碧電12周年企画各地を走った ジョイフル気動車

第22回 エーデル丹後  13.4.15UP

阪和貨物線をゆく「エーデル」の団臨

●”ぶら下がり”特急第3弾は多兄弟

特急電車の後ろにぶら下がり、目的地の非電化区間のみ自力で走行するタイプの気動車特急は「ゆぅトピア和倉」に始まり、その後も増備が行われました。京都府北部地方向けのものは「エーデル丹後」と名付けられました。角ばったデザインの「ゆぅトピア和倉」に対して、当車は丸っこいデザインが特徴でした。その後、貫通タイプの中間車が増備され、冬場は大糸線方面へのスキー列車「シュプール白馬・栂池」の一員としても活躍しました。
 同様の展望先頭車を有するエーデルシリーズは「鳥取」、「北近畿」が登場し、さらには第三セクターの北近畿タンゴ鉄道でもキハ28・58の改造車が造られました。後発のものは窓割りの変更が見送られたり、応急的な増結車(→2周年企画第17回)を造るなど、ややグレードダウンした感は否めませんでしたが、最初の「丹後」はハイグレードながらも最初から普通車として登場したことは特筆されます。
 特急列車の任務を解かれた後は主に団体臨時列車用として使用され、西日本の各地へ姿を現しました。

●ネットを通じて募集された阪和貨物線経由の団臨

珍しい走行線区としては阪和貨物線が挙げられましょう。既に廃止されてしまいましたが、阪和線の杉本町から分岐し、関西線の沿線にあった竜華操車場(現久宝寺駅付近)を結ぶ短絡線でした。当線は緊急時の迂回ルートを確保するため、定期列車が1本もないながら、通称レール磨きと呼ばれる回送列車を毎日走らせて線路を維持していました。市街地にありながら知名度は低い路線で、反対にそこに魅力を感じるファンから注目を集めていました。
 当時住んでいた大阪市住吉区の自宅から距離的には近いながら、足が不便でなかなか行く機会がありませんでした。しかし、調べてみると、自宅近くのバス停から乗り換えなしで近くまで行けるルートがあることがわかり、それ以来度々足を運ぶようになりました。
 本稿を書くにあたっては見つけることができませんでしたが、あるウエブサイトの開設者さんが団体募集を行い、当線を走行することを主目的とした列車が走ることになりました。新たな撮影対象となっていた「地元路線」をエーデルが走るとあって、迷わず撮影に出掛けました。
 ポジの現像が上がってから、主催者さんに撮影できたお礼を兼ねてスキャンした画像をお送りしました。

阪和貨物線をゆっくり走るエーデルの団臨 2003.4.27 阪和貨物線はこの翌年休止後、2009年廃止。


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