△ 不等辺ワークショップ第48回 (2007/04/29)


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写真  進行役を務めた林です。4月29日のワークショップをレポートします。この日はとってもお天気がよかったです。日差しが明るくて、新緑が目にまぶしい。八幡山の会場は窓が大きくて、外に開けていますからね。春を満喫しながらのワークショップになりました。絶好のワークショップ日和。アシスタントの大西くんとレポーターの山田に早めに集合してもらい、のんびりと打ち合わせをします。今回はおかげさまで大勢の方がご参加くださいます。人数が多いと、私はいつも以上に気合いが入る。やっぱり緊張もします。今日もうまく行くといいなぁ。静かにコンセントレーション。受付のときのBGMはアバの「チキチータ」でした。名曲。

 午後1時にスタートです。『ウォーキング』はいろいろなゲームの詰め合わせ。「目つぶり指差し」というゲームでは、あらかじめ会場にアイテムを仕込んでおきました。会場のあちこちに「ネコ」とか「ウサギ」とか、動物のなまえが書かれた紙をテープで貼っておく。会場の「探検」をした際に、どこにどの動物がいたか覚えていましたか?という仕掛け。じつはあの紙。たまたま私の荷物のなかにあったので、思いつきで貼ってみました。すでに動物のなまえが書いてある。先日の高校の授業で、動物のなまえを当てるゲーム(ワークショップでは「ZOO」と呼んでいるゲーム)をやりました。そのとき使った紙なのです。「なにかで使えるかなぁ」と思って、捨てずにとっておいた。古紙回収。リサイクル。地球にやさしいなぁ、私は(?)。

写真  今回の『ウォーキング』では、いつもよりたくさんゲームをしています。参加者の人数が多いと、自然とそうなりますね。プログラム全体のなかで、最初の『ウォーキング』って、かなり重要なんです。とは言っても、内容をガチガチに決めているわけでもありません。ノリと勢い。お互いの名札をざっとチェックしたあと、3秒で50音順に整列したりしましたね。「アバを先頭に!」。部屋の隅にいてくれてありがとう、アバ。ただああいう思いつきの進行が、空回りしちゃったときが怖いなぁ。「背中合わせ」や「二人三脚オニ」をしたあと、「イチゴ拍手」は大西くんに進行をお任せ。あれは本気になるね。ラグビーのオール・ブラックスをちょっと思い出した。

写真  「モテモテ」というゲーム。せっかくゴールデン・ウィークなんだからたくさんデートしましょう。1日に5人の相手とデートします。午前9時、お昼の12時、午後3時、午後6時、午後9時の5回。それぞれちがう相手と待ち合わせの約束を取り付けましょう。いっせいにアポとり。メモはとりません。約束、忘れないでね。何時にだれとどこで待ち合わせるのか。うかうかしていると、みんな午後9時の予定は埋まっちゃっている、なーんてことも起こりえます。相手が同性でもいいからどんどん積極的にお誘いしましょう。そう、あとで思ったのだけど、デートの内容ももっと工夫してもよかったですね。それは私の反省です。例えば新宿で待ち合わせてなにをするのかという部分まで。4月29日は「昭和の日」なわけですから、昭和の香りのするデートプランとかね。家で「ALWAYS 三丁目の夕日」のDVDを見る、みたいなのもいいね。ひょっとしたら5つぜんぶのデートに工夫を凝らせる「達人」がいるかもしれない。本当のモテモテさんだ。次やるときはそこまでトライしましょ。

写真  『ジャグリング』ではニックネームを作っています。今回のテーマは「自分を語るキーワード」です。趣味でも、出身地でも、生活信条でもなんでもOK。自分(のある一面)を一言で語る。挙がったのは「にゃんぺい」「ホチキス」「ハムスター」「チョコレートパフェ」「ねこ」「ビール飲み放題」「お茶」「テニス」「散歩」「五月生まれ」「明石」「玉川上水」「海」「カレー」「椿姫」「六本木ヒルズ」でした。ネーミングに優劣はありませんが、でも「椿姫」っていいなぁ。素敵なニックネームだなぁ。ちなみに私は「後楽園ラクーア」にしようかと思っていたところ、急きょ別のに変更。ラクーアが、直前の「モテモテ」でデートの待ち合わせに使われてしまったからね。ありゃ、やられたなぁ(「不等辺演劇倶楽部のブログ」、読んでましたね?)。このニックネームを必死に覚えて『ネームバレー』。窓の向こうで少年が私たちのことを見つめていたの、このときでしたっけ? ボールなしでバレーボールをしている大人たちの様子が、少年の目にはどう映ったことだろうか。

