第18回で扱った国鉄秋田局のお座敷気動車は編成の愛称がありませんでした。民営化後も無名のままで、その後、茶色を基調とした塗装に改められました。そして、1991年にリニューアルを受け、「こまち」を名乗るようになりました。正面のヘッドサインには秋田こまちが描かれています。
工事に際して難燃化対策のエンジン交換を受けました。ジョイフルトレインの仲間である「アルカディア」の火災をきっかけに始まったエンジン換装はまだ進行中で、私にとっては目新しいものでした。
ダイヤ情報88号(1991.8)によれば、「こまち」は91.7.25〜29にかけて上野まで2往復し(東京から秋田へ向かう団体で、25の上りと29日の下りは回送。)、8/7〜8/8には2連泊往復夜行で再び上野まで来ています。8/8に仕事を終えてから復路を大宮駅へ撮りに行ったようですが、他に撮っている人はほとんどいなかったと思います。(今では考えられないですね。)
換装済みエンジンの車を間近で見るのはおそらくこのときが初めてです。「NIGATA」のロゴが入った新しいエンジンが大きな唸りを上げていて、DMH17に慣れた身には明らかに違う音やアイドリングのペースに違和感を持ったことを覚えています。
せっかくもらった「こまち」の愛称ですが、1997年に秋田新幹線に取られて「おばこ」への改称を余儀なくされました。
その後、2001年には再びリニューアルと塗装変更を受けていますが、私は大阪へ転勤して以来東北地方の車両には疎くなっていて、最後にまとった塗装は記憶にないほどでした。
キロ59501 9747D 1991.8.8 高崎線 大宮