2012年から2013年への年越しとなる今回は、「アルファ・コンチネンタルエクスプレス」です。これなしでは北海道の後発リゾートトレインを語ることができないともいえる重要な位置づけにある車両です。
先頭車はハイデッカー構造の展望席となり、運転席を下に設けた構成は前年デビューした名鉄8800系「パノラマデラックス」と同様です。当時、国鉄では客車のジョイフルトレインで展望席を設けるなど、車体の構造に手を入れたり、独自の塗装を施したものが登場していましたが、気動車では初めてのものです。
乗客を迎える立場の民間ホテルが開発に参画するという初めてのスタイルや、バブル景気前期という時代背景もあり、外観、内装を含めて種車、キハ56のイメージを払拭する豪華なものとなりました。
前頭部の形状はその後登場した「ゆぅトピア和倉」や「アルカディア」(→「Kenji」)にも踏襲され、北海道のみならず、全国各地に登場するジョイフル気動車に影響を与えたということができましょう。
同車を撮影できたのは1989年の1回(一往復)のみです。「はまなす」で千歳空港(現南千歳)に到着し、レンタカーを借りて千歳線を撮影しましたが、「アルコン」は活躍の舞台である石勝線内で撮ろうと、ロケハンをしました。しかし、引きが取れる場所を見つけられないうちに通過時刻が接近してしまい、川端駅でポイント上に設けられたシェルターを入れて撮りました。
石勝線らしいシェルターをくぐり抜けた特急「アルファコンチネンタルエクスプレス」 1989.7.30 石勝線 川端