オーディオ日記 第45章 エンドレス・オーディオ(その10)2019年5月28日


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忘却の彼方のMPD:

PCオーディオであれこれ楽しんできてもう随分と経ったのだが、PCをデジタルトランスポートとして本格的に使い始めたのはいつ頃からかとふと思い、拙ブログを見返してみると何ともかなり昔の話である。かっては一世を風靡(?)した VoyageMPDをメイン環境 としたのは2011年。その後2012年にはシングルボードである ALIX3D2でも遊んでいる ことなどの記録が散見される。

その後永きに親しんだMPD/Linuxなのだがとんと使わなくなって久しい。折角つたない学習を通してキャッチアップしてきたLinuxも早晩忘却の彼方か、、、あれこれとチャレンジして情報を集め、使いこなしていなければどんどんと忘れて行ってしまうと思うのだが、寄る年波に負けてもいられない。MPDの世界もシングルボードのALIXはAPUというハードウェアに進化したが、VoyageMPDは既にディストリビューションとしては無くなってしまった。だが、APUをベースにしたLightMPD、そして何よりラズパイというよりコンパクトなプラットフォーム上には新たなディストリビューション(SymphonicMPD)があるので、いずれ試してみたいなと。(SymphonicMPDは開発方針としてI2Sのインターフェース前提なので、S/PDIFをデジチャンに入力する当方の構成環境とは必ずしも相性が良くないのだが)

ただ、すっかり脳細胞から零れ落ちているLinux廻りのコマンドなどを思い出さねばならないので、まずは復習を兼ねて仕舞い込んでしまっていたALIX3D2を掘り起こす。果たして動くかな?

我家のPCオーディオ環境もそれなりに変遷しており、VoyageMPDを使っていた当時とは少し様変わりしている。まずNASをもう使ってはおらずPCサーバーに一本化している。MPDは音源をNASに置くという使い方が標準でもあったが、これを現状のPCサーバーに対応させる必要がある。また、懸案事項としては、 MUTEC MC-3+USB をLinuxがUSBデバイスとして認識してくれるかどうか。USB Audio Class2.0のデバイスとして認識してくれさえすれば、リクロック機能と10MHzマスタークロック入力という新しい戦力をベースにした環境で動かせるので(INTONA USBアイソレータもあるし)、かっての状態よりはもしかしたら音も良くなるんじゃないか? などという期待値も、、、、(少しある)

ALIX3D2の起動は大分使っていないにも関わらず問題なし、懸念材料であったMUTEC MC-3+USBもちゃんと認識してくれる。これは幸先が良いぞ。ちょっと気になっていたPCサーバー上のSSDに置いてある音源のマウントもfstabを書き直してOK。しめしめ。更に新たに追加した音源のカバーアートもしっかりと読みこんで表示してくれている。お~、いいぢゃないか!?  (案外と忘れていないものだな、とちょっと悦に入る)

ちゃんと動いたOld ALIX3D2:
Old ALIX3D2

じゃ、音を聴いてみようか。へ~、案外とイケてる! 昔日には XMOS Development KitJAVS X-DDC などをUSB DDCとして繋いで喜んでいたことを思い出す。今や10MHzマスタークロックをベースにリクロックされた音なのでやはり当時よりは同じプラットフォームでもそこそこ良くなったのだろうか。またDSDも無変換でそのままMUTEC MC-3+USBに送り込めば良いので非力なALIX3D2であってもDSF音源が難なく再生できる。音的には少しシャープな感じがするがセラミックドームユニットを使用したスピーカー構成の音とは相性が良いようだ。すっと伸びるエコー感が心地良い。

だが何より目を見張るのは、リモコンアプリのMPADの操作感である。極めて反応がシャープ、早い。JPLAYに移行してから、iPAD上のコントロールアプリには機能面でも反応速度も泣かされ続けて来て、やっとJRMC/JRemoteの組み合わせをコントロールポイントにすることで落ち着きを見せてはいるのだが、やはりそれと比しても雲泥の差がある。当然ながらUPnP/DLNAという汎用的な機能をベースとしたものと専用コントロールアプリでは差があるのは仕方がないのだが、、、それにしても違い過ぎるな~ このような優秀なコントロールアプリが既に消えてしまっていることについて改めて哀惜の念を強く感じる。iOS系のタブレット端末をリモコンとして 使うのでなければ現在でも選択肢はあるようなのだが、それにしても惜しい。MPDの良さはMPADというコントロールアプリとはやはり切り離せないものがある。

しばらく聴き続けてみても違和感、不満点など思っていたほどないのが実のところ却って拍子抜け。これは益々新しいディストリビューションを試してみないとという気持ちにさせる。

PCオーディオにおいて斯様な古いデバイスで聴くという懐古趣味はあまり意味があるとは思えないのだが、周辺環境の変化もあって思わぬ評価でもある。すっかり忘れてしまっているLinux廻りのこともちょっぴり思い出したかも。それでもプラットフォームをどう選択するのか悩ましいところ。現在の普及ベースで考えればラズパイ一択なのだが、S/PDIFでデジタル出力してくれないことには当方のオーディオ環境では使えないので、この点は悩ましい。だが、SymphonicMPDでS/PDIF出力させている方もいるようなので少し情報を集めて実現性を検討をしてみようかと。しかし、この場合でもDSD音源はどうするか課題はありそう。MPD自体はDSDtoPCMの変換機能もあることはあるのだが、SymphonicMPDは音質的な観点からサンプリングレートコンバータであるSoXを排除しているようなのでこちらも微妙な点ではある。


4way構成の設定備忘録(2019年4月25日更新)SONY SUP-T11暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 +0.7 -9.5* +4.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -0.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 90.7 94.5 91.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1000
1000

2500
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 48-48 48-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -37.0 -0.0 -58.5 +0.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Rev JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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