聴いた、観た、買った ---淡々と音喰らう日々。
2002.06
★は借りた新着、☆は新規購入。
今回論評したディスクなど:
小田和正: 自己ベスト / Sing Like Talking: Second Reunion / フィッシュマンズと矢野顕子
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◆ 小田和正『自己ベスト』(ファンハウス、2002)★
ベタなタイトルから、ちょっとヤな予感はしてたんだけど...予想通りセルフリメイクものに難あり。原盤の権利とかもあってとは思うけど、ただとにかく違うことをしなくちゃって以上のアイディアがほとんどなくて、これではまるで「何か新しいことやろうぜ」っつって動くとロクなことにならないダメ管理職。辛うじて、"Yes-No"のフュージョンなアレンジに佐藤竹善の艶っぽいコーラスを絡ませた点だけは買えるか。新曲(「キラキラ」)は突き抜けてて、これはこれでいいんだけどね。それはそれとして御歳いくつだ? この声がいまだに出るってのには敬服。歌手としてキャリアを全うしてほしい。
◆ Sing Like Talking: "Second Reunion" (ファンハウス、1998)☆
本人たちはそうコメントしてないけど、新曲のT-2はSteely Danを思わせる。メロディなんかは全然違う傾向なんだけど、コードのあしらい方やアレンジ、特にホーンやギターのカッティングが。一方シングルカットのT-1はEW&F風味全開のダンス・クラシックス路線、竹善の七色の声もあってカッコいいことこの上なし。これ以降の彼らの作品を聴いていないが、こっちの方向に行ってるんだろうか。特に、この盤に収録された過去の作品を見たって、どう見てもファンクが水に合ってると思えるので、あまりAORな寄り道はしててほしくないなあ、と。
◆ フィッシュマンズ『宇宙 日本 世田谷』(Polydor, 1997)/矢野顕子: "Go Girl" (Epic, 1999)
歌詞の世界。『宇宙...』に収録の'Pokka Pokka'には佐藤伸治の言いたかったことが凝縮されてる気がする。「だれかにだけやさしけりゃいい/明日に頼らず暮らせればいい」。多くの人、というか、ほとんどの人にとっての真実。求めても全ては得られないこと、望んでも全て与えることはかなわないこと、それをわかりあいつつ、ただそこにいること。"Go Girl"に入ってる「永遠のともだち」は曲はBill Frisellだが詞は矢野。こんな気持ちを、たいせつな友達には持っていたい。というか、持ってることもあるんだけど、常に持ち続けているかというと、所詮弱い一個の人間でしかない自分には...といったところ。これはむしろ、こうありたいと希い続けていたい姿。
夢見てやまない気持ちと叶わない現実を受け入れる心は、やさしさのもとに両立する。
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