#324 ガジェットたちと海外へ

2011/09/07

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 なんだかんだ言って、小さくて高性能な電子機器、所謂ガジェットの類が好きな私は、海外出張などに行く時も、それらを一通り携行していく。むしろこうしたガジェット類は、海外へ行った時こそ更に威力を発揮する。

 最も重要なガジェットは、デジカメとボイスレコーダである。これらは私の目と耳に替わり、現地での出来事を記録してくれる電子の目であり耳であるので、毎日フル回転で使うことになる。また、渡航先での記録のためのテキストエディタ「pomera」も欠かせない。文字打ちであれば、アドエスにキーボードをつけたり、ノートパソコンで代用できないこともないのだが、ACによる電源供給が頼れない飛行機の中などで、時間を気にせず記録作業ができるというのは大きな強みである。

 もちろん、多くの場合はノートパソコンも持っていく。最近は会議文書などは電子的に配布されることが多いし、本国とのメールのやりとりのためには、無線LANが使える機器が必須になっているとも言える。その他、電子辞書やMP3プレーヤや、最近は会議文書参照用に電子書籍端末もこれに加わったので、出張のたびに相当な数のガジェットをお供に連れて行っていることになる。

 ガジェット類は飛行機内でもよく使うので、基本的に手荷物として持っていく場合が多く、デジカメやアドエスなどは専用ケースをベルトにくっつけて文字通り身につけている。しかし、空港でのセキュリティチェックの時には、そのままだと当然ひっかかってしまうので、一旦体からはずして鞄の中に入れるか、別にトレイに入れてX線検査機を通過させる。

 またノートパソコン(英語ではlaptop)は、必ず鞄から出して通せと言われる。私のノートパソコンは、電池がへばった中古品でACなしではほとんど使えないので、たいていはスーツケースに入れて持ち運ぶのであるが、かわりにpomeraを飛行機内での文字打ちに使うことが多く、果たしてこれをlaptopとして申告するかどうか悩んでしまう。どうせX線で見つかってしまうので、laptopだとして鞄から出すのであるが、そうするとたまにセキュリティの人に「これはlaptopなのか」と聞かれることがある。面倒なので「sort of」とか、場合によってはもうちょっと詳しく「Not a laptop, a text editing machine」などと答えたりする。そんな具合で、毎回面倒な思いをしながらも、愛用するこれらを機内に持ち込む。

 これらのガジェット類は当然電気を必要とするので、旅先でもこまめに充電する必要がある。デジカメ、アドエス、ノートパソコンは専用のリチウムイオン電池を使用しているので、これらの充電器もそれぞれ持っていく必要がある。単4電池で動くpomeraやボイスレコーダ用に、単4ニッケル水素充電池の充電器も必要である。以前ロシアで200V超の電圧に対応していない機器をつないで痛い目にあったことがあるので、現在はこれらはすべて100-240Vに対応したもので揃えており、変圧器は必要ない。しかし、これらをすべて充電するとなると、旅先のホテルの部屋にあるコンセント(英語ではoutlet)だけでは数が足りなくなってしまう。そこで、小型のテーブルタップも携行し、プラグの変換アダプタを介してoutletに挿すことで、複数の充電器を使用できるようにしている。

 ちなみに、これらのガジェットは内蔵時計を持っていることが多いが、移動する飛行機の中でこれらの時計を目的地の現地時刻にあわせることも忘れない。もっともデジカメなどは、大抵の場合出国すると時刻が進まない(日付変更線を超えると時刻が戻る)こともあって、前後で撮った写真の時系列が変になってしまうこともあって困るのだが。

 こうした様々な面倒はあるものの、愛すべきこれらのガジェットたちとともに、見知らぬ土地でさまざまな得難い経験ができるのは、ありがたいことである。


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