その1 1997.6 食べて飲んで潜っての旅

【青く澄んだ海の中で魚たちと遊ぶ日々】


5日目のダイビングにて海中で出会ったさかなたち。
西表の中野というところの沖合いにあるダイビングポイントで撮影しました。 海底は小さな岩がたくさんあり、その周辺に大きな岩とサンゴ(通称「根=ね」と呼ばれている)がある場所です。

黄色い魚は「ヤマブキベラ」、その隣にいるカラフルな魚は「ツユベラ」といい、ダイバーがやってくると初めは警戒しているものの、しばらく動かずにじっとしていると安心したかのように人間の間近まで寄ってきます。 手が届きそうなほど近寄ってくるものもあり、ぼんやり眺めているいるだけでもとても楽しむことができます。

観察をやめて別の場所に移動しようと泳いでいると、ふと気づくとツユベラが後ろを付いてきているなどということもしばしば。 そんなとき「あれま!」などと思いツユベラと目が合うと、彼らは「ありゃ見つかっちゃった」てなかんじでやや困ったような仕草をしてくれたりします。図鑑や水族館では味わえない、こんなのんびりした時間がとても好きです。

西表の海の中ではこんな楽しみ方もできたりしちゃうのです。

【冷たい海面の下は明るくて青い別世界】


6日目のダイビングは総勢5名と今回の西表滞在中で最も大人数でダイビング。 この場所は「中野沖の根」という「ツユベラ」と仲良しになったポイントです。 今回はいつもと違う北回りで海中散歩。ちょっとコースが違うだけでも、まったく別のところに来たかのように錯覚してしまう。それくらい海の中は景色がいろいろ。
タカサゴ・クマノミ・ハタタテダイ・その他にもいろいろな魚たちを見たり、大きな根に群がる小さな魚を観察。水深は15mほどで1時間20分も潜っていたにもかかわらず、あっという間のお散歩の時間でした。


ここもたくさんの魚たちがいるポイント。

根に近寄って小魚たちを観察していると、いつの間にか周りをぐるっと囲まれていたりすることも。 水中マスクのすぐ前に、体長数cmの小さな幼魚がたくさん群れるさまは圧巻です。よーく見ていると、1匹1匹の顔が違って見えるのがとっても不思議。ここでもやはり魚それぞれに個性があって、遠巻きに眺めているのもあれば、マスクに触れんばかりに近寄ってきて興味深げに「なんだろう これは」て顔をしているもいたり。小さな目でこちらを観察しているのが良くわかったりして、とてもほのぼの気分に浸ってしまうひとときです。

「海の中に1時間以上もいて寒くないの?」と聞かれることがあるけれど、ウェットスーツのおかげで寒さ知らずで潜っています。ときどき潮の流れの影響で、ひえひえな時もあるけれど、だいたい大丈夫。エアーが持てばもっともっと潜っていたい気分です。 今回の西表では10泊中の半分をダイビング。以前から見たかった「マンジュウイシモチ」という変わった色をしている魚も見ることができ、めずらしい「フリソデエビ」というゴージャスな装いのエビにも会えました。しかし、なんといってもクリーニング魚として有名な「ホンソメワケベラ」をじっくりと飽きるほど観察できたのがとっても良かった思い出です。

ホンソメワケベラが「クリーニングするよするよ」と独特な妙な踊りを踊ると、どこからともなく「じゃ いっちょ頼むわ」てな具合で魚が近寄ってきます。  「うーいい気分じゃ」とクリーニングする側とされる側が絶妙なバランスを保っていると、そのうちされる側の魚が海中で横になったり縦になったり、本当に気持ちよさそう。 でもときどき、ホンソメワケベラがちょっとミスったらしく「おお! 痛えぞ」と怒られて、追いかけ回されたり・・・。そんなことが海中では日々おきているようです。 海を上から見ていると魚の姿は見えるけど、どんなことが繰り広げられているかは潜ってみてはじめてわかりました。


計5日間のダイビングで7カ所に潜りました。 中野沖の根は合計4回も潜っただけに愛着のある場所です。磯六ポイントも昨年の西表ダイビングで偶然発見された楽しい場所で、発見者の特権ということで僕のあだ名の「いそろく」からポイント名を付けてもらいました。キンメモドキやスカシテンジクダイという魚が目が回るほどたくさんいる場所なので、西表に行った時にリクエストすると連れて行ってもらえるはずです。 ただ、プレコ以外のダイビングショップで言ったら「いそろく?なにそれ」って言われてしまうでしょうが・・・・・。

