碧電12周年企画 各地を走った ジョイフル気動車

第2回 グラシア  12.11.11UP

JR東日本仙台支社の「グラシア」による多客臨「黄金海道回遊2号」

●ソフトなデザインと上品な塗装が好ましい洋風気動車

JR東日本仙台支社の洋風気動車です。1989年にキハ58系を改造して製作され、2003年にはリニューアルを受けて名称が「こがね」に変わりました。
 当車は団体臨時列車のほかに多客臨に充当され、一般客が乗車できる機会が多かった車両と言えます。当初はグリーン車でしたが、2000年以降は普通車扱いとなり、指定席券があれば青春18きっぷでも利用できる乗り得な列車でした。
 女性をターゲットにしたというだけあって柔らかいデザインで、品の良い塗装も相まって、キハ58系改造のジョイフルトレインでは最高クラスの出来栄えではないかと思います。
 同車に乗るチャンスが訪れたのは2003年3月のことです。3月23日は仙台を出て東北線、大船渡線経由で気仙沼へ。折り返し平泉まで行った後、仙台へ戻るという3本の列車に充当され、2本を撮影し、平泉から仙台まで乗車することにしました。仙台へ戻ると19時を回りますが、大宮までノンストップの「こまち26号」に乗り継げば最終「のぞみ」で大阪まで帰れることが判明し、実行を後押ししました。
 大船渡線は半分が快速列車のため、いったん快速で気仙沼まで行き、普通列車で折り返して新月付近で見つけた撮影地へ向かいました。列車本数自体も少ないため、「グラシア」1本を撮っただけで引き揚げざるを得ませんでした。
 同車が2003年のゴールデンウイーク限りで運行を終えることを知ったのは確か現地でのことであったと思います。少なくとも撮影行を計画する時には知りませんでした。当時住んでいた大阪から簡単に東北を訪れることもできず、偶然ながらも最後に乗車するチャンスに恵まれたことになります。それでも、廃車ではなく、リニューアルによって活躍を続けるのは何よりでした。

キハ59510(仙ココ)「黄金海道回遊2号」 9334D 2003.3.23 大船渡線 折壁ー新月


ジョイフル気動車メニューへ

前回へ戻る。

次回へ進む。

萬橋前駅本屋へ戻る。

碧海電子鉄道©2012 鈴木雄司(トップページへ)