オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その10)2017年6月21日


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紆余曲折を経ながらも何とか様になってきたかのような我がオーディオであるが、つらつらとロートルアンプのリニューアルを画策しながらも、この先の方向性についてあれこれと妄想している。もうストイックになっていてもいいはずのこの歳でもオーディオとなると欲しいものは沢山あるというのが悟りを開けていないという現実か。もちろん多様な選択肢も何らかの出会いがあればあれこれ考えていたその計画が一瞬にして吹っ飛び、そちらに吸い寄せられてしまう、というのは過去の経緯から考えればままあることなのだが、、、

先日takeさん邸で3種類のサブスピーカーを拝聴させていただいた。 grigriさん のブログにて写真入りでユニット構成など詳しく紹介されているが、世界中から集められた至高のユニット達である。それぞれが皆垂涎の極上の音なのだが、どんなに素晴らしいユニットでもポンと組んでこれだけの音で鳴るわけではない。ユニットの素性を活かすための調教のノウハウと鋭敏な耳が不可欠だし、それを実現できているtakeさんは真に達人の領域だと脱帽する。付け加えるならば、メインのスピーカー音は更にそれを上回る恍惚そのものの音がする。

翻って我がシステムの音を聴けば情けなくもなり、まだまだ修行が足らないと痛感させられる。そこそこのユニットを手中に置いてもその能力をきちんと発揮させてあげなければ、それは宝には成り得ない。調教のノウハウなど簡単に学べるものではないが、その音を聴いて触発され、少しでも近づけるべく改善の精進をすることこそが必要なのだと肝に命ずる。ローマは一日にして成らず。

音の広がりを求めて、中低域用のFPSユニットの レイアウトを変更 し、さらに高域用ユニットの 受持ち周波数帯域の見直し を行ってきたが、これらがそれなりの効果を出してくれていることもあってさらに高域用ユニットの配置の変更にもチャレンジしてみた。設置の幅を広げることと高さを低くすることが主眼。配置が変われば音のイメージも若干変わり、それに合わせてまたタイムアライメントやら4wayの受持ち帯域の設定なども微妙に弄らねばならなくなる。だが、ここで面倒くさがってはいられない。達人に聴かせていただいた音のイメージが消えないうちに少しでもその片鱗を取り入れようともがくのだ。

高域用ユニットをFPSの上に移動:
SP Layout Test

タイムアライメントなど測定しながらの調整を行ったが、期待していた音の広がり、拡散、そして自然でしなやかなイメージに関しては僅かに(自己満足?)でも前進があったかのように思え、この配置で行くこととした。まだまだやっていることは「温い」と自分でも反省するのであるが、半歩でも1cmでも理想に近づけたい気持ちで。

(閑話休題)
現状の4wayマルチを完成の域まで持って行くことが何よりも先決であることは間違いない。そして現状に対して一皮を剥くのであれば、一番難易度の高いと思われるデジチャンにこそ手を入れるべきなのかもしれないと考えている。なお、新しいデジチャン製品( DF-65 )が出るのだが、率直に云えばこれには全く食指が動かない。現状のDF-55と比較して、使用しているDACなどのデバイスの変更等はあるのだろうけれど、肝心の部分に全くの進歩がない。チャンデバ機能としては相変わらずIIRのままだし、デジタル入力を意識した上で音量調節を若干でも考慮するようなアプローチも無い。HS-LinkもPCM入力のみで、DSDに対応していない、など。結局のところ従来のアナログチャンデバと同じ使い方しか意識していないと思えて、残念ながら新製品としての魅力が当方にとっては何も見つけられないのだ。これだけの価格設定にも係わらずAnalog DevicesのDSPチップが一個しか使われていないことも機能上の制約となる要因なのだろうか。

