碧電12周年企画各地を走った ジョイフル気動車

第9回 リゾートライナー  13.1.6UP

リゾートライナー+キハ65+58の快速「リゾートライナー伊勢初詣・みえ1号」

●JR東海唯一のジョイフル気動車

JR東海所属のジョイフルトレインはいずれも客車編成で、それらは国鉄時代に登場したものでした。そして、民営化後に登場したのが今回紹介するリゾートライナーです。第8回までに扱った車両はいずれも急行用気動車キハ28・58・65の改造車でしたが、リゾートライナーは特急用のキハ80系の改造車であることが特徴です。(北海道で既製作の2本に続いて3本目)やや角ばったデザインの両先頭車は種車のイメージを大きく変えていますが、中間車は塗装こそ異なるものの、屋根上のクーラーやタンク、小窓はキロ80のままです。形式は1エンジン、電源装置搭載車がキロ82、2エンジン車がキロ80を名乗り、キハ80系であることを主張しているかのようでした。
 当車は単独走行のみならず、定期列車への併結が想定されていました。種車のキハ80系は急行用以下の一般型気動車とは制御回路が異なるため、併結できませんでしたが、当車は併結運転が可能になりました。
 特に関西本線では、単線区間が存在する中、様々な種別の列車が走り、新たな列車を挿入することが難しくなっていたため、定期列車に併結される臨時列車が設定されました。
 当初は珍しかった急行型との併結運転ですが、晩年はエンジンの不調から回送車扱いのキハ58+65を連結するのが通常になっていました。しかし、このような非効率な状態がいつまでも続くわけはありませんでした。さよなら行事が行われることもなく、いつの間にか引退。ある日の早朝、DD51に牽かれて人知れず浜松工場へ送られ、廃車、解体されてしまいました。
 一見目立たずに終わったかに思えるリゾートライナーですが、キハ80系としては記録すべき実績を残しています。同系は特急用であり、走行線区が限られていましたが、当車はJR東海管内の飯田線や武豊線はもちろんのこと、遠く四国、松山や長野など、キハ80系の走行が長らくなかった路線や、入線実績のない路線へも足跡を残しています。
 その一方では、郷里の車両であったにもかかわらず、私自身は当車と接する機会は驚くほど少なく、この写真が唯一無二の(先頭に立つ)走行シーンとなってしまいました。

リゾートライナー+キハ65+58の快速「リゾートライナー伊勢初詣・みえ1号」3921D 1991.1.3 紀勢本線 六軒−高茶屋


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