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Th1とTh2
個体発生においてT細胞は骨髄でリンパ系幹細胞が出来、そこからT細胞やB細胞と分化していく。Tへと分化していくものはプレT細胞という。TCRの再構成が出来ていないプレT細胞はTCRは発現していないものの、この段階でCD3は発現してくる。プレT細胞は胸腺内に入り、CD34やCD44などを発現するものの、まだCD4やCD8は発現しない。胸腺内でTCR遺伝子の再構築が確立されてきて、その後、やがてCD4やCD8も発現してくる。この段階をダブルポジティブ(DP)という。この時期に胸腺のストローマ細胞と接触してインターロイキンなどのサイトカインの作用を受けて分化増殖していく。この段階でさまざまな教育がなされ、こうして外来抗原に対する多くのT細胞クローンが出来上がる。MHC class IIに反応するものがCD4陽性細胞となっていき、MHC class Iに反応するものがCD8陽性細胞となっていくのだ。こうして胸腺の外にでていく。
区切り
末梢の成熟T細胞は様々な機能を持つ。その一つがヘルパー機能である。ヘルパーT細胞はCD4分子を持ち、抗原認識の際にはMHC class IIと相補的に結合する。Th(ヘルパーT)はその機能によってTh1とTh2に分けられる。Th1はインターフェロンγやIL-2などを産生して、主にT細胞系の活性加に働く。Th2はIl4やIL-6などを産生して主にB細胞系の活性化に働く。要するにTh1は細胞性免疫にTh2は抗体産生を促進するのである。Th1が関与するものは抗原提示機構であり、Th2が関与するものにはアレルギー反応がある。抗原提示は以前にも概略は書いたと思うが、侵入してきた抗原をマクロファージやB細胞などのMHC class II分子を有する細胞が細胞内に取り込んで小さなペプチドまで消化し、これをCLASS IIの上に提示する。Class II分子は通常アミノ酸で10から30個くらいのものを提示する。これをTh細胞が認識するのである。認識する際にTCRで相手方を認識するわけだが、これだけでは不十分でT細胞側にもう一つCD28という分子が必要になる。この相手になるものがCD80であり、これも抗原提示細胞上には存在していることになる。こうして抗原提示が行われ、様々な細胞性免疫機構が働くことになる。この際に、自分自身の抗原(自己抗原)に対するT細胞は何らかの形で不活化される“負の選択”=“トレランス”ということがおこり、これによってあってはいけないT細胞は除去されていくことになる。君は生きていってくれ、君は死んでいってくれ、と選択淘汰されていくのである。ではTh2は??
これはアレルギー、一般に言う一型アレルギーに関与している。肥満細胞上にある抗体が抗原と反応する際に肥満細胞からヒスタミンとかロイコトリエンなどが放出されておこるものであるが、この肥満細胞の増殖にIL4やIL10というTh2系のサイトカインが関与しているのである。例えば、気管支喘息の場合、気管支にCD4陽性細胞がいっぱい見られるが、これがTh2型であり、IL-4、5などを産生してIgE抗体の産生、好酸球などの活性化に関与すると考えられている。この激しいものがアナフィラキシーショックであり、抗原抗体反応によって血管の虚脱が起こって血圧が下がるのである。実習でやったペニシリンショックなどがこれに当たる。一回目の抗原侵入によって出来た抗体は逆に激しいショック症状を招くのである。血液中に大量のケミカルメディエーターが放出されて全身の毛細血管を拡張して血圧を下げると考えられている。
では実習でやったIV型アレルギーとは何か??これは抗体の関与ではなくT細胞と抗原とが反応して起こるものである。主な発症機序としては、抗原と反応したT細胞がリンフォカインを産生したりすることでおこるのだ。これは発症に数日かかることから、遅延型反応と言われる。抗原がある部分にマクロファージやリンパ球が集まって来て、そこに存在する活性化物質によってこれらが更に活性化される。するとプロスタグランディン、インターロイキン1などを産生して血管透過性の亢進が起こってくる。集まったT細胞は抗原と反応してさらに炎症を進ませる。細胞が浸潤して血漿が漏出することで、部分的な腫れにつながっていく。
同じアレルギーでもいろいろあるのであった。
もう夜中の3時過ぎなので、自己免疫疾患については明日、いや、今日ね。
また夜にでもアップしましょう。
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