デジチャンを考える場合、「FIRであること」が当方にとって最優先事項となる。これはIIRとFIRではデジチャンにおける基本機能としての差が大きく、音質云々以前にスピーカーユニットに対する位相などの制御にアドバンテージがあるからに他ならない。これは以前の試聴の際の計測からも明らかな点である。だがしかし、4way用のFIRのチャンデバというのは現実の選択肢としては非常に限られたものしかなく、またそれを採用する上での付帯条件が大きい。パソコン上のデジチャンソフトウエアとしてはSSC-X(現在はMPP,DSP)やfoobar2000のプラグイン(公式では3wayまで)などが存在しているが、現実的に当方にとって選択可能なものはMPP,DSPだけであろうか(?)。 MPP,DSPは昨年 試用 させていただいた経緯があり、Dante Audio Network(over IP)と合わせて使う必要があるのだが、そのPCのCPUパワーを活かしたソフトウエアの完成度は高いと認識している。

所謂デジチャン機器として4wayをFIRで実現できるものは、少し前であればMSB Platinum DAC3があったのだが如何せん(飛び抜けて)高価だったし、現在も販売されているのかどうかは判らない。また、新しいところでは miniDSP でもFIRは可能らしく情報を集めているがユーザー事例や評価情報などは探し出せていない。高い処理能力を必要とするFIRの処理が使用されているDSPチップの実力でどこまで可能なのか、また音としてどうなのか、ちょっぴり疑問も無くはないので、もう少し調べてみたいと思っている。

結局、いろいろと探してみても、SSC-Xの後継であるMPP,DSPがやはりFIRを考える上では候補の一番なんだろうな、という帰結になる。また、これであればDante Audio NetworkによってUSB、S/PDIFが排除できるので機能的には一石二鳥でもある。ただし、基本形はPCによるデジタル音源の再生となるため、アナログの再生や他の機器からのデジタル入力について対応させたい場合は別途機器が必要となってしまうところはちょっと痛い点かも。ものは考えようなのだが、アナログ再生対応まで対応するとなるとコスト的には自分なりの許容範囲を超えてしまっているので、一歩が踏み出せない(アナログ入力のための機器が8chDACと同価格である点)。デジタル音源の再生専用だけと割り切れば、それなりにはリーズナブルとも思えるのだが、、、

この話とは別件なのであるが、デジチャンの後段で音量調節を行うための8chマスターボリューム、リモコンによって音量調節可能なもの、がやっと現実になりそうなのである。そして、このマスターボリュームはバランス接続、アンバランス接続の両方が可能という仕様なのだ。バランス接続が出来るとすれば、上記のDante構成におけるアナログ再生の課題が解決できるかもしれない、というアイデアが閃いた。

デジタル音源再生の場合はPCベースでDante用8ch DACの経路となるのであるが、8ch DACから4way分のバランス出力を取り出し、このマスターボリュームにインプットすることになる。マスターボリューム後段は同じくバランス接続で各パワーアンプに入力する。

アナログ再生の場合はプリアンプ(C-290V)のフォノイコライザーを経由して、DF-55でのデジチャン処理を行い、その出力をアンバランスで取り出し、マスターボリュームにインプット。マスターボリュームからはアンバランスでアンプへ接続する。(贅沢にも2台のマスターボリューム構成が必須だが)

Dante Test Config

このような構成、接続形態にすると、パワーアンプ側でのバランス、アンバランス入力切替によって、デジタル再生(MPP,DSPならびにDante経由)とアナログ再生(DF-55経由)の二系統の構成が可能となる。A/D変換はDF-55を使用するので現状と同じスタイルとなり、FIRのデジチャン機能は使えないが、再生の頻度を考えればこれは許容の範囲かもしれない。

ここまで考えてみると、俄然MPP,DSPによるFIRデジチャン機能+Dante Audio Network(over IP)のプランが現実味を帯びて来る。もちろんデジタル用、アナログ用という二系統の構成を維持しなければならないので、ケーブリングが煩雑となるという心配はある。ただ、元々新しいマスターボリュームは導入予定であるし、Dante周りでは筐体としてはコンパクトな8chDACを追加するだけで良い、とも考えられ夢想が広がるのである。


4way構成の設定備忘録(2017年6月21日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -6.0 0.0 -12.0 -12.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 -12.0 0.0
(L-PAD抵抗)
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +2.0 +6.0
Analog Att
OFF
スピーカーの
出力(想定)
dB 91.0 90.0 88.0 87.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1600
1600

4000
5000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 23.0 55.5 0 54.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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