△ 不等辺ワークショップ第54回 (2007/11/10)


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写真  進行役を務めた林です。一日中強い雨の降った土曜日。ワークショップの日に雨が降るのは珍しいなぁ。春も夏も秋も冬も、いままではきれいに晴れることが多かったんですけどね。お足元の悪いなかをご参加くださってありがとうございました。先に予告をしますと、次回は12月22日(土曜)を予定しています。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。年内最後ですので、いつもより1時間ほど時間枠も拡大。クリスマス目前ですし、連休前夜ですしね。ぱぁーーっと楽しく、そしていつも以上にのんびりとやりたいです。多くの方のお申し込みをお待ちしています。興味をお持ちでしたら、どうぞ遠慮なさらず。そして大きな声で祈りを捧げましょう。12月22日は晴れろぉ〜!! 降るなら雪が降れぇ〜!!

写真  今回のヤマはダンゼン『江尻くんタイム』ですね。アシスタントの江尻浩二郎くんに中盤の進行をまるごとお任せ。プランももちろん江尻くんによるものです。これのために小道具(大道具?)として卓袱台を用意し、雨のなかタクシーで会場に乗り付けた江尻くんの気合いに感動。この卓袱台を和太鼓に見立てて、リズムで遊びます。写真 そうか、和太鼓で来たか。進行上、手違い?計算違い?があって、卓袱台じゃなく、会場のテーブルを叩くことになったのはご愛嬌だ。江尻くんの口伝てでリズムを覚え、両手でテーブルを叩きます。太鼓って、いいなぁ。懐かしいなぁ。第29回のレポートに書きましたが、私は鼓童の「鼓童塾」に参加したことがあります。あれは忘れられない。私の経験したベストのワークショップが鼓童塾です。私の原点だし、目標でもあります。ふっと私は遠い目をしてしまったなー。江尻くん、ぜひまたやってくれぃ!

写真  『ジャグリング』では2種類のボールを投げる。これ名前を呼ぶゲームなんですが、今回はニックネームを作っていません。上の名前(苗字)と下の名前の呼び分け。この、下の名前ってのがねー。妙に気恥ずかしいものですね。このワークショップでは初めてだな。苗字は胸に名札があるからいいよ。下の名前は覚えないと呼べない。写真 なかなか難しかったです。「幸せなら手を叩こう」は第48回のアシスタント、大西由紀子さんが考案したゲーム。大西オリジナルですよ。あれは本気で走るねー。どうしてあんなに無邪気になれるんだろう。素敵なゲームだなぁ。そうだ、あとで気付きました。これを「バースディ」に続けてやればよかったね。誕生日のプレゼントをたくさんもらってハッピー、じゃあ幸せなら手を叩こう、みたいな流れ。うん、そうすればよかった。順番ミス。

写真  関係ないですが、大西さんがコーチをしている高校の演劇部が県大会に行きます。これで2年連続です。去年の作品もよかった。今年は関東大会、行くんじゃないか? これを書いている今は16日(金曜)なのですが、県大会は明日から。もちろん私は観に行きます。すごく楽しみ。演劇部員たち、いまごろどんな気分だろうねー。こういう、「高校生」の「部活」の「大会」っていうのに私は弱いんです。勝手にドラマを感じてしまう。今回は『テマリ』でそれをやりました。私たちは全員、高校3年生です。中学のころからテマリ一筋です。10代の全てをテマリに懸けてきた。その思いをこの一戦にぶつけてください。全国大会の1回戦。福島県代表ハシモト高校対千葉県代表カンサク高校。負けたら3年生は引退。…もう、たまらないですね。私はひとりで盛り上がる。試合終了後は両チームの合同練習です。本当のノーサイドですね。あのルールを試したのは初めて。やってみたら、かなり難しかったですね。

写真  「アイ」「ラブ」「ユウ」の3チームに分かれ、フルーツバスケットの形式でラブストーリーを紡いでいった『お話フルーツ』。このゲームでは反省点がひとつ。ルール的に、全員が一斉に席を立つ場面がないんですよね。どういう工夫ができるかなぁ。テーマがラブストーリーだから、恋愛物のテレビドラマや映画のタイトルが混じったらその瞬間に全員が席を移動する、とか。難しいかなー。ドラマも映画も、私はあんまり知らないです。だからこそスリリングな気がする。「え、いまのセリフにタイトルが混じってたの?」みたいな。例えば鬼が「告白した瞬間のヒロシの心は、冷静と情熱のあいだぐらいでした」とかって言う。その瞬間に全員がばっと席を立つ。私にわかるのはそのレベルだ。どうでしょう。おもしろくないかな。

写真  ひさしぶりの『ペンキ屋』。車座で50音順にセリフを回した後、透明な部屋に入ってペンキを塗ります。用意したBGMは2曲。ドリカムの「未来予想図II」と奥田民生の「イージュー★ライダー」です。今回は初めての試みとして、部屋に入る前にまず歌詞カードをじっくりと見てもらいました。どんな情景を歌ったものか。どんな言葉が使われているか。書かれた言葉と向き合う時間があるのもいいものでしょう? いつもはいきなり曲がかかっていたからね。今回はイメージを摺り合わせやすかったんじゃないかなぁ。どうかしら。J−POPじゃなくて、洋楽のポップスを使ってもおもしろいですね。日本語の訳詩をあらかじめじっくり読むとかね。今後もいろいろ試してみたいと思います。お楽しみに。

