碧電12周年企画各地を走った ジョイフル気動車

第18回 国鉄秋田局お座敷気動車  13.3.17UP

常磐線の海沿い区間を走る秋田局のお座敷気動車

●本州では初めてのお座敷気動車

今月は各地で卒業式が行われていることでしょう。1985年3月、私も大学の卒業式が迫っていました。梗概のみで卒業研究は合格していましたが、提出後も資料の整理のため、研究室へ通う日が続きました。それでも、3/16は休みをもらうことにしていました。
 この日は秋田局のお座敷気動車が常磐線の平(現いわき)まで来ます。シンプルな塗装変更ながら、近鉄11400系「エースカー」のような塗り分けとなった同車を撮影するチャンスです。東北地方まではなかなか行けませんでしたが、このあたりならば青春18きっぷでなんとか行けるところです。
 前日、サークルのT先輩に電話すると、折良くも常磐線北部へ行ってきたところだと言います。おすすめ撮影地として久之浜−四ツ倉間を教えてもらいました。
 「どうやって行けばいいんですか?」
「久之浜から線路沿いの道を戻っていけばすぐわかるよ。」

 久之浜はさすがに遠く、朝早く出ても着いたのは昼を回っていました。幸いにも穏やかな天気で、海が輝いていました。
 後打ちも撮ろうとして慌てたためかシャッターが少し早めでしたが、意図したように撮れました。
 来るのに時間がかかれば長居もできません。451系の普通列車や、九州から初期型のボンネット車が多数転入してきた485系「ひたち」数本を撮っただけで帰途につきました。
 帰りの車内では女子高生と先生らしき女性が話をしていたのが印象に残っています。新しい進路に向けての不安や希望を話す生徒に先生がアドバイスをしていたように思います。自分も学生生活を終えて社会人になる日が迫っていました。

 常磐線のこのあたりは海沿いを走る区間があり、SL時代から有名な撮影ポイントが点在しています。しかし、2011.3の震災では津波による被害が大きかったほか、福島第一原発の事故による深刻な影響を受けた地域でもあります。2つ先の広野までは運転が再開されてはいますが、地域の皆さんはいまだに多くの方々が不自由な生活をされているのではないかと思われます。
 訪れたことのある土地の様子は気になります。平穏な暮らしを取り戻されることを改めて願うところです。

キロ59501(秋カタ)9223D 1985.3.16 常磐線 久之浜−四ツ倉


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