【カヌーでマングローブの森探検】


今回の旅も終わりに近づいた頃に、「ロビンソン小屋」にてカヌーをレンタルし、ピナイサーラの滝を見に行きました。

カヌーに興味はあったものの、のんびりしてるうちに今回の旅も残すところあと1日となっていました。「わいるどふぁー夢」で朝ごはんを食べた後に、この宿で仲良くなった人たち4人で「今日はカヌーに乗って滝を見にいこー!」ということになり、いざ出発。

カヌーに乗るのは初めてであり、なんと漕ぎ方すら知らない。 しかし、まったく心配無用。「ロビンソン小屋」のスタッフにカヌーの置いてあるピナイ川まで車で連れていってもらい、そこで簡単なレクチャー。ライフジャケットに身を包み、いざゆかんピナイサーラの滝へという気分で冒険はスタート。よーし漕ぐぞおと思いきや、ちょうど干潮の時間で潮は引きまくりでした。で、仕方がないので、カヌーを引きずって干潟をバシャバシャと歩く4人なのでした。

「これじゃあ、カヌー引きだあ」などと言いながら足首程の水辺を歩きつづけ、満潮の時間なら良かったかななどと思っていると・・・。 干潟にワラワラと動くものが目にとまりました。それは、ミナミコメツキガニでした。本やテレビなどで見たことのある、あのカニだったのです。カニカニカニカニ・・・・というくらい、どこもかしこも小さなカニで干潟はいっぱい。さっきまでの、満潮だったらなあなどという思いはスパーンとどこかに飛んでいき、「良かった~干潮の時間で~」などと、まったく勝手な感想を持ったのでありました。 水深は深いところでも膝までないくらいで、カヌーに乗ったり降りたりと20分ほどそれを繰り返しつつ、ようやくピナイ川の入り口へたどり着きました。ここからは水深も十分あるようで、ようやく「カヌーに乗ってピナイサーラの滝への冒険」が始まったのでした。

気持ちよくカヌーはピナイ川を進んでいきます。
右も左も、もちろん前もマングローブの森。 さっきはカニカニカニ・・でミナミコメツキガニでいっぱいでしたが、こんどはもちろん森森森森森・・みどりみどりみどり・・・で緑の森だらけです。 オールで水を漕ぐ音と、鳥たちの鳴き声以外なにも聞こえてこない静かな時間。エンジン音に邪魔されない、カヌーだから体験できるひとときです。 こうして、ゆ~っくりとカヌーは上流めざして進んでいったのでした。


前方にピナイサーラの滝が見えました。 ピナイサーラとは「ヒゲのような」滝という意味のとおり、緑の森のなかにある白いヒゲのようでした。この滝は、白いヒゲを生やした水の神様が座していて、滝上にはその神様が奉ってあります。 この滝が見えてくると、間もなくカヌーは終点です。ここからは徒歩で滝上へ行くか、滝壷へ行くかの2通りのコースに分かれます。

カヌーを係留し、一路滝上コースへと進んでいきました。 遊歩道と呼べるかどうかは人により違うと思うけれど、浦内川のカンピレーの滝までの道よりは少々ハードな道でした。私の場合は、遊歩道ではなく山登りといった感想を持ちました。ところどころ木々に目印のテープが巻かれているので、これを見落とさないように気を付けていれば安心。亜熱帯ジャングルの登り道なので、もう汗ダクダクです。おまけに万が一、滝に落ちても安心なようになどと思いカヌーで付けていたライフジャケットを着たままでいました。これでは暑さ倍増、まるでサウナの中にいるようです。 ダイエットするつもりならば、ライフジャケット着用はぜひおすすめです。そうじゃない人は、ぜひカヌーに置いてくるべきかと・・・。と言っても、そんなもの着たまま山を登る人はいませんね・・・・。

