えみちゃんを語るについては、ご両親の素晴らしさを語らずにはいられないのですが、そのころ、ご両親はまだ高校に行って欲しいようでした。何度も何度もえみちゃんを説得していたように思います。それはそうでしょう、えみちゃんは住んでいる地区では一番上の都立高校に合格していたのです。でもえみちゃんの気持ちは大検に偏っていました。そう、高校に行くには杖をついていかないといけない、階段もあるし電車も大変、それだったら自分で勉強して大検に受かる!!これがえみちゃんの結論だったのです。ご両親もえみちゃんのひた向きさに根負けしたか、結局大検受験をすることに納得しました。
それからが闘いのはじまりであり、驚きの連続の始まりでした。ご両親はほんとに素晴らしく、えみちゃんにとって何がいちばん良いか、えみちゃんがどうすることがいちばん良いかをしっかりと考えていました。病気に対しても“恵美子は大丈夫。はっきりと病気を伝えて下さい”と担当医に伝え、自分の娘に癌と真正面から闘えるよう闘いの場を与え、そしてこれを後ろからしっかりと支えていったそんなご両親でした |