#261 ビックカメラSuicaはお得

2006/06/29

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 ポイントカードの話を3回に分けて行ったが、補足として、この春登場したビックカメラSuicaカードを紹介しておこう。このカードは、JR東日本のICカード「Suica」と、同じくJR東日本の「ビューカード」、それにビックカメラの「ビックポイントカード」の機能を併せ持つカードであるが、使い方によっては、単に複数のカードが一つにまとまった以上のメリットがある。

 ビックカメラでの買い物にポイントがつくのと同様に、ビューカードによる切符等の購入についても、サンクスビューポイントというポイントがつく。例えばSuicaのチャージを、現金ではなくビューカードによるクレジット払いで行った場合、1000円分のチャージにつき6ポイントがつく。サンクスビューポイントは400ポイントでSuica1000円分のチャージに交換できるので、6ポイントはSuica15円分に相当することになる。つまり1.5%分の還元があることになる。ただのSuicaで現金でチャージしても何のおまけもつかないのに比べれば、ビューカード払いにした方がお得である。

 また、ビューカード利用明細の郵送を断わり、Webで利用明細を照会するようにすれば、クレジット利用月の明細送付の機会毎に、20ポイントのサンクスビューポイントがつくことになる。つまりSuica50円分ということになる。

 ビックカメラSuicaカードは、ビックポイントカードとサンクスビューポイントを相互に交換できる機能を持つ。交換レートは、ビックポイント1000ポイントに対して、サンクスビューポイント400ポイントである。サンクスビューポイントは400ポイントでSuica1000円分のチャージに交換できるのだから、まとめると、ビックポイント1000ポイントはSuica1000円分のチャージに交換できることになる。

 そして、ここがこのカードの肝なのだが、ビックカメラでは、Suicaにチャージした「電子マネー」を現金と同様に扱うので、Suicaのチャージで買い物をすると、これに対してちゃんとポイントがつくのである。つまり、単にビックカメラのポイントで買い物すると還元されないポイントが、ポイントの交換を経てSuicaのチャージにしてから利用すると、ほぼ現金と同じように使えるのである。もちろん、Suicaにチャージした「電子マネー」は、本来の使い方であるJR東日本での運賃や、その他のSuicaの使えるお店での支払いにも、現金と等価で使える。

 このカードの場合は、先に述べたような「ポイントは貯めても意味が無い」「ポイント還元率と割引率は等価ではない」という説があてはまらない。ポイントをSuicaチャージに変換すれば、現金と等価で使えることになるため、どんどんポイントを貯めて、ビックカメラ以外でも使えるSuicaチャージにして現金がわりに使うことが可能になるからである。

 そればかりか、クレジット利用によるチャージをこまめに行い、サンクスビューポイントを稼ぐことで、実質数パーセントの「利息」を得ることができる。例えば、毎月1000円分のSuicaチャージをこのカードで「ビューカード」払いでこまめに行い、かつ明細郵送を断れば、毎月26ポイント(Suicaチャージ65円分)を得ることができる。

 ビックカメラは毎月利用しなくても、JR東日本を月1回以上利用する人は多いだろう。ほぼ恒常的に発生するこれらの出費に対して最大6.5%還元されるのだから、この低金利時代において大変価値が高いと言える。

 なお、ビューカード払いでSuicaにチャージできるATM端末は「VIEW ALTTE」と呼ばれ、主要駅の構内構外のほか、ビックカメラ店頭にも設置されている。ビックカメラで買い物する際は、現金で払うよりも、まずこの端末でSuicaにチャージしてからSuicaで買うようにした方が、サンクスビューポイント1.5%分がつくだけ得である。(ただし、チャージは2万円までなので、高額商品の買い物には使えない。)

 難点は、申込み2年目以降はクレジットの利用が年1回以上ないと年会費500円がかかってしまうことや、サンクスビューポイントからSuicaチャージへの交換が400ポイント単位であること、ポイントの有効期間が2年間であること、ビックポイントからサンクスビューポイントへの交換に時間がかかる(申し込んだ翌月の16日以降利用可能)なことなどだが、先に紹介した「こまめにチャージ」を行えば、この問題はある程度クリアーできる。もちろん、ビックカメラでの買い物で貯まったポイントを利用すれば、より早いサイクルでSuicaチャージに交換できる。

 ビックカメラを時々利用する機会のある首都圏在住の人にとっては、使い方次第でかなり便利でお得なカードである。なお、従前のビックポイントカードに貯めてあったポイントも「ビックカメラSuicaカード」に引き継がれるので、ビックポイントカードをお持ちの方は、切替を検討してはいかがだろうか。

※この文章については、以下のページを参考にさせていただきました。なかなか奥が深いカードですので、更に詳しい情報をお知りになりたい方はどうぞ。
 SWAのWebページ「ビックカメラSuicaカード」

※(2009/08/14追記)ビックカメラSuicaカードにおけるポイントの取り扱いは、2009年9月1日より、(1)換算比率が1500ビックポイント=Suica1000円相当チャージとなる(従前は1000ビックポイント=Suica1000円相当チャージ)。(2)クレジットでの買い物に付与されるポイントが、利用金額の0.5%相当のビックポイントと、0.5%相当のサンクスビューポイント付与になる(従前は1%相当のビックポイント付与)。となるようです。これにより、ビックポイントからサンクスビューポイントへの変換は割に合わない取引となるため、たまったビックポイントはひたすらビックカメラで消費した方がいいことになります。

※(2021/12/02追記)さらに少し前から、Webで利用明細を照会することにより付与されていたサンクスビューポイント50円相当分の提供もなくなりました。だんだんサービスが貧弱になってきているとは言え、チャージによる1.5%還元は健在なので、利用範囲の広いSuicaを使ったポイント稼ぎは今でも有効ではあります。


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