汗ダクのまま歩いているとザーザーと水の音が聞こえてきました。「やったあ! 滝に着いた」と喜び足早になると、なんと小川。がっくりしょんぼりメソメソぐっすん。そこからしばらく歩くと、ようやく滝に着きました。冷たい川の水を頭からザップリとかぶると、ひゃー冷たくって気持ちいい~。生き返りました。山本復活元気モードに突入な気分。 持参したお弁当を食べ、食後はのんびりお昼寝するもよし、水辺のエビなどを観察するもよし、何でもよしよしでくつろぎのひとときです。

15:00にカヌーで出発したところに「ロビンソン小屋」の迎えの車が来るので、13:00ちょうどに滝上を出発。チリひとつ残さない気持ちでゴミを持ち帰り、着た道を戻ります。


滝上から見た景色はとても綺麗で、眼下には緑のジャングルが広がり、海は何色にも分かれ、遠くには鳩間島、やや左手前にはバラス島、1番手前には鳩離島が見えます。

20分ほどでカヌーのあるところまで戻り、そのまま滝壷まで行ってみました。 滝壷の近くではリュウキュウアカショウビンの「キョロロロ・・・」という鳴き声も聞くことができ、とてもラッキーでした。あいにく姿を見ることはできませんでしたが、ちょっと変わったかわいらしい鳴き声が聞けたのは良かった。

帰りはすっかり潮が満ちていて、カヌーを係留していた場所も、すっかり水深が深くなっていました。で、またまたのんびりとカヌーを漕ぎつつ、最初の出発点に戻ったのでした。ちょうど迎えの車が走って来たところで、時計を見るとジャスト15:00です。 11:00にスタートしましたが、あっという間の4時間でした。

まるまる1日過ごしてもいいくらい楽しめそうなところ。また、夕方の船で石垣島に渡るというスケジュールの時でも、十分楽しめるのではないでしょうか。シーカヤックもかなり楽しいと聞いたので、次回はシーカヤックに挑戦しようかと思っています。もちろんピナイサーラもまた行きたい場所のひとつになりました。

【シュノーケルしちゃうもんねツアー】


ガイドブックにはかならず載っている、西表にある3大ビーチをめぐってきました。 名付けて「西表3大ビーチでシュノーケルしちゃうもんねツアー」。 とは言っても、宿のある上原から距離的に近いのは「星砂の浜」と「月が浜」の2つ。地理的に上原の反対側にある「南風見田の浜」までは30kmほど離れている。しかし、ここを除くと「西表3大ビーチでシュノーケルしたことにはならないもんねツアー」になってしまうので、よ~しとばかりにレンタカーを借りて3大ビーチツアーがスタートしたのでした。

宿で仲良しになった人たち(遠藤さんと佐藤さん)と一緒に、まずは「やまねこレンタカー上原営業所」までテクテク歩いてゴー。ここは宿から歩いて2~3分のところ。日産のパルサーを借り、BGMにはレゲエをバックに、いざツアーは始まったのでした。

車の中にいても暑いくらいの陽射しを浴びながら、レゲエのリズムにのりつつ、3人を乗せた車は東へと向かいます。最初の目的地は「南風見田の浜」(”はいみだ”って読みます)。 のんびりと車はひた走り、船浦港を過ぎたあたりからは、道の周りは木々の緑ばかりで、もちろん人家などは1つもなし。東へと続くアスファルトの道と、右も左も木・木・木・き・き・・・。

と、そのとき道路の右から左へとピューと赤い鳥が! 「リュウキュウアカショウビン」でした。 車を脇に止めると、すぐ横の枝に真っ赤なアカショウビンが見える。とっさに「カメラカメラあぁぁぁ」というよりも、はじめて見た感動で見入ってしまった。とっても綺麗な赤色で、羽の1部や背中の赤紫色まではっきり見えて、幸先のいいツアーのスタート。 やや走ると「レストラン たかな」が左手に突然あらわれ、そこからはまた人気のない道がつづきます。ここからは視界も開け、左手には西表の山々が「おれは~ジャングルなのだあ~」と言わんばかりにジャングルしてます。

ときどき放牧場があらわれては、今度は牛・牛・うし・うし・・・の大軍。 で、集落を過ぎ、大原港も過ぎると、目の前にババーンと青い海が「こんにちわ-!」とあらわれて、アスファルトの道が途切れると「南風見田の浜」に到着。

