今回は本特集のための取材で撮れたての作品をご紹介しましょう。
2012.12.15、16の両日、新潟−会津若松間でこの時期恒例の「クリスマストレイン」が運転されました。例年はC57牽引のばんえつ物語号の編成ですが、客車が検査のため、盛岡支社から「Kenji」を借りての運転となりました。
訪問、乗車を決意させたのは中間車、キハ282010です。同車は昭和36年(1961年)東急車輌製で、キハ58、28系の1800両を越える仲間の大半が既に消え去った今、営業運転を行っている3両の中に製造初年製の1両が含まれるとは、まさに奇跡的です。1988年、「アルカディア」時代に遭遇した火災による延焼を免れ、2012年現在、今もなお活躍を続けているのです。
同車が50才を迎えてから、一度会いに行きたいと思っていましたが、岩手はさすがに遠くてなかなか行けず。磐越西線での運転は訪問のチャンスでした。しかし、無情にも12/15の復路9233Dの会津若松−新潟は満席。一度は諦めました。それでも、ネットで調べてみると、津川から団体さんの乗車が確認できたため、翌日再度駅へ。会津若松−津川で無事に指定席が確保できました。
Kenjiはよく整備されており、キハ282010も外観、内部とも齢51年という古さを感じさせません。一般のキハ58ではよくあったすきま風もなく、暖房がよく効いて快適そのものでした。
事前には知りませんでしたが、12/15は日出谷駅でサンタスタイルの子供たちを始めとする地元の皆さんの歓迎行事がありました。イルミネーションや子供たちが作ったであろう数々の雪だるま。そして、2回行われた打ち上げ花火。「クリスマストレイン」は大いに盛り上がりました。
阿賀町の皆さん、暖かいおもてなしをありがとうございました。ほんとうに感激しました。発車時にはほとんどの乗客が町民の皆さんに手を振って、謝意を表したのは言うまでもありません。
津川で下車し、交換待ちをしていた236Dで宿泊先の会津若松へ戻ります。キハ40の反対側に座られている方が「クリトレ」でお見かけした方だったため、声を掛けました。世代の近い方で、30年近く前の話題に花が咲きます。日中線のことを碧電に載せていることを話すと、「見たことあるかも・・・。それって、サングラスをしてベージュのコートを着た人が写っているのではありませんか?」と。「それ、私ですよ!」
たまたまご覧になったホームページの作者がわざわざ愛知県から来ている。その作者と話をしていたとは、さぞかし驚かれたことでしょう。私も地元の方が見て下さっていたとは思わず嬉しくなりました。
そして、握手をして山都駅でお別れしました。
山都の鉄橋を渡るKenjiの「クリスマストレイン」9226D 2012.12.16 磐越西線 喜多方−山都
乗車当日撮影したビデオもぜひご覧下さい。