オーディオ日記 第45章 エンドレス・オーディオ(その11)2019年5月30日


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朽ちた脳細胞を再生せよ!:

オーディオ環境がある程度落ち着いてしまったこともあって少し遊びたくなってしまったのかもしれない。久々に引っ張り出して聴いたVoyageMPD(ALIX3D2ベース)はそこそこ新鮮にも思えるが、ベストなPCオーディオ環境とは云えないので、やはりここは新らしいLinuxディストリビューションを試してみたくなる。現在のところ音楽再生用のLinux廻りで先端を走っていると思われるのはSymphonicMPDであるが、GPIOベースのI2S/DACが基本型のようなので、我が家のオーディオ環境とはどうしても相容れない点がある。つまるところUSBインターフェースによってPCMならびにDSDを送り出せるどちらかと云えば旧来型のUSB DDC構成スタイルでないと我が家の現状の環境であるMUTEC MC3+USBからDF-65というデジタル入力経路が成立しないのだ。

ここは無いものねだりをしていても仕方ないので、やむを得ず別のディストリビューションを探し見てみることに。だが、Linuxに係る知識、経験値はもう朽ち果てている状態なのでまずは「尖がった音を求める」というよりは新しい環境にチャレンジしあれこり思い出したり、慣れるということを優先で良いかな、と考えた。

その上でディストリビューションを選定する条件としては、以下を想定してみた。

1.ラズパイとPC環境で同じディストリビューションが使えること。
  (できればVoyageMPDやUbuntuと同じDebian系が慣れの点から望ましい)
2.ラズパイの最新モデル3B+で稼働すること。
3.基本軽量Linuxであること。
4.ラズパイではデスクトップ環境は不要(CUIベースで良い)

また、ALSAベースでUSB出力が可能であることがMPDを使う上での当方の必須条件となる。これらの条件でいろいろと情報検索をしてみると軽量Linuxは意外なほどたくさんあって逆に絞り込みに困るほどなのだが、その中で Lubuntu が筆頭の候補として浮上してきた。実はLubuntuは大変ありがたいことに上記の選定条件の1~4をほぼ満たしてくれているのだ。ラズパイ3B+では、デスクトップバージョンとサーバーバージョンの両方を試してみたい。これにはまずデスクトップバージョンLubuntuで環境作成などの当たりを付けて、さらに音質向上(?)を狙ってサーバーバージョンのUbuntuにも移行できる 可能性 もありそうに思えるのだ。

かなり目的にヒットしそうで、願ったり叶ったり、だなという感じなので、PC環境用のLubuntuを早速ダウンロードし、手近のノートPCでUSBメモリからLIVE起動させる。このノートPC(VAIO)はVistaベースで普段はOmni MiCでの測定やリモートデスクトップ操作などに使用しているもの。もう既に10年選手でCPU能力はかなり低いのだが、期待通りサクサクと動くではないか。真っ先に確認しなければならないのは、MUTEC MC3+USBとの接続。先にVoyageMPDでも大丈夫であったので、それほど心配はしていないのだが、ここは肝なのだ。「aplay -l」でチェック、おっけ~。有線LANを接続する。

これで後はMPD稼働環境に必要ないくつかのパッケージをインストールすれば良い。手動インストールしたものは以下の通り。(ALSAは当然とは思うがディストリビューションに含まれていた)

・mpd      MPD本体
・samba     PCサーバー上の音源ファイルアクセス用
・litghttpd   アルバムカバーアート表示用のhttp
・jed      テキスト編集用として(当方の使い慣れたもの)

Lubuntuで必要なパッケージのインストールや設定は特に問題となるような点は無く、VoyageMPDより随分と簡単だな~という感じ。また、VoyageMPDインストール廻りでかって使用していたコマンドが変わってしまっていることも無くすんなり。リモコンアプリのMPODからの接続もAVAHI(zeroconf=yesの設定)のお陰で一発、MPOD操作はDBアップデート、リフレッシュローカルキャッシュで即OK、肝心の音出しも拍子抜けするくらい。音自体は何となくではあるが、ALIX3D2よりも落ち着いた感じがしてこれはこれで良いかなと。DSD音源のネィティブ再生も問題なし。mpdのバージョンも上がっているようで、DSFファイルのタグ情報もきちんと取り込んでくれる、当然と云えば当然なのだがありがたいね~

PC用デスクトップ版のLubuntuではあるが、ここまでのインストール設定操作はすべてCUIベースで行った。サーバー版の場合はもしかするとさらに追加のパッケージのインストールも必要となるかもしれないのだが、特段のGUI操作も必要としなかったので、ラズパイのサーバー版もなんとか行けそうな気がしてきた。(もちろん案外と落とし穴もあるものなのだが) だが、これって敢えてラズパイのプラットフォームにする必要あるのかな? とちょっと基本的なところに疑問も無くはない、、、だが、優先すべきは音云々よりも朽ち果てつつある脳細胞の再生かも?

(備忘録として):
インストールや設定用のコマンド投入内容は次の通り:

#sudo apt-get update
#sudo apt-get install mpd samba lighttpd jed
#sudo mkdir /NASHDD
#sudo mount -t cifs //192.168.x.xxx/MusicFiles /NASHDD -o ro,iocharset=utf8,username=xxx,password=xxxx,noverserino
(Live起動なのでマウントのみ、実際のインストールではfstabに記述する)
#sudo ln -s /NASHDD/FLACMusicFiles /var/lib/mpd/music
#sudo ln -s /var/lib/mpd/music /var/www/Music
(マウント状態チェックや一応中身が見えるか確認のためのコマンド)
#sudo mount -a
#sudo umount /NASHDD
#ls /var/lib/mpd/music
#ls -l /var/www/html
#sudo unlink /var/www/Music

ALSA廻りの確認や編集:
#sudo cat /proc/asound/modules
#sudo cat /proc/asound/cards
#sudo jed /etc/modprobe.d/alsa-base.conf
(デバイスNo.を変更する場合に編集)

後はALSAで認識されているMUTEC MC3+USBのデバイス番号などをmpd.confのALSA outputに記述する。その他の指定として、mixer_type="disabled"やdsd_usb="yes"などなど。zeroconfはデフォルトがどっちだったか忘れているので明示的にyesとしておいた。mpd.confの設定後は/etc/init.d/mpd restartでmpdを再起動。


4way構成の設定備忘録(2019年4月25日更新)SONY SUP-T11暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 +0.7 -9.5* +4.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -0.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 90.7 94.5 91.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1000
1000

2500
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 48-48 48-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -37.0 -0.0 -58.5 +0.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Rev JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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