写真  ところで。私はNHKの「プロフェッショナル」という番組が好きです。各界のプロフェッショナルをスタジオに招いてお話をうかがう番組です。正確に言うと、私は番組は見ていません(テレビ、見ないので…)。すでに放送された分が本にまとめられていて、それをむさぼるように読んでいます。最近おもしろかったのが、「映画プロデューサー」の鈴木敏夫さんの回です。キャバクラの話が出てきます。キャバクラで働く女の子たちは、じつは引っ込み思案で、人と話をするのが下手な人が多かったりする。そうらしいのですね。でも黙っていては仕事にならないからお客さんと話をする。そうしているうちに自分を回復して元気になる。というお話がありました。へぇー。そういうものかぁ。

写真  本当にキャバクラのおねーちゃんたちが引っ込み思案かどうかは置いといて、それはいいなぁと思ったのです。「自分を回復する」って大きなことだ。そして「働いているうちに」ってのが大事だ。「自分を回復して元気になる」のは効果や副作用なのであって、それ自体が目的ではない。目的は別。ワークショップの『ごみ問題』は、とりわけその効果が大きいのかなぁと思います。『ペンキ屋』もそうかな。ワークショップ全体がそうなのかもしれない。あくまでも真剣に演劇で遊ぶ。真剣に遊びに取り組む。真剣に遊んだ結果、なんだか自分のコンディションもよくなっている。そういうのがいいですねー。今回はどうだったでしょう。

写真  ちなみに。鈴木さんがこのキャバクラの話を宮崎駿さんに聞かせたところ、それがヒントになって「千と千尋の神隠し」が生まれたんだそうです(鈴木敏夫さんは「スタジオ・ジブリ」の代表取締役をなさっています)。たしかにあれも主人公がお風呂屋さんで働きながら、さまざまな人と出会い、やがて自分を回復するお話でしたね。そうか、キャバクラがヒントだったかー。うろ覚えですが、そういや名前をはく奪されるんじゃなかったっけ。「千尋」が「千」と呼ばれるんだっけ? つまり源氏名ですか。ワークショップでもニックネームつけますもんね。構造がよーく似ている!

写真  『ペンキ屋』のBGMは、レイ・チャールズの「ア・ソング・フォー・ユー」。ザ・ブームの「風になりたい」。ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」でした。3部屋を塗り終わってちょうど午後5時。4時間のワークショップが無事に終了です。ご参加くださったみなさん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

 アシスタントをお願いしたのは、NPO演劇百貨店の大西由紀子さんです。リーダーが私でアシスタントが大西さんだと、なんだか私のほうが偉いみたいですが、そんなことはゼンゼンないです。大西さんのほうがワークショップ経験が豊かだもの。いつか大西さんにはこのワークショップの進行役をお願いしたいと思っています。そのときは私がアシスタントやりますから。そう、大西さんも高校の演劇の授業を担当なさっています。正真正銘のご同業だ。今後もよろしくお願いします。ありがとうございました。

写真  今回からこのワークショップに協力メンバーが加わりました。仮に「体験レポーター」と呼ぶか。ワークショップに参加しつつ、このレポートにコメントを書いてもらいます。高校の演劇の授業を私たちはチームで担当していますが、そのチームの新米です。山田歩と言います。山田をよろしくお願いします。

 次回のワークショップは5月26日(土曜日)です。会場はおなじ八幡山。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。参加のお申し込みをお待ちしています。次回は進行役として仙台市の劇団「三角フラスコ」から瀧原弘子さんをお招きします。このワークショップのため(だけ?)に瀧原さんに仙台から来ていただくという特別企画です。アシスタントは私が務めます(アシスタントやるの、久しぶりだ〜)。どうぞお楽しみに! ぜひ多くの方のお運びを!

 不等辺さんかく劇団ワークショップ管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 こんにちは。
今回アシスタントとして参加させていただきました、大西です。

4時間、アッという間に終わってしまいました。
私は端のほうで、ひたすらデジカメと格闘しつつ、みなさんの幸せそうな顔を写真に収め、「いいな。」と、呟いておりました。

緊張していた表情も、なるさんの進行と穏やかな声で次第にほぐれ、和やかな場に。
目を逸らせば、大きな窓から緑が見える。天気もいい!ゲームも楽しそう!いいなぁ!!
特に絵本を使ったゲームは、一人ひとりがいい顔をしていて実にいい!想いのたくさん詰まった、気持ちのいい空間でした。

今度はアシスタントではなく、「参加者として来ようかな〜」と思う大西でした。
みなさま、4時間お疲れサマでした。
また、楽しいひとときをご一緒いたしましょう。  それではっ!