誰もいない南風見田の浜(1997.6.24撮影)
白い砂浜が延々と続く綺麗なビーチなのに、人がいない。 キャンプをしている人と蝶々を捕っている人がいただけ。海に入っている人は1人もなし。こんなビーチが関東にあったら、足の踏み場もないほど人だらけだろうに・・。

「いやっほー プライベートビーチだあ~」とばかりに大喜びです。 しかし、海に入ってびっくり仰天。魚が少ない・・・。 「おーい みんなぁ どこに行ったのおおお」といったかんじ。

しかし、よくよく考えれば、台風8号接近中の日であり、しかも風をモロに受けるビーチ&ちょうどこの時は満潮の時間でした。「ぐっすん タイミングが悪かったのね」みたいな思いで、2カ所ほどジャボンと海に入ったのみで、そうそうに次なる目的地「星砂の浜」へと向かう3人でありました。「星砂」ってことは方角的には、向かうじゃなくて戻るなんだけど、いいのいいの向かうったら向かうのという気分。ということで、一路「星砂の浜」へと戻るじゃなくて向かったのでした。

干潮時の星砂の浜は歩いて島まで行けるのだ(1997.6.24「星砂の浜」にて撮影)
「星砂の浜」に到着。
ここもやはり人影もまばらで、気分はプライベートビーチ。

満潮の時間だったので水深は2~3mくらいあったが、魚はたくさんたくさん。英名「ピカソトリガーフッシュ」という派手な色彩の「ムラサメモンガラ」という魚や、佐藤さんは「ダツ」が泳いでいるのを見たそう。沖合いの海水が流れ込んでいたので少々寒く感じたりしたが、浅場のタイドプールと化した潮だまりは、太陽の力で温水になっていて、首までつかると「いやあ ごくらくごくらく」温泉気分。

暑くなったら海に入って、寒くなったら浜でポカポカのんびりうたた寝を繰り返していると、あっという間に夕方。そろそろ最終目的地の「月が浜」へ向けて移動の時間でした。

月が浜で3人で記念撮影(1997.6.24夕方)
最終目的地の「月が浜」に到着。 さすがに1日めいっぱい遊んだせいもあって、ここではシュノーケルもせずに、ビーチでぼんやり。まだ夕日の時間には少し早かったせいもあり太陽はまだ高かった。ここから眺める夕日はとっても綺麗ということなので、いつか見てみたいなと思いつつ早3年目。

遠くでシュノーケルしている人たちが見え、ここも潜ればたくさん魚がいるのだろーなぁなどとしみじみ。それは、また次回のお楽しみということで浜を後にしたのでした。

これを見て「よーし 俺も私も3大ビーチ制覇しちゃうもんね」という人のために、今回の「西表3大ビーチでシュノーケルしちゃうもんねツアー」の費用やスケジュールを紹介。

【所用時間】 8時間 (9:00出発 17:00宿着)
【費用】 1万円 (レンタカー 7,500 円&保険&ガソリン)
【走行距離】 100km以上

費用は3人分なので、わり算すると1人あたり\3,000ちょっとでした。

【防波堤の上で読書&ビールでご機嫌】


今回の西表旅行ですっかり気に入ってしまった場所ができました。

台風8号の影響で雨降りの日以外、毎日通ったところです。
ダイビングスクール プレコから歩いて1分ほどのところにある港。ダイビングするときもこの港から出発します。

ダイビングから帰ってきて夕食までの2~3時間や、島内観光をしたりして遊んだ夕方などにフラフラ~と立ち寄っていたところ。港の入り口にある「波止場食堂」の自動販売機でオリオンビールを1本買って、そのままテクテク防波堤の上に腰掛ける。連日そんな夕方のひとときでした。

画面左端がお気に入りの防波堤です(1997.6.28撮影)
この防波堤の上にちょこんと座り、プシュとビールをあけて、グビグビ~と飲む。うひゃあ うまいぞお~って瞬間。そのうちゴロリと横になり、持ってきた文庫本をフムフムと読む。で、ヒョイと顔をあげると目の前に西表のきれいな海が「こんにちは~ ぼく青い海でーす」と。こっちもこっちもと呼ばれて上を見上げると「やあ どーも青い空です」と言わんばかりの青い空に白い雲。いやあ~いいなぁと思うひととき。