写真  今回の『ペンキ屋』を部屋の外から眺めていた江尻くんが、あとで「なんだかブログのコメントのようだった」と言っていました。おおおお! なるほど!! たしかにそんな感じだった! 誰かのなんらかのセリフに対して、なるべくブレーキは踏まないようにしようとアドバイスをしました。すると、否定はせず、やんわりと肯定する、受容的なセリフが多く見られるようになりました。ぐいっとお話を前に進めるのではないんですね。たしかにそれはブログ、特にミクシィとかのコメントの付き方に似ている。いいとか悪いとかじゃないです。うーん。私個人は、人のミクシィとかを見るたび、そのコメントの感じが妙に気持ち悪いんですが、でもそれが現代の処世術というか。コミュニケーションの安全なあり方というか。ドリカム風に言えば、それが現代の「ア・イ・シ・テ・ル のサイン」なんでしょうかね。今回はやらなかったですが、『ねぇねぇ』の、あのぐいぐい前へ前へと進んでいくドライブ感と、この『ペンキ屋』での会話のゆったり感は、やはり「劇的」にちがいますね。両方やってみるとおもしろいんだろうな。

 最後に、これは余談です。

写真  「人と力を合わせること」「支えあうこと」「互いの長所を引き出しあうこと」「自分の役割を見出すこと」「全体に貢献すること」等々を、このワークショップで体験していただけたらいいなぁと私は願っています。「そうしろ」「どうしろ」「こうしろ」などの口出しはしませんけどね。「参加のしおり」に書いたとおり、学年も年齢もクラスも違う子供たちが、放課後のグラウンドで遊んでいるみたいなのが理想のモデルです。(いつも夕方の5時に終わるしね)。あんなふうに、声を出して体を動かして遊びまわりながら、色々な知恵を身に付けた。その「知恵」の部分が、ワークショップの醍醐味ですよね。私は演劇畑の出ですので、演劇っぽい遊び場を作ります。

写真  一般に、いわゆる「演劇ワークショップ」って、グループで作品を作って発表しあうスタイルのものが多いです。一方このワークショップでは、あんまりグループワークをやりません。その理由は長くなるので書きませんが、ただ主宰者として願い、進行役として心掛けていることに、大きな違いはないんだろうと思います。その実現のために、いろいろな道筋があり、私はこういう道順が好きです。まぁ、仕事でやるときは、グループワークの課題も作るんですけどね。でもこの「俳優を目指さない演劇ワークショップ」は、私自身がクライアントですから。クライアントの意向に沿ったものを提供します。次回で通算55回目。もうすぐスタートして丸7年になります。どうぞ今後も遊びの輪に加わってくださいませ。

写真  佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」(講談社)を読んだんです。高校の陸上部員のお話でした。いかにも私好みだ。大会に出場するため、移動するバスのなかで主人公たちが歌を歌います。それが奥田民生の「イージュー★ライダー」なのですね。歌詞が引用されていて、それを読んで、私はイッパツでやられてしまいました。まぶしいなぁ。私はもういい歳だし、高校生のころから長い時間がたってしまったけど、でもこういう気分はわかります。私だったら演劇の道で。そしてそれぞれの人が自分の道で。それぞれの「大会」に向かって。大きな声で歌いながら、走っていきたいものですねー。ねぇ、江尻くん! あー、カラオケ行きたくなってきた!

写真  僕らは自由を 僕らは青春を♪
 気持ちのよい汗を けして枯れない涙を♪
 幅広い心を くだらないアイデアを♪
 軽く笑えるユーモアを うまくやり抜く賢さを♪
 眠らない体を すべて欲しがる欲望を♪

 大げさに言うのならば きっとそういう事なんだろう♪
 誇らしげに言うのならば きっとそういう事なんだろう♪

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真  アシスタントを務めさせていただきました江尻です。雨を降らせてしまいました雨男でございます。早く旱魃地帯に行って人の役に立ちたいです。誰か航空券ください。
 さて、今回は30分ほどのメニューをひとつ、やらせていただきました。日本の太鼓のリズムで遊んでみましたが、いかがでしたでしょうか? 時間が足りなかったですかね…。結局苦労して運んだ卓袱台に出番はなく!…「京王八幡山卓袱太鼓スペシャル初ライブ!」は幻に終ってしまいました…ううう、みなさん家で家族を捕まえて遊んでください。ドンツクドンツク…
 写真を撮ったりしていたので、あまりゲームに参加できず、それが少し残念でしたが、またいつか、参加者同士としてもお会いできればと思います。打ち上げも楽しかった。ありがとうございました。(江尻)


★アンケートより

写真 ○とてもアットホームで参加しやすかった。
○関西では、いんじゃんホイ、あいこんホイ、なので異文化やなぁと思いました。
○じゃんけんは入りやすくてよかったです。キャッチボールもおもしろいですね。
○太鼓! 自分としては「裏」をやりながら「表」を聞くのが楽しいと感じました。
○「裏」を叩いているとき、「あ、昔聞いたのと同じだ」と思って、「オレかっこいい!」とか思ってしまいました。
○フルーツバスケット+お話作り、がとても気に入りました。
○ペンキ屋さんは回数を重ねるとちゃんとできるようになる気がして、もっとやりたかった。
○楽しかったです。個人的にはペンキ塗りが一番楽しかった…かな?
○あいうえおペンキ屋で、見てるだけでもおもしろかった。
○ここのワークショップは3回目ですが、いつも雰囲気が温かく、自分の「素」を安心して出せる気がします。

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