写真  今回参加したワークショップは様々な年代の方がいて、私にはとても新鮮でした!!発言や、行動、話しの進め方など私には思いつかないことばかりで、とても勉強になりました。皆さん本当にありがとうございました。

 特にごみ問題のときの皆さんの落としゼリフには驚かされました。私に、言っているわけではないのに横で聞いて、どきどきしていました。言い方にリズムというかテンポといえばいいのかわかりませんが、独特のリズムがある人がいたんです。何というセリフだったかは忘れてしまったんですが、一言言って一言言って少し休むみたいな感じで…。わかりにくくてすいません。

写真  だからなんだというとその少し休んでいる間に、無言のセリフがきっとあるように私には思えたんです。そのとき私は大人ってこういうものなんだぁ〜と、感心してしまったわけです。持っているテクニックが、違うんです!!自分の愛を伝えるために言葉以外の事をあんなにも上手に使う…。すごいなぁーというわけなんです。

 今回は人数が少し多めだったのか、時間が短かったのか、あまりお話しできかった方もいたのでそれが残念です。ニックネームの由来とか聞きたかったですし、二人組みになるのも全員と組みたかったです。時間がもう少しあればもっときっと楽しくなったに間違いない!!四時間あっという間だったもんなぁ。悔しいです…。もっと積極的に話しかければよかったです。このワークショップに集まった者どうし、その日は年代も、性別も忘れて盛り上がってしまおう!!というのがこのワークショップですよね!!!もっとはじけられたはず。反省です。

 本当に有意義な四時間でした。初対面の人とあそこまで盛り上がれるなんて不思議ですね。ありがとうございました。次回また会えたら今度はもっともっとはじけますのでよろしくお願いします。

 山田 歩


★アンケートより

◆雰囲気&内容について

写真 ○明るく、和やかに、かつ真剣に。
○年齢層が幅広くてびっくりしました。
○雰囲気、わきあいあいでした!
○一日で終わるのがちょっともったいない…かも。GW特別WSで2日連続なんてのもいいな。
○最初はお互い知らないなかでちょっと硬かった空気が、どんどんなごやかになっていくのが楽しかったです。最後にはなんとなく連帯感のようなものができてきたような…。
○バレーボールで体力が尽きました。
○バレーボールのゲーム、家でもやりたいです。
写真 ○ネームバレーが楽しかった。
○「ことば辞典」はとても勉強になりました。
○ひとつひとつが興味深いものでした。特に言葉ゲームはアクションより表情が重点になったようでなるほどと思いました。
○愛情こめるゲームで選ばれてよかったです。愛情が芝居のメインに据えられないといけないのですね。
○愛情表現は難しい。「好きだ」「愛している」と何百回、言葉に出して大声で叫んでみても伝わらないときもある。逆にほんの少し微笑むだけで伝わるときもある。
○言葉図鑑は一人一人の個性、パワー、情熱を感じました。ストレートに感情を表現しようという遊びの中で一人一人がとても素直になっていくので、はじめて会った人ばかりなのに、とても身近に感じちゃって、一人じゃないなって、なんだか幸福感を感じてしまいました。
○ペンキ塗りのエチュードはとっても好きな作業でした。エチュードまたやりたいです。
○ペンキ塗り、誰かが何かを言うと、ついつい反応して話してしまいそうになりました。
○ペンキ塗りが興味深かったです。
○せっかく大きな窓のある会場で丸見えなので、窓に、今、中で楽しそうな人たちが何しているのか、解説を貼っておいてはどうでしょう? 演劇なんて敷居が高い…と思っている人も、次は入ってみたい!と思うかも。

◆リーダーについて

写真 ○らしいなぁと正直思いました。ソフトだし、丁寧で、親しみやすかったです。
○とてもやさし気で、失敗を恐れないで思いきりやっていいという安心感を持つことができたと思います。
○バッチリです。わかりにくいルールも多いのに、説明が的確でわかりやすかったです。
○いろんな年代の人を相手に大変だったと思いますが、元々のお人柄がそうなのか、気を遣われているのがすごく感じられて、大人だなーと思いました

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