△ 不等辺ワークショップ第53回 (2007/10/06)


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写真  進行役を務めた林です。今回のいちばんのニュースはあの打ち上げだろうなぁ。いつもの居酒屋が満員で、お店に入れなかったんですよ。そんなの初めてですよ。たぶんもう40回ぐらいはあの居酒屋で打ち上げをしているけど、いつも予約なしでゼンゼン問題なかった。まさか予約客でいっぱいだなんて。トーゼン他のお店は考えてなかったですから、総勢13名で路頭に迷う。結局、外飲みです。近くのスーパーマーケットでビールやお菓子をたくさん買って、環八沿いの公園にレジャーシートを敷いて飲む。もう暗かったし、やや寒かったです。でも楽しかったですねー。居酒屋と違って、ああいう飲み会だからこそ一層の親しみが湧いた部分もあったと思います。通報されないように、みんな小さな声で喋ったりね。参加者の方々の協力的、献身的、好意的、積極的な姿勢に、私は感激しました。ありがとうございました。スペースシャトルじゃないけれど、見事に「打ち上げに成功した」という感じです。大勢でスーパーでお買い物をするのも新鮮で楽しかったですね。去年の大豆ワークショップを私は思い出しましたよ。

写真  さて。主なゲームを振り返りましょう。『ねぇねぇ』『四角歩き』『ごみ問題』の流れでワークショップを締めくくるのが、最近の必勝パターン。阪神タイガースのJFKみたいなものだな。中盤以降の救援陣(?)が磐石なので、進行役としてはひじょうに安心です。序盤で何をやっても、最後はきちんと終われる。今回も「勝った」と私は思ってるんだけど、どうかな。

写真  まずはその『ねぇねぇ』から。今回はなんと30分間もやってたんですよねー。ノリと勢いで。30分もやっていれば、そのなかに色々なドラマがある。なぜかフィンランドまで行ってピンポンダッシュ(←子供のいたずら)をしたり、いきなり全員で「もじもじ君」をやったり、気球に乗って大空に舞い上がって、スカイダイビングをして空中でみんなで大きな輪を作って、全員が巨木の枝に引っかかってしまい、救急車で病院に運ばれて、病室から実家の母親に電話をかけたりしたんでした。最後はスローモーションで野球の試合をした気がする。もう、何がなんだかよくわからん。わからないなりに、やっぱり楽しいし、いかにも演劇だなぁという満足感がありますね。不思議なゲームだ。

写真  クイズ形式で日常的な会話を楽しむ『四角歩き』。今回も「答えカード」の内容をリニューアルしています。約20枚。その一端を示すと「親子」「朝日」「明治」「ソフトバンク」「お茶漬け」「病は気から」などなど。短い会話のなかで、巧みに相手からこの言葉を引き出す。カードは舞台に登場する直前にぱっと提示されます。特に「明治」なんて難しいんじゃないかなぁ。明治時代。明治大学。明治通り。チョコレートの明治。ブルガリアヨーグルトの明治。どの角度からアプローチするかで会話の滑り出しは大きく違いそうですもんね。しかも迷っている時間はない。頭フル回転。そう、答えが「ナポレオン」のときに、焼酎の話から入った人がいましたね。「焼酎」→「いいちこ」→「下町の○○○○○」という具合に話を運んでいく。あのアプローチは、私は想定外でした。「初恋」は、みんな正攻法でしたねー。それも私には意外だったなぁ。私だったらカルピスの話題から入るよ。初恋の味ですよ。お口の恋人といえばロッテだし。褐色の恋人といえばスジャータだし。緑の胃薬といえば新三共胃腸薬だし。…話がずれました。

写真  そして『ごみ問題』です。前回に続いて、今回も演技形式のトライアルに軽く踏み込んでいます。具体的なシーン設定が与えられ、全員があたかもそのシーンの登場人物であるかのように、セリフを言います。セリフというか演技ですね。アシスタントの吉田に向かって、全員が全身で全力でアピールする。あとで思いましたが、唐組や新宿梁山泊のテント芝居のようでした。ラストシーンにありそう。彼らだったら屋台崩しでやりそうなシーンですね。今回の設定は、じつは私自身の実体験に基づいています。かなり大いに。私は傍で観ていて感動しましたよ。泣きそうになりました。あまりに非日常的な設定だったことを反省会で吉田に叱られましたが、でもいいんです。私はこういうのを観たかったから。

