#270 PASMOはどうしようか

2007/03/13

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 鉄道会社のプリペイドカードとして広く普及している、JR東日本のSuicaなり、首都圏大手私鉄のパスネットなりについては、ここでも取り上げていろいろ文句を言ったりもしたものだが、いよいよ3月18日から、これらが相互利用できることになり、パスネットについては新たにPASMOという非接触型プリペイドカードが登場することになった。

 先行して非接触型カードを導入したSuicaについては、使い始めた当初はなかなかうまく認識しなくて何度か出札口で止められたことがあったが、馴れてしまうとかえって便利なくらいに感じるようになった。磁気式カード用自動改札機のように内部に駆動部分のある機械は、どうしても故障の確率が高いようで、運営側から見たら非接触型カードの方が何かと都合がいいというのもあり、パスネット陣営も非接触型カードへ転換することに決めたのであろう。

 相互利用開始ということで、PASMOであってもJRで利用できたり、Suicaであっても私鉄や地下鉄で利用できるようになる。従って利用する側から見たら、SuicaとPASMOのどちらか1枚を持っていれば首都圏の交通については用が済む、という具合になる。

 便利な選択肢が増えたことで結構なことのようであるが、個人的には実は悩ましい。というのも、現在私はビックカメラSuicaカードを既に利用しており、VIEWカード引き落としでせっせとチャージしてポイントを稼いでいるところである。一方で私は、普段の通勤には東京メトロを利用している。Suicaの方では、JRからの連絡定期券もSuicaにまとめることができると言っているが、私のように通勤経路にJRを含まないものについてはSuicaに定期券機能をつけることはできない。

 Suicaと同じくPASMOにも定期券機能をつけたものがあり、記名式にすれば紛失しても再発行してくれるという便利なものがあるのだが、PASMOの定期にしてしまうと、同じ定期券入れにSuicaを入れておくことはできなくなる。非接触型のカードを2枚重ねて近づけると、うまく働かないことは容易に想像できるし、実際にそのような使い方はできませんとPASMOのページにも書いてある。

 かと言って、定期券区間内はPASMOの定期券を、それ以外のところではSuicaを使うというのだと、折角「1枚ですべて済む」というメリットを生かせなくなってしまう。つまり、鉄道利用としてのプリペイドカードとしては、どちらか片方しかメインで使えない、ということになってしまう。

 PASMOの導入と同時に、東京メトロでは「To Me Card」というものを導入し、これを通じてPASMOのオートチャージ機能を利用すれば、定期券区間外での乗車について一定のポイントを付与したり、また定期券の購入にもカードが利用できて、ポイントになったりもする。東京メトロの6ヶ月定期の購入は、結構高額な割には現金でしか買えない不便な買い物の一つに考えていたというのもあり、カードが使えてポイントもたまるというメリットはなかなか捨てがたい。

 悩んだ挙句、結局年会費のかからない「To Me Card」を申し込むことにし、定期券については、記名式のPASMO定期券に変更することにした。オートチャージ機能つきのものを利用することで、今後の鉄道利用については恐らくこちらがメインということになるだろう。従前使ってきたビックカメラSuicaについては、ビックカメラでの利用ポイントを電子マネーに還元するための利用にとどめることになるだろう。

 なお、非接触型のPASMOを導入したということは、JRの磁気式イオカードと同様、これまでの磁気式のパスネットについては、早晩利用できなくなると考えた方がよさそうだ。私について言えば、PASMOの導入を睨んですでに手持ちのパスネットは使い切ってしまったのだが、実はPASMOはバスでも利用でき、したがって現在使われている磁気式のバス共通カードも同じ運命を辿ることが予想される。こちらの方は、5000円のカード(5850円分)を持っていて、まだ半分ほどしか使っておらず、しかも定期的に利用することもないので、バス共通カードが使えなくなる前に使い切れるかどうか、ちょっと心配している。


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