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IgM抗体、特に血液型について
IgMは五量体の形をしている。このIgM抗体はIgG抗体に先駆けて産生され、IgG抗体が出来るようになると産生量が低下する。したがって一時的に増えるIgM抗体がたくさん産生されているということは、今、その時に感染したばかり、ということがわかるのである。また、個体発生時に最初に産生されるということから、胎生期でも刺激を受けると産生されることが知られている。子宮内感染があるとIgMが非常に高くなるのである。
区切り
このIgM抗体は五量体をしているため、補体を活性化しやすい。補体を活性化するにはFc部分が二つ必要なのであるが、IgGは二分子必要なのに対して、IgMは一つで活性化するのだ。ではIgM抗体に属するものには何があるのだろうか??まず有名なものとしては人の血液型抗体である。血清中にはA型の人は抗B抗体が、B型の人は抗A抗体がある。また、AB型の人にはこれらの抗体はなく、O型の人には両方の抗体がある。これらはIgMに属する。IgMであるがゆえにB型の母親がA型の子供を妊娠しても分子量が大きくて胎盤を抗体が通らないので抗原抗体反応が起こらないということになる。IgGだったら胎盤を通ってしまうため、型が違う子供を妊娠するととんでもないことになる。人というのはうまく出来ているものなのである。血液型にはABO以外にもRh式のものがある。ほかにもMNSsやLewisなどもある。一般にABOのようにほとんど常に自分の型以外の物に抗体が存在しているものを規則性抗体という。また、RhやLewisのように抗体が存在しないもの、もしくは一定しないものを不規則性抗体という。またABOのように抗原量が多いものは完全抗体というが、少ないRhなどは不完全抗体という。Rhは通常自然抗体は存在しない。輸血とか出産などによって抗体ができるのだ。Rh不適合の妊娠の場合、母親に抗D抗体を打っておくという方法をとる。第一子出産直後に打っておくのである。理由は、母体がD抗原を異物と認識する前に抗体を打ってしまって除去しようということである。ついでに・・・胎生期は免疫学的に未熟であるが、母体からのIgG抗体によって新生児期の免疫能を補っている。母親強し!!
この強いはずの母親が自己免疫疾患だったらどうなるか??さまざまな症状が出るであろう。自己抗体が胎児に移入していくのである。一過性ではあるが、SLEなどの症状を起こすと考えられる。
また、大人になって免疫疾患によって、あるはずの抗AまたはB抗体が減ってしまうこともある。さまざまな現象が考えられるのである。もうひとつ、新生児を守るものとして、母乳中のIgA抗体もある。分泌型の抗体であるため、母乳中にはかなり含まれる。初乳を飲ませろとはこういうことから来ているのだった。
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