抗体をまずプレートの底にくっつける作業をする。これは適当な濃度(だいたい5000から10000倍位に抗体を薄めることが多い〕に薄めた抗体液を各wellに入れればよい。これで一晩冷蔵で置いておく。この状態でプレートの底には抗体がくっつく。次に、プレートのブロッキングという操作をする。これは以下の理由で行う。つまり・・
抗体は蛋白質であり、これがくっつきやすいように加工して あるプレートには、当然抗原となる蛋白質もくっつきやすいのである。抗原がプレートにくっついてしまった場合、次に入れる標識抗体が、コーティングした抗体に反応した抗原に反応しているのか、無意味に”底”にくっついた抗原に反応しているのかわからないのだ。そこで、プレートの底を挟み撃ちする抗体に反応しない蛋白質で埋めてしまうようにする。これがブロッキングという操作である。一般的には牛のアルブミンを使う。これを1%くらいの高濃度で使用する。
抗体をくっつけたプレートを洗浄バッファーで 洗ってからブロックング試薬を入れ、これを一晩反応させるのだ。こうすることで、抗体が付いていないプレートの底にはこの牛アルブミンがくっついて、むやみに抗原がくっつくのを防ぐこととなる。
この後、これを洗ってから目的とする抗原を入れる。ヒトの血清中のイムノグロブリンGを測りたい場合はヒトの血清を適当に薄めて添加することになる。薄める倍率は、ヒトの血清中には健常者の場合、15mg/mlくらいのイムノグロブリンがあるため、自分がスタンダード曲線用に作っているイムノグロブリン液の濃度から、スタンダード曲線の中に入るであろう濃度になるように血清を薄めるのだ。例えば、1mgからスタンダードを薄めて行った場合、だいたい250から75μgくらいになるかな??と考えられる濃度に薄めるのだ。その人が異様にイムノグロブリンが高い場合はもう一度やり直すことになるため、何段階か希釈を作っておくと良い。
抗原を入れてから室温で1時間、または冷蔵で一晩反応させてから、こんどは挟み込む抗体を反応させる。反応前にはプレートを良く洗って、enzymeのくっついた〔ペルオキシダーゼが使われることが多い〕抗体を反応させる。この反応で、下にくっつけた抗体に反応している抗原に、上から更に抗体が反応することになる。
この挟み込んだ抗原を、今度は基質を入れて発色させることになる。 基質にはペルオキシダーゼの場合はOPDをつかったりする。抗体にくっついているペルオキシダーゼにOPDが反応するため、結局抗原の量がわかることになるのだ。
こうして測定すると、生体内の微量な様々なものが測定できる。
いまや、臨床検査の様々な領域でこの方法は使われており。実際に臨床の場で出会うことは非常に多い。便利な方法である!!
さらにまだまだ見つかっていない様々な蛋白質がこの方法で測れたりするかもしれない・・・・・・・・・そうすれば・・・・・・・・え??ノーベル賞??まさか!!

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