これに対して、ほとんどは面白くない、もしくはやってるのに成果が上がらない、という場合だ。面白くない、という生徒さんにありがちな勉強法は、どんな教科も意味を考えずにただ単に覚えていく、ということだ。例えば、歴史を例にとると、歴史はいろいろな事柄が起きているのにその背景がある。背景を考えれば無理やり覚えなくても覚えられることが、何も考えずに覚え込もうとするのでなかなか覚えられない、結果、出来ない、ということになるのだ。これは生物や化学、小学校の理科も同じだ。物理とか数学はやはり公式をただ覚え込もうとしても難しく、これもどうしてそうなるのか、ということを理解して覚えると分かりやすいということになる。英語の単語などはある程度そのまま覚えるしかないが、それにしても何かの規則性がある。その規則性を、例えば、こう発音するものはこういうつづりになる、とかを理解すると俄然覚えやすくなるのだ。
こういうことを考えると、勉強に興味を持たせることが勉強を教える第一歩となると思っている。どういうふうに興味を持たせるか、というと、数学の公式だったらただ覚えるのではなくこの公式にはどういう意味があるか、これがわかっているとどういうことが出来るようになるかを説明するようにするのだ。また、出来るだけ絵に訴える、というか、図を書いて画像として目から入るようにしてあげるのも一つの方法である。特に中学受験の算数はできるだけ画像に訴えるようにしている。小学生ではなかなか意味を理解といっても難しいが、図を書いてあげると“あ!!!!わかった!!!!!”ということが多いのだ。また、高校の三角関数などはグラフを書いてそれを動かしながら教えると効果があることが多い。Cosのグラフはsinのグラフを90度ずらしたものなんだよ、とグラフをずらしながら教えるとすぐに皆納得する。また、関数では特に最大最小などが分かりにくいという場合が多いが、これもグラフを書いて目で訴えるとわかった、ということが多いのだ。理科の生物系もそうであるし、物理も同じことが言えるので、私はほとんどの場合図やグラフを駆使して教えるようにしている。
生徒さんは小学生から高校、または浪人生までいるわけだが、どの生徒さんもいままで理屈を考えずに勉強していたのに、これにはこういう意味があったか、とわかったときに口をそろえて“面白い”という。一度面白いと思ってくれたらしめたものである。
勉強ができるようになる=面白いと思うようになる、ではないだろうか。 |