碧電12周年企画各地を走った ジョイフル気動車

■第44回 リゾートあすなろ  13.10.13UP

そばの花が咲く津軽線左堰−奥内をゆく「リゾートあすなろ竜飛」

●東日本のジョイフルDCはハイブリッド型の新車に

1990年代後半以降、キハ40系を種車として改造されていたJR東日本のジョイフル気動車は、2010年から新製車に切り替えられました。従来の液体(変速機)式ではなく、ハイブリッド式が採用されたことが大きな特徴になっています。
 同方式は事実上の営業向け試験車とも言えるキハE200(小海線)から採用されたものです。エンジンまたは電動機の動力を相互に切り替えたり、アシストする方式ではなく、車輪を回すのは電動機のみであるため、自動車で普及した「ハイブリッド」を無理やり使うよりも、蓄電機能付電気式気動車と言ったほうがしっくり来るように思います。
 キハE200の登場に際して、システムが複雑で、蓄電池が重いため、非力な車両になり、普及しないのではないかという予測もありました。しかし、後継車が登場したのはなによりでした。それは、今までは停まるときには捨てるしかなかったエネルギーを、電気ならば溜めて再利用することができます。高価なため、背に腹は変えられないと、従来型気動車を作り続けるよりもはるかに積極的な「エコトレイン」と言えるからです。
 さて、技術論が先行してしまいましたが、HB-E300系はリゾート列車として、長野、青森、秋田の3地区に配属されています。それぞれ団臨用ではなく、多客臨(準定期を含む)用であることは、昨今の需要動向に則したものと言えるでしょう。
 形状は基本的に同じで、塗装しか違わないため、やや個性に乏しいのは残念なところですが、新技術を用いた新製車で登場したことは、「乗って楽しむ列車」の将来はまだまだ明るいと、希望が持てるところです。
 本特集では、走行線区を1つでも多くという方針に則り、本年(2013年)8月の遠征時に撮影した「リゾートあすなろ竜飛」を掲載します。「リゾートあすなろ」は2連2本があり、津軽線と大湊線で使用されています。
 この日は夕方まで撮影して特急「あけぼの」で帰る予定でしたが、2013.8.9に発生したゲリラ豪雨の影響で3日連続運休になってしまいました。予定を繰り上げて新幹線で帰らざるを得ませんでした。

「リゾートあすなろ竜飛」8333D HB-E301-4 2013.8.11 11:22 津軽線 左堰−奥内


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