#456 povo2.0に乗り換え

2022/06/10

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 大手携帯キャリアの寡占による高い通信料に背を向けて、スマホに関しては、利用開始当初から中古スマホとMVNOによる割安な運用を続けてきたところであるが、データ通信についてはともかく、通話に関しては、いろいろ不便を感じていたところである。

 もともと契約していたMVNOが(当初は)通話サービスのないものであったため、通話に関しては、インターネットを経由した接続方式(Voice over Internet Protocol:VoIP)のサービスを基本料金無料で使ってきたところである。もともとこちらから電話する頻度も高くないので、平均すれば1か月100円以下で運用できるというとこともあり、その後音声通話対応のサービスが出てきたあとも、なんとかそれなしでやってきたところであった。

 だが、VoIPのサービスは、通常の音声通話サービスに比べると、どうしても品質の面で劣る部分があったのは否めない。特に初期の頃は、音声伝送に遅延があって、会話がぎこちなくなってしまうこともあった。その後だんだんと改善されてきたのかコツをつかんだのか、伝送遅延はあまり気にならなくなってきたのだが、アプリの状況によっては、着呼がうまくいかなかったり、タイミングが遅くてうまく応答できなかったりということもあった。滅多に使わないとは言え、かかってきた電話にうまく応答できないというのは、電話としては致命的なことである。

 また最近では、様々な本人証明にSMS(ショートメールサービス)が使われることも多くなってきた。つまり何かの契約に対して本人証明をするために、入力した人の携帯電話の番号宛のSMSに認証番号を送り、その認証番号が正しく入力されれば、本人証明ができたとする仕組みである。VoIPの場合は050で始まる番号が多く、その番号ではSMSには対応していない。たまたま私の場合は、セルスタンバイ対策として、SMS送受信可能なSIMを使っていたが、その番号は音声通話の番号とは別のものである。

 このたび、転居をきっかけにブロードバンドのネット環境をモバイルルータで賄うことにしたことから、出先での通信環境も担保されるようになった。それまではスマホやタブレット、PCなどにそれぞれMVNOのSIMを入れてデータ通信をしていたところだが、モバイルルータを持っていれば、端末ごとに通信可能なSIMを持つ必要性も低くなったところである。ということで、思い切って複数あるデータ通信用SIMをすべて解約し、スマホに関してはpovo2.0で運用することにしたところである。

 povo2.0はauが提供しているデータ通信用SIMであるが、基本料金は不要で、必要なデータ通信量やサービスを都度アプリの設定により購入(トッピング)できる仕組みである。そして、音声通話やSMSが可能な番号が付与されるSIMが、初期費用無料で利用可能である。これまで使っていたMVNOの場合、SIMのサイズや機能を変更するたびに手数料が3千円以上かかっていたのに比べると、大変にありがたい。

 通話料金は30秒22円と、これは一般的な携帯電話と同じであるが、自分から電話をかけることがなければあまり問題にならない。もちろん、頻繁に使う場合は月極でかけ放題などのトッピングをつけることもできる。

 データ通信量についても、使う分だけトッピングする必要があり、何もつけない場合は、128kbpsと低速である。バースト機能もないので、Web閲覧などはかなり厳しいが、テキストベースのメールやSNS、音声ストリーミングくらいならどうにかなる。もちろん、それで不十分な場合は、必要なだけデータ通信量をトッピングするなり、モバイルルータでWifiに接続すれば間に合う。

 契約そのものはスムーズで、アプリをインストールして必要事項を入力し、本人認証などをパスすれば、数日後にはSIMが届き、あとは手順に従いSIMを装着して必要な設定を行うだけで使えるようになった。更に特典として、24時間データ使い放題が10回使えるキャンペーンコード(3か月間有効)をもらえたので、出先で高速通信が必要になった時には活用させてもらっている。6か月何もトッピングサービスを使わないと契約解除されるという点にさえ気をつければ、最安でのスマホ運用が可能であると言える。

 最近、楽天が1Gまで無料としていたデータ通信プランの有料化を発表したことで、povo2.0は楽天からの乗り換えが大量にやってきて契約手続きが追いつかない状況が続いているほど俄に注目されているところであるとも聞く。スマホのデータ通信サービスが今度どういった状況になっていくのか予断を許さないところであるが、利用者としては、今後も情報収集を怠らず、その時々で自分にあったお得なサービスを見極める努力が引き続き求められるところである。


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