碧電12周年企画各地を走った ジョイフル気動車

■第38回 リゾートうみねこ  13.8.13UP

八戸線の海岸沿いをゆく「リゾートうみねこ号」

●津波被害から復旧を遂げた八戸線をゆく

 当車は主に大湊線を走る「きらきらみちのく」として2002年に登場しました。キハ48形を種車として、窓の拡大など、改造の手法はリーゾートしらかみ(青池)と類似しています。
 大湊線のリゾート列車はHB-E300系ハイブリッド気動車に置き換えられることになり、「きらきらみちのく」は八戸線を中心とした用途にコンバートされました。装いを改めて、名称も「リゾートうみねこ」に変わりました。
 しかし、新装運行開始直前に東日本大震災が発生。八戸から三陸鉄道の宮古まで運行する予定でしたが、八戸線の沿岸区間と三陸鉄道北リアス線の一部が深刻な被害を受けてしまいました。八戸線は震災からほぼ1年後に復旧していますが、北リアス線は2014年4月の全線復旧を目指して工事が進められています。
 現在は土曜、日曜を中心に八戸−久慈間の普通列車437D〜448Dとして暫定的に運行されています。普通列車では所要時間が長いためか、快速列車化の要望がつい最近八戸市から出されています。それは期待の高さの表れでもあるのでしょう。

 2013年の夏休みは青森県へ出掛けました。津軽海峡線の急行「はまなす」やスーパー白鳥増結車の785系300番台を中心に撮影する計画でしたが、本特集の取材も視野に入れ、ジョイフル気動車をできるだけ多く撮影できるように考えました。中でも当車については、青森から撮影地まで130km近くあり、片道3時間もかかります。撮影効率は大幅に落ちてしまいますが、八戸線を訪れることはなかなかできないであろうと、計画どおり車を走らせました。
 宿戸から有家にかけては最も海に近いところを走ります。結果として、津波の被害も大きいところでした。国道の標識や駅の掲示物で浸水した範囲を知ることができましたが、今回初めてその地に立ってみて、こんな高いところまで波が来たのかと驚かされました。有家駅の南側は線路が完全に流されてしまいましたが、今はすっかり復旧し、所々に設置された避難階段が被災した場所であることを物語っていました。
 久慈市がNHKの朝ドラ「あまちゃん」の舞台となったことも影響しているのでしょうか。「リゾートうみねこ」の乗車率はかなり高く感じられました。今後とも北三陸の華として活躍して欲しいものです。

437D「リゾートうみねこ号」 キハ481505 2013.8.10 13:39 八戸線 陸中八木−有家にて


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