だからといって人がいないってわけでもなく、あちこちに人はたくさん。釣りをしている人もいれば、船の手入れをしている人も。もちろん、ぼくと同じくぼんやり座っている人や、眠っている人、お散歩している人などさまざま。

島のおじさんと世間話しをしたり、わいるどふぁー夢に泊まっている人たちとバッタリ会って話したりと、都会でいうところの公園みたいなものなのでしょう。 しかし、なんと言っても目の前にドーンと広がる青い海があるっていうところが最大のしあわせ。ベローンと横になってうたた寝なんかしていても、寝返りを打って薄目をあけると、海・海・うみ・うみ~ みたいな。ここに大勢人が集まってくるわけが、わかるような気がしちゃう。

防波堤の上から見た景色 その2(1997.6.29撮影)
宿の食事は7時からなので、4時くらいにこの防波堤に着くと、たっぷり3時間ものんびりできちゃう。3時間なんていうと長いようだけれど、ビールを飲みつつ読書して、お昼寝して読書して、誰かとお話しして、また読書して・・なんてことを繰り返していると、あっという間に6時すぎ。そろそろ陽も傾いてくる時間なので、宿に戻るとお待ちかねの夕食といった具合の毎日でした。

目の前に広がる青い海(1997.6.29撮影)
上の写真が読書の間に、ふと顔を上げると目の前に広がる景色です。

昼間もなかなかいいところだけど、夕食後の9時ちかくに行って、防波堤に寝ころんで見た星空はとてもきれいでした。明かりが何もないところなので、見えるのは満天の星のみ。月明かりの下で飲むビールは格別。昼間はあれほど暑かったのに、夜は涼しい風が吹き、とっても気持ちがいい。思えば、こんなに綺麗な星空を見たのはひさしぶりでした。

【レンタカーに乗って島内観光】


7日目にレンタカーを借りて島内観光に出かけました。

当初は、レンタカーを1人で借りると割高になるかなと思い「よし 今日はレンタルバイクで観光だ!」と計画していましたが、どうやらまだシーズン前なのでバイクは置いてありませんでした。西表野生生物保護センターに行ってみたかったので、自転車だといつ着くかわからない不安がありレンタカーに決定!

9時30分から3時まで5時間レンタルで5,500円也。30分はおまけしてもらっちゃいました。テケテケとレゲエのリズムにのり、一路大原港方面へ。目的地の「西表野生生物保護センター」に到着し、さっそく館内へ。館内はシーンと静まりかえり、来館者はぼく1人のみでした。西表の生き物を紹介したビデオを見たり、館内のパネルを1つ1つゆっくり見たりと。センターで鉛筆を借りて、リュウキュアカショウビンや他の生き物のことについてメモを取り、「そーか そーなのか フムフム」などと1人納得していると、すでに1時間以上経っていました。センターの入り口にかけてある「西表生物MAP」のようなものを見ていると、センターの人に「何か生き物見ましたか?」と聞かれ、「アカショウビンを見ました」と言うと、「じゃあ、これに書いていってください」と。 小さなシートに名前と、見た生き物、日時を書くと、ペタッとパネルに貼ってくれました。 パネルを見て「そーかそーか やまもも君はアカショウビンを見たのだね ふむふむ」といった感想を1人で勝手にもったのでした。アカショウビンはどこに行けばよく見れますか?と訪ねたところ、「あちこちにいますよ」と答えがかえってきました。あちこちに行ってみることにしました。


帰りがけに近くにあるサキシマスオオノキを見学。

遊歩道の下にカニがたくさんいて食事中でした。この後、しばらく近くをウロウロし、途中「レストラン たかな」でお昼ごはんを食べ、船浦港に近い伊武田崎へと向かいました。ここは遊歩道や展望台が作られていて眺めは抜群。マングローブの林にも遊歩道で歩いて見に行くことができます。大型バスを止める駐車場もあり、良くも悪くも観光地だぞッといった印象を強く受けました。ここに車を止めてぼんやり歩いていると、山の中から「キョロロロ・・・」と鳴き声が。

