九州では分割民営化の前後に相次いで気動車の団臨用ジョイフルトレインが登場しました。これらはいずれもキハ28、58、65を改造したものでした。「ジョイフルトレイン長崎」と命名された2両はキハ587002+キハ657002の編成で、「ジョイフルトレイン」という言葉が定着していることを物語っていました。(その後、熊本へ転属して「ジョイフルトレイン熊本」となるが、外観はそのまま。)
この日は長崎への出張明けで、昼頃まで肥前古賀付近でブルートレインなどを撮影し、夕方、肥前山口へ移動すれば、3〜4本の団臨が撮影可能でした。
「JT熊本」は車体には長崎くんちの竜が大きく描かれていました。個人的にはごちゃごちゃしたデザインは好きではなく、撮りたいという意欲はありませんでした。しかし、九州へ頻繁に来られるわけでもなく、ジョイフルトレインの1種として記録すべきと思い、捨てるようなことはしませんでした。
しかし、スキャン画像を眺めていると、一度しか見たことがない車両にもかかわらず懐かしさのようなものを感じます。それは、JT熊本単体にではなく、次々にやって来る九州独自の列車、3本のブルートレイン、多彩な臨時列車など、良き時代の一日を思い起こさせてくれたからなのかも知れません。
キハ587002(熊クマ) 9416D 1992.11.29 佐世保線 大町−肥前山口 陽が西へ傾き、影が伸びてきた。