写真  「彼女」は大学生です。そしてここは信州の八ヶ岳高原です。辺りは一面にレタス畑が広がっています。8月から「彼女」はレタス農家に住み込みでアルバイトをしているのです。早朝から畑に出て、一日中レタスの収穫作業に取り組む日々です。決して楽ではありません。農家に住み込みをするというのも、気疲れのするものです。もっと気楽な生活を想像していた「彼女」は、体力的にも精神的にもハードな毎日にギブアップ寸前でした。しかし苦しい作業に耐えているうち、「彼女」には仲間が大勢できたのです。東京や大阪から、やはり住み込みのアルバイトのために集まって来た学生たちです。みなそれぞれ別の農家に住み込んでいます。全員が同じ苦労を味わっているのです。それだけに強い仲間意識が感じられます。写真 仲間の存在が「彼女」の支えになっています。さて、10月の初旬になりました。長かったアルバイト生活も今日が最終日です。「彼女」は今日の午後のバスで東京に戻ります。午前の収穫作業を終え、「彼女」は農家の軽トラックで出荷場にレタスを運んできました。みなさんは「彼女」のアルバイト仲間です。あなたはあと半月ほどまだアルバイトの日々が続きます。たまたま同じ時刻に出荷場に来て、仲間全員が顔を合わせることができました。みんな「彼女」が今日、東京に帰ってしまうことを知っています。ここでのつながりは特別なものであり、このアルバイトが終わったら、たぶん誰とも二度と会うことはないだろうということを、あなたは薄々感じています。「彼女」は出荷の作業を終えました。トラックの荷台に「彼女」が乗っています。「彼女」はこちらをじっと見ています。「彼女」の乗ったトラックがいま走り出します。あなたも走り出します。さぁ、あなたは「彼女」にどんな言葉をかけますか?

写真  今回はひさしぶりに『ジャグリング』をやりました。これをやると参加者の方々のニックネームが決まるんですよね。自分を語るためのキーワード。それを一言ずつ、ニックネームとして名乗ってもらいました。太鼓、手話、山、チェーホフ、世田谷、上半期決算、風水、薬、飲み屋、本、音楽、焼きソバ、姪。ちなみに「姪」は私です。これらのニックネームを使って「箸と茶碗」や「名前オニ」をやっています。「名前オニ」で走り回った後が、すぐに『ねぇねぇ』だったのですね。流れテキにはスムーズなんだけど、体力面できつかったなぁ。

写真  今回のアシスタントは吉田聡子です。私は去年から高校で演劇の授業をしています。吉田はその卒業生なのです。授業でも演劇部の公演でも吉田は輝いていて、まぁ講師の私がこんなことを言ってはよくないかもしれませんが、吉田には目を付けていました。吉田、忙しいのにありがとうな。『四角歩き』のとき、吉田がゼンゼン歩けてねーのが、見てて笑ったけど。今回のワークショップでは、吉田にぜひ楽しい時間をすごさせてやりたいなぁという思いが私にあり、その分、参加者のみなさんには申し訳なかったような気がしています。どうぞご容赦ください。

写真  次回は11月10日(土曜)を予定しています。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。興味をお持ちの方、どうぞ遠慮なさらず。多くの方からのお申し込みをお待ちしています。特に、特に、特に、女性の方! ぜひ、ぜひ、ぜひ、ご参加くださいませ! 写真を見てもおわかりのように、今回は参加者の男女比が大きく男性に偏っていました。なんと11対1です。そんなの初めてです。そういうワークショップは珍しいです。大概は演劇ワークショップというと、参加者は女性ばかりです。先日も浦和で中学生のワークショップをやったのですが、それなど男女比が1対106でした。それは極端な例だとしても、女性が多いのは普通です。このワークショップは男性の方々にも遠慮なく参加していただいて、結果として男女比がイーブンになるのが理想です。次回こそはぜひ実現して!

写真  最後にBGMの紹介を。ワークショップの開演前は小沢健二の「ライフ」を流しっ放し。終演後はいつものように山崎まさよしの「明日の風」。そして休憩のときは、ボリュームを絞ってアース・ウィンド&ファイアーの「宇宙のファンタジー」を流していました。何気にこれ、すっごい名曲です。歌詞はこんなです。どこか演劇ワークショップっぽい。というか今回のワークショップのBGMになかなかふさわしい感じですね。偶然なんだけどさ。

写真  どんな人にも居場所がある 誰の心にも宇宙がある
 そのファンタジーは この世界でさえ 拭うことはできない
 僕らの宇宙船ファンタジー号に乗って 大いなる空へと旅立とう
 そうすれば じきに きみの夢は現実のものになる
 そして 僕らは共に生きる 永遠に
 僕らの声はいつまでも鳴り響く ひとつになって

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真  初めてのアシスタントで、初めての参加で、常連の方々にかなり助けて頂きました。ありがとうございます。
 「俳優を目指さない人の為のワークショップ」ということで、本当に純粋に楽しく遊べる場所でした。こういうのすごく大切な時間だと思います。
 打ち上げは予想外なものになりましたが皆さん楽しかったようで。私も楽しかったです。しかし風邪には気をつけて!では。

 吉田聡子


★アンケートより

写真 ○こういったワークショップは初めてでしたので、少し不安がありましたが、非常に楽しめました。
○日の光の差し込む場所でやれたこともあり、気楽に楽しめました。
○すごくおもしろかったです。他の演劇のワークショップではこんな感じにはならんかったです!
○ゲームの内容、段取り、場所の雰囲気などトータルで楽しめるように作られているなと。
○自分がいかに反射神経(頭と体)が足りないかがよくわかり、弱点強化に役立てていこうと思います。
○今回は頭を使うゲームよりも体を使うゲームの時間の方が長かったので、楽でした。。。
写真 ○つぼ押しは組む相手によっては怖いですね。
○つぼ押しはマジ