オーディオ日記 第33章 原点への回帰(その3) 2013年7月18日


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BS403 のハイブリッドマルチアンプシステムの 続き である。

BS403にメインシステムの低域をサブウーファーとして追加するチャレンジを行ってみたが、これは低域方向の充実という観点から成果があったと感じている。150mm口径のウーファーでは多少低域が寂しくもあるのだが、サブウーファーを加えることによってしっかりとした音楽の聴こえとなることが確認できた。普通はサブウーファーと云えばシングル構成であることが多いが、このテストでは15インチウーファーを左右に従える構成となるので、ちょっと贅沢と云えるかもしれない。BS403の基本的な性格や二アーフィールドのメリットはしっかりとキープされているようだ。そこで、気を良くして(?)さらにスーパーツィータ的追加も行ってみようと考えた。

ELACでちょっとお気に入りの ELAC 609CE というスピーカーはJETツィータの上に無指向性のリボンツィータ(4PI Plus.2という機種で単品の販売もある)を追加してとても良い雰囲気を醸し出しているので、ふとこれを真似てみたらどうなるかなと。まあ、遊びの種は尽きまじ、というところでのトライである。

メインシステムの高域はPIONEER PT-R9というリボンツィータであるが、これを14KHz~16KHzくらいでアドオンしてみるというものだが、BS403自体の高域はスルーで出して、これにホール感、空気感がうまく加わってくれれば一応成功かと思う。なお、低域と同様にやはり約10dBの能率差があるので、レベル設定とディレイの設定(前後距離の差108cmをそのまま設定する)をデジチャンで行うがその他特段の設定はなく、シンプルである。結局この構成では、メインシステムの中域(SUP-T11)のユニットがBS403に置き換わったのと同様な接続、アンプ構成となっている。ただし、クロスオーバー周波数は大きく異なっていて、BS403にサブウーファー(112Hz)とスーパーツィータ(14KHz)を足したものとなる。



さて、このテストのソースには1.女性ボーカルの透明感が際立って入るものと 2.低域のブリブリッとしたところがはいっているものとで行った。

まずは女性ボーカルから。いつも聴き慣れた曲なのだが、ぎょっとするくらい音楽の雰囲気が良くなり、ホールエコーが増す。特に空間の奥行き感が深い。これは気持ち良い、、、ちょっと成功かも。スーパーハイのアドオンなので、あまり高域が主張している感じがないところも良い。ニアーフィールドの良さである鮮度感を保ったまま奥行きと天井が広がるこの感覚は今までになかったもの。とにかくふわ~っとした空気感がある。ディレイの設定はもう少し追い込む必要があるのかもしれないが、音の滲んだ感じは無く、これで不満はない。ディレイ設定を加えているとは云え、ユニットの位置が1m以上も離れていることが多分にこのような「聴こえ」に影響しているのだろうかとも思う。何となく映画館で聴いているようなイメージもあるが、これは同様に多くのスピーカが配置され、タイムアライメント設定していることと関係があるのかもしれない。

次は低域。生ベースの弾けるようなブリッ、ゴリッとした感触とコントラバスの深い弦の味わいが美味く引き出せるだろうか。ややっ、これも結構良いぞ。低域の補強だけではなく、スーパーハイが加わっていることによる効果がここでも低域の聴こえ方や音の感触としても影響している。面白い。この音はBS403単体では出ない。これも聴き惚れてしまうぞ。この構成でBS403の本領発揮(?)と云えるのかどうかは判らないが、これは何とも捨てがたい。ただし、問題も無いとは云えない。そもそもメインスピーカーとBS403の位置が大きく離れているところを無理やりディレイ設定で位置合わせようとしているので、当然ながらリスニングポイントは全くピンポイントである。まあ、でも自分ひとりで聴いているのでそれはそれで良いかもしれないが。

改めて、メインシステムに切り替えて聴く。ふ~む、これはこれで落ち着いているし、音のひとつひとつの質感が高い。音のフォーカスはビシッとしているし、リアルでもある。BS403のハイブリッドマルチは敢えていうなら、このフォーカスした感じは少なく、先に述べたようにもっとふわ~っとしている。これはユニット間の位置調整(ディレイ)がまだ完全ではないことによるのか、もともとユニット間の距離が大きいことによる副次効果なのかは理論的には判らない。この辺りの是非は、更にクラッシク系の音楽を聴き込んでの判定としようと思う。いや、でもこのふわ~っとした感じはクラシックにも向いているのではないだろうか。

BS403とメインスピーカーのハイブリッド構成でここまでの音が出せるとは実のところ「想定外」。ここまでやって双方スピーカーのDNAから優性遺伝的な要素が引き出せたかもしれないと思う。しかしながら、元々はシンプルな聴き方を前提としたサブスピーカーの導入であったので、これはやはり痛し痒し、である。しばらくは、BS403単体で聴くスタイルと、このハイブリッドマルチアンプシステム構成の二つを平行して使ってみようと思う。メインシステムの基本構成を加えると3パターンになるので、さてさてどのように使い分ければ良いのか、、、

(参考)テストに試用したソース
1.女性ボーカル
 (1)大貫妙子 Pure Acousticから雨の夜明け

 (2)波多野睦美 アルフォンシーナと海からリンデン・リー 


2.低域
 (1)Gary Peacock Just So HappensからHome on the Range

 (2)Gary Karr Songs for Prayerから When You Wish Upon A Star


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