個体発生においてT細胞は骨髄でリンパ系幹細胞が出来、そこからT細胞やB細胞と分化していく。Tへと分化していくものはプレT細胞という。TCRの再構成が出来ていないプレT細胞はTCRは発現していないものの、この段階でCD3は発現してくる。プレT細胞は胸腺内に入り、CD34やCD44などを発現するものの、まだCD4やCD8は発現しない。胸腺内でTCR遺伝子の再構築が確立されてきて、その後、やがてCD4やCD8も発現してくる。この段階をダブルポジティブ(DP)という。この時期に胸腺のストローマ細胞と接触してインターロイキンなどのサイトカインの作用を受けて分化増殖していく。この段階でさまざまな教育がなされ、こうして外来抗原に対する多くのT細胞クローンが出来上がる。MHC
class IIに反応するものがCD4陽性細胞となっていき、MHC class Iに反応するものがCD8陽性細胞となっていくのだ。こうして胸腺の外にでていく。 |