JR九州熊本支社の洋風気動車です。第3回で扱ったJT熊本と同じ日に撮影しました。キハ58+65のペアですが、キハ58は前面がパノラミックウインドーで、側窓が拡大されているため、両者の違いがわかりづらくなっています。しかし、キハ58のほうが僅かに窓が小さいのがわかります。JT熊本のキハ587002とは1番違いですが、ずいぶん違う外観です。
この日は昼頃まで肥前古賀付近で撮影し、夕方は佐世保線の団臨を撮影するため、肥前山口へ向かったのですが、雑誌に載っていたダイヤから、「サルーンエクスプレス」は既に通過後と思っていました。しかし、駅で尋ねると、あと10分少々しかないながらも、チャンスが残されていました。(当時は繁忙時でなければ団臨の時刻を聞いて断られることはまずなかった。)そして、急いで駅のはずれへ行って撮ったのがこの写真です。
晩年は豊肥本線の普通列車にも使われていることが雑誌で報じられました。お座敷気動車では通勤通学列車に使うのは無理ですが、当車は使用可能と判断されたのでしょう。そして、1994.6の訪問時は撮影対象に入れていました。平成付近の鉄橋で待っていましたが、来たのはキハ47などの一般型でした。岩国から来られたという同好の方が撮影地を一足早く去られ、その列車に乗って帰られましたが、私に向かって腕で×印を作り、「違ったよ。残念!」という意思表示をされたのを覚えています。
それもそのはず。実はこの時点で「サルーンエクスプレス」は既に廃車になってしまっていたのでした。結局、肥前山口付近で撮ったこの1枚しか残っていません。もう時間がないからと諦めていては後々後悔することになったことでしょう。
キハ587001(熊クマ)9412D? 1992.11.29 佐世保線 肥前山口付近