オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その5)2017年5月2日


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4wayの個々のユニットをなるべく指向特性がブロードなところで使用し、音の広がりを求めようとした新たな試みは案外早く設定のまとまりを見せてくれた。ベリリウムツィータのクロスオーバー周波数は2800Hzに落ち着くことになり、結果的にはこのScanspeakの ユニット導入 に際して大いに参考とさせていただいたた ATS-4 というDIYによるスピーカーシステムで設定されているツィータのクロスオーバー周波数と一致することになった。もちろんこちらを参考にはしたのであるが、最終的にはヒアリングによって決めたもの。ただし。このATS-4はクロスオーバーネットワークにて高度な調整をしているのであるが、当方の場合はマルチアンプシステムであり、イコライザも使用していないのでユニットの特性の素のまま、という違いがある。ただ、やはりこのツィータの持ち味を発揮させるためにはこの辺りの周波数から使ってあげる方がいいのかもしれないな、と改めて思っている。

その他のクロスオーバー周波数は400Hz、1120Hzとし、スロープ特性は基本として-24dB/oct、ただし、ツィータのみは-48dB/octという設定にした。なお、中高域(Mid-High)、高域(High)の出力レベルは聴感を前提として設定し、一応念のためにあとから計測は実施したが、測定は参考値として使うに留めている。計算上の出力レベルでは中高域、高域ともやや落としたものとなっているのだが、リスニングポイントにおける聴感ではそれほどレベル低下している感じはなく、むしろ全体として音の広がり、それに合わせた音楽の心地良さが感じられて好感触である。

台形のツィータボックスはWoody&Allen製:
Tweeter Enclosure

浸透力と実在感に裏付けられたこのツィータの音はやはり一級品であると思う。中高域は4インチダイヤフラムを持つSONYドライバーを1120~2800Hzという帯域に限って使うという大変贅沢な(?)もの。ほぼ分割振動しないであろう帯域で使うこのユニットのクオリティ感や密度感もなかなかのものと思う。求めていた肝腎な点である音の柔らかさ、広がりという観点からは(もしかしたら?)合格かもしれない。クラシック系(主に弦)、女性ボーカル系を中心に試聴を継続しているが、自分としては今までに無い音の感触があってちょっぴり満足。雑味が無くて静か、それでいてしっかりとした音の押し出しや実在感と倍音ならびにエコー成分の広がり感がうまい具合にバランスしている。低域はちょっと控えめかな、とも思うところがあるが、再生時のボリューム位置が1ノッチ分アップしていることもあって、不足という不満感はない。ただし、30~40Hz辺りは実はまだ足りないのかもしれないなと思ってはいるのだが。

もちろんこれで全て満足、手放しで及第点などということはないのだが、今まで悩みのポイントであった若干の硬質感や音の刺さり、というものが多少なりとも良い方向へ改善された点は素直に嬉しい。何より音ではなく、音楽を聴いている、という感覚になれるのだ。自分としては何だかぐるぐると回り道をし、スピーカーユニット達に振り回されている感も無くはないのだが、オーディオというものは自分の思い込み(このツィータは4KHz辺りより上で使おうとずっと考えていた)だけの一筋縄ではうまく紐解けず、こういう紆余曲折もあるものなのかもしれないと思う。

なお、参考とした ATS-4 であるがツィータ以外はすべてAudio Technologyのユニットが使われているのであるが、何だかこのようなユニット構成のスピーカシステムも欲しくなってしまうというのは、仕方のないことか、、、


4way構成の設定備忘録(2017年5月2日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -7.0 0.0 -12.0 -8.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 -12.0 0.0
(L-PAD抵抗)
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +1.3 +1.3
Analog Att
OFF
スピーカーの
出力(想定)
dB 90.0 90.0 87.3 86.3
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

400
400

1120
1120

2800
2800

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 27.0 55.5 0 38.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Rev Rev JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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