#271 英英電子辞書を買うつもりが

2007/04/24

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 昨年のマレーシア出張をきっかけに、自分の英語力をもう少し磨かなくてはと思い始めて4ヶ月ほど。今回は自分でも意外なほど、その意欲が続いている気がする。帰国後に受けたTOEICで自分の英語のレベルを客観的に知り、また英語学習に関するいろいろな本を読み、英語の上達において自分に足りないものが何か、どんな努力をすればいいのかというのが見えてきたということもある。

 外国語の習得に必要なのは結局のところ、数多く聞き、数多く読むことである。日本人は中学高校大学と、英語を学習する期間は確かに長いのだが、英語の読み聞きした絶対量で見ると、まだまだ足りていないと言わざるを得ない。

 もったいないのは、日本における学校時代の英語学習が、与えられた英文をひたすら日本語に訳す、あるいは日本語から英語を作文するという「翻訳」に重点を置きがちだということだろう。実際に英語を使う場面を想定すればわかるが、読んだり聞いたりした英語をいちいち日本語に訳して理解する、あるいは言いたいことや書きたいことを日本語で組み立ててから英語に訳して表現する、というようなことをやっていたのでは、時間がかかってしまってとても日常の役には立たない。英語はあくまで英語のままで理解する癖をつける。そのためにも、じっくり「翻訳」するのではなく、もっとたくさんの英語を読み聞きする、ということに時間を費やすべきだと思う。

 英語を英語として理解するためには、意味を日本語に/から翻訳する英和辞書・和英辞書ではなく、英英辞書を利用するべきだ、というのは理に叶っている。もちろんそのためには、基本的な語彙がある程度備わっていないと、説明に書いてある英語がそもそもわからない、という形になって効率的ではないが、最近では英語を母国語としない人向けに、語彙を絞って、例文形式でわかりやすく解説している英英辞書もある。

 こういった辞書をどこでも携帯し必要な時に引くことができる電子辞書は、非常にありがたい存在である。英英辞書に限らず複数の書籍辞書の内容をほぼ網羅し、一度引いた単語を記憶したり(ヒストリー機能)、説明文の中の単語を辞書で引いたり(ジャンプ機能)、曖昧な綴りから近い単語を探したり(スペルチェック機能)、複数の辞書から説明を引いたりするなど、機能も多彩である。

 もともと私も3年ほど前に、広辞苑と英和・和英辞書のついた小型の電子辞書を1つ買い、それなりに便利に使っているのだが、本格的に英語を読み書きしようと思うと、上記の理由から、やはり英英辞書のついた電子辞書が欲しいと思い始めた次第である。かと言って、今でも使っている電子辞書に加えて別の電子辞書を買うのもなんだかもったいない気もする。

 最近では主要なポータルサイトでも、簡単な翻訳サービスがあるくらいであり、少なくともネット上であれば、便利な英英辞書はいくらでも利用できる。例えば dictionary.com というサイトでは、英英辞書のほか、シソーラス(類語辞典)、百科事典を複数検索して結果を表示してくれる。IE用のツールバーもあり、気になった単語をすぐに入力して引くことができる。また、Answer.com というサイトが提供している 1-Click Answers というツールをインストールすれば、やはりIEのツールバーが使えるようになるほか、Alt+左クリックで、画面上の英単語の意味を表示してくれたり、起動時に Today's Highlight という特集記事を毎日表示してくれたりして、なかなか勉強になる。

 とは言え、パソコンの前に座っているときばかりでもないので、結局はオフラインで使える英英電子辞書を買うつもりではあった。だが、私にはよくあるパターンなのであるが、実際に買ったのは意外な商品であった。長くなってしまったので、その正体は次回に。


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