2．出会い その頃のえみちゃんは癌と闘うために化学療法の真最中でした。そう、抗ガン剤の治療中だったのです。さぁて、治療が始まるぞ〜〜というときには“よし！！頑張る！！”と必ず言ってました。 そうは言っても治療が始まると激しい吐き気との闘いでした。治療中も私はよく病室を見舞いました。吐きながら、でも、頑張って治療するんだ！！と前向きに治療に向かっている様子、それは私の心を打つものでした。 果たして私にそんな真似が出来るのだろうか？？私だったら頑張れるのだろうか？？こんなにも吐きながら、でも私を見るとにっこりと笑える彼女のその精神力、人間性に感動し、そして私に出来ることが無いのか？？と思い続ける日々を過ごしました。 ある日、それは治療の合間だったと思いますが、えみちゃんから相談がある、と言ってきました。何だろう？？と思いつつも話を聞いてみると、“病気で高校に行けない”ということ、“でも大学に行きたい”“音大でピアノをやりたい”ということでした。 どうしたら良いの？？と真剣に考えていました。彼女はここまで前を向けるのか・・・私が病気だったら大学に行くなんて考えもしないだろう・・･と感心するとともに、私に出来ること！！それを見つけた気がしました。それは勉強を教えてあげることです。大学時代から何人もの小学生、中学生、高校生を教えてきた私は、勉強を教えることが大好きです。そんな私を頼って相談してきてくれたのではないだろうか？？そう思いました。その場の返事は“勉強を教えてあげようか？？”でした。 そう、高校に行けなくても“大検”という方法があるのです。大検に受かればいい、そうすれば大学受験が出来るのです。彼女に大検受験を勧めてみました。その時のえみちゃんの顔は今でも忘れません。あの“ぱぁ〜〜！！”と明るくなった顔、ほんとに素敵でした えみちゃんの思い出INDEXに戻る ←BACK NEXT→