オーディオ日記 第33章 原点への回帰(その6) 2013年8月 2日


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禁断のミッドバスを試してみた。

動揺している。直球ど真ん中、ストライクの音だ。

BS403を購入して以来、単なるサブスピーカーとしておくことに飽き足らず、ハイブリッドマルチと称してあれこれと遊んできた。以下のように構成が徐々にエスカレートして行った。

1. 最初に サブウーファー的に112Hzでクロスさせて、SUP-L11を足した。
2. 次に スーパーツィータとして14KHz以上にPT-R9をアドオンした。
3. さらに 、低域を224Hz、高域を9KHzでクロスさせて擬似4Way的な周波数分割としてみた。

これにより、出てくる音はどんどん良くなってきたように感じられた。

次にやってみるとしたら? ということで、悪魔の囁き(?)に乗ってミッドバス領域をこのハイブリッドマルチ構成で試してみた訳である。今回の構成では、BS403のAS-XR Cone 150mmウーファーを200~800Hzの帯域で使用してみようというもの。従い、せっかくのJET Vツィータの領域は全く使用しない。ただし、この150mmウーファーには現状はクロスオーバーネットワークが介在しており、ダイレクト駆動ではないのだが、実験的な感覚なのでこれは止むを得ないとした。

また本来的には、ミッドバス領域を試すためには全体を4Way構成とすべきなのであるが、マスターボリューム(CX-260)が6ch分しかなく、同時に音量調整できるのは3Wayまでなので、残念ながら4Way構成を試すことはできない。このため、便宜的にSUP-T11の高域をスルーとして変則的な3Wayでミッドバスの効果を試すことになる。

今回の設定内容は以下の通り。
SUP-L11        224Hz~ (-12dB/oct)
BS403 AS-XR Cone   224~800Hz
SUP-T11         800Hz~ (-12dB/oct)

なお、BS403自体はニアーフィールドの位置に置いたままで、デジタルディレイによりタイムアライメント調整を行っている。この点もセオリー無視となってしまっていることは承知の上で。

3Way構成のメインシステムについては、現状ほとんど調整の余地が無いと思うほどあれこれと煮詰めてきた。従って、このメインの音を越えることは、まずあるまいとタカを括っていた。厳密にメインシステムと比較すれば、このハイブリッドマルチの実験では、それなりの良さは感じられるのであるが、僅かであってもやはりどこかにイクスキューズのポイントがあると感じられたからである。従い、今回もミッドバスの効果がある程度把握できれば良いな、という感じを持っていたことは否めない。

さて、例によって設定自体はデジチャンによって、至極簡単に行えるので早速音出し。

のっけから、心が騒ぎ冷や汗をかく。そんなはずはない! いやいや、たまたまであろう、、、
試聴用の曲を集めてあるCD-Rを始めから終りまで聴く。動揺が止まらない。

今までの構成との差異を検証してみる。800Hz以上の音域をSUP-T11に任せることによって、音の密度感、質感は断然向上している。倍音の再生に関して全くのイクスキューズはない。また、200~800Hz という音楽にとって非常に重要な帯域をレスポンスの良い単体ユニットに任せるというメリットは、500~630Hz辺りにクロスオーバーを持ってこなければならない通常の3Way構成に比較すると確かにある、と思われる。

また、低域に関しても200Hz以下をSUP-L11に任せてしまっているので、過大振幅による混濁感はBS403単体に比して大きく減少している。これは既に以前の実験からも確認すみなのだが、さらに受け持ち帯域の上限を800Hzまでとしている効果か、150mmウーファーのプレゼンスが明らかに向上し、音楽がとても活き活きとしている。150mmサイズのユニットであっても、やはり2500Hzまで使うのは少し厳しいものがあるのかもしれないと思う。

高域はPT-R9を使わずにSUP-T11に任せてしまっているので、いくらこのユニットの高域特性が優秀でも、周波数特性的には10KHz以上で不足があるものと思われるが、聴感上はその不足をあまり感じない。音楽にとって非常に重要な帯域のプレゼンスが高いことがこれを補っているのかもしれない。

現時点ではまだまだ現密な追い込みではないので、軽々な結論は出すべきではないと思うが、改めて「腹を括って」この構成の調整と3Wayのメインシステムとの比較を行っていく必要があると認識した。まだまだ、やることがあるのだ。安穏としてはいられない、、、

(仮の話として)もし、ミッドバスを単体ユニットで考えるとしたら、160~180mmサイズ辺りだろうか。 ScanspeakAccuton などのユニットが候補になると思う。ただしどちらも能率が88dB近辺であることが若干気にはなる。今回の実験から云えることは、既存のエンクロージャーに敢えてこのミッドバスユニットを押し込む必要は全くなく、むしろ独立させた状態で音楽のプレゼンスに留意しながら、最適な設置ポイントを探すことの方が良さそうにも思える。また、ミッドバスユニットの低域を敢えて下まで伸ばす必要が無いので、なるべくコンパクトな専用エンクロージャーとして現行システムにアドオンすれば良いのでは、とアイデアがぐるぐると回り始める。

重ねて思う。これだからオーディオは恐ろしい。そして面白い。


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