「あ・あ・アカショウビンの鳴き声だー!」。

さっき行った「野生生物保護センター」でアカショウビンの声のテープを聞いてきたばかりだったので、一発でわかったのでした。喜び勇んで、でもゆっくりと声のした木に近寄り、三脚をセットして探すこと数十分。

「見えないなぁ~」としょんぼり気分で一服していると、背後から「何か居るかぁ」と人の声。そういえば、駐車場にフロントガラスにバリバリ~とヒビが入ったワンボックスが止めてあり、てっきり放置されてる車だと思っていたら、声の主はその車の持ち主でした。 「アカショウビンの声がしたんですよ」といいながら近寄っていくと、その人は真っ黒に日焼けした体格のいい地元のおじさんでした。 タバコを吸いながらしばらく話しをしたが、地元の言葉なのか半分ほどしか理解できませんでした。でも、そうこうするうちに「いいところ知ってるから 付いてきな」と言われ、バリバリヒビ入りのおじさんの車に付いていきました。

山道をどんどん登り、途中で車は止まりました。
狭い道の真ん中で、あんまりいいところってかんじじゃないなぁなんて思っていると、おじさんは「いいもの見せてあげるよ」と言い、森のなかへドンドン入って行ったのです。ハブいそうハブいそうと思いつつも、おじさんに付いていくと、本でしか見たことのない秘密の生き物を見せてくれました。「ここに、これがあるのは内緒なんだぞ」と。

なので、何を見たのかは内緒なのです。

そこからさらに車で登ると「ここの奥になら、鳥たくさん見れるさ」と言い、おじさんは去っていったのでした。車を止め、歩きで分け入って行くと、確かに鳥の声があたりから聞こえてきます。が、姿は見えない。

気が付くとレンタカーを返す時間が間近に迫っていました。大急ぎで車に戻り、上原に帰ると3時ちょうど。この後もちろん、いつもの防波堤に直行でした。
で、やっぱりオリオンビール。


レンタカーなどの費用は・・

【移動の足】
やまねこレンタカー日産パルサー 5時間 5,500 円
保険代 1,000 円
ガソリン 1,209 円

【お昼ごはん】
レストラン たかな
八重山セット  800 円

【港でビール】
オリオンビール350ミリリットル  220 円

【合計】 8,000 円ちょっとでした。

【いつもの西表とはちょっと違った瞬間】


「星砂の浜」を訪れたときに突然スコールがバシャバシャ~と降り、そのときにブワア-とあらわれた虹。写真では4色までわかるけど、肉眼で見たときは7色までわかるのじゃないかッというくらいクッキリでた虹だった。しかも、今まで見た虹というのは、やや遠いところに「虹だよ~ でも、近くにきちゃだめね」みたいな近寄りがたい雰囲気があったが、この虹はかなり近くに出ていたように感じた。

「そりゃぁ君、気のせいだよ」
と言われてしまえばそれまでだが、なんだかやけに近くに出ているようで、走って行けば虹の下に行けるんじゃないかなって気分にさせてくれる虹でした。


「星砂の浜」で出会った二重の虹。
夕方の5時を過ぎたくらいで、スコールの最中に1本、そして外側にもう1本とかかった。5分ほどで消えてしまいましたが、2重にかかる虹は初めて見たのでとても印象的だった。 西表では虹はよく出るそう。スコールが来ると、たいてい「うひゃあ~」と雨を避けて建物の中に逃げ込んでしまうが、その時によーく周りを見渡すと綺麗な虹に会えるようです。

大潮の由布島牛車(1997.6.24撮影)
大潮の満潮の時間に由布島に到着すると、なんと半分水没した牛車がこちらに向かって歩いてきました。

雑誌などでよく見る牛車の様子は、干潮の時間帯のものがほとんどで、満潮の時間の様子は初めて見た。写真の中央に写っている黒い物体が牛車。
牛の顔が水面からようやく出ているといったかんじで、足は完全に海の中。いつもの引き潮の浅場を渡る牛車のイメージとはだいぶ違っていた。
素人目にも「こんなんで牛は大丈夫なのだろうか」と心配になってしまうほど。
しかし、渡りきって陸に上がってきた牛は
「おれ、馴れてるから、へいちゃらなんだもんね~」
といった顔に見えます。
しかし、本当にへいちゃらなのだろうかと心配になってしまうのであった・・・。

おわり