オーディオ日記 第46章 幸せの音(その17)2019年8月23日


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私を忘れないで:FPS編

此処しばらくはSUP-L11とSUP-T11というSONYのユニットを主力として、そこにC51セラミックドーム、SCANのベリリウムツィータを加える、という 構成 で楽しんできた。改めてSONYの両ユニットの艶やかさや深い音色を堪能しており、このユニットとの出会いがやはり稀有なものであったと感慨もひとしお。特に女性ボーカルの表現については最早これ無くしては生きられない?(ま、大げさな!)とも思う。

この構成にするために、従来より中低域用に使用してきた FPS がしばしお役御免になっていたのであるが、それはそれでとてももったいない。このFPSというユニットのパフォーマンスや表現力はクラッシク系音楽の自然なホールトーンを求める時(特に教会音楽系)に大いに発揮されるとも感じており、我が家の狭いスペースに於いてどのようにレイアウトすれば並行的な構成として残せるか、悩んできた。

物理的な位置として、全てのユニットはインラインの配置が望ましいのは論を待たないが、残念ながら我が家では現状のエンクロージャーの構造やスペースの関係からの制約もあって難しい。そこで、採り得る次善の策として、FPSを使う構成においては、中低域、中高域、高域の3ユニットをインラインに配置すべく検討してみた。幸いにもFPSは平面ユニットなので、背面を覆うエンクロージャーは不可欠ではなく、ダイポールの指向性を生かすため元々後面開放のスタイルで使用してきた経緯がある。今回のレイアウトではその従来のエンクロージャを使わず、スタンドタイプとして現状の中高域、高域ユニットの下部に設置する事を考えてみた。

平面ユニットの特徴を活かしたレイアウト:(スタンドの柱が邪魔にならない)
FPS Stand

この構成では低域にSUP-L11、中低域にFPS、中高域にAccuton C51、高域にScanspeak ベリツィータとなる。低域ユニットは大きなエンクロージャの設置の関係からやや後方に置かれるので、デジチャンによるタイムアライメント処理はこの場合でも必須となるのだが、案外とバランスの良い?見掛けになったようにも感じられる。

中低域以上のユニットがインライン化されていること、ユニットの配置があまり高くなり過ぎていない(従来比)ことなどそれなりにレイアウトのメリットはあると思う。各ユニットの周波数帯域であるが、FPSはスタンドだけなのであまり低い周波数までは使わないようにし、中高域、高域の設定はほぼ踏襲する。FPSとC51のクロスオーバーは暫定1,000Hzである。

さて再生音や如何に? ふ~む、やはりFPSの表現は極自然である。媚はない。長らく拘ってきた女性ボーカルの艶気を求めすぎなければむしろ万能と云えるのかもしれない。設定の追い込みはまだ甘いと思うのだが、クラシック系の音楽ではそれでも弦の充分な艶やかさはあってホールエコーは綺麗にたなびく。

ふたつのスピーカー構成を使い分けるためには都度ユニットへの結線を変え、デジチャンのメモリ設定を変更する、という手間が必要になるのであるが、これはこれである種「表現の違い」を楽しめれば良いのではないかとも思う。本来的には設置するスピーカーは一組であるべき、とも思うのだが併設するデメリットを幸いにも今のところは大きく感じるようなこともない。

Accuton C51というセラミックドームユニットの本来の 導入目的 は、SONY SUP-T11というホーンドライバーをこのユニットで置き換えたら新たな可能性が音場感や音の広がりという観点で見えてこないか? ということであったのだが、当初の予定の構成にここで舞い戻ったことになる。SONYのユニットは長所もあるのだが、当然欠点(大口径のユニット、ホーンを使うということなど)もある。だが、この音に魅せられ、それが身体に染み付いてしまっている現状ではそこから全く逃れる術が無い事はもう分かった気がする。だが、今回のFPSの復帰と適宜選択可能な構成、ということによって、新たな模索あるいはチャレンジができる、ということでもある。

自分のオーディオの「停滞感」というのはどうしても時々起こってしまい、それは避けられぬことでもある。ある程度の満足感が得られる状態になるとそこに浸ってしまい「手抜き」をしてしまうものとの反省はある。だがいつも思う事は、対比させ、競合させ、より良い音の表現力を求める努力を欠いてしまえば、そこに向上はない、ということ。今ある「幸せの音」だけを頼りにせず、まだ聴けていないが(必ず)何処かにあるもっと幸せの音を探さねばならない、、、これって未だ見ぬ青い鳥? ということなのかも。


4way構成の設定備忘録(2019年8月3日更新)設定値(Mid-Highは未補正)

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.7 -9.3* +1.7 +3.2
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.7 88.3 85.7 84.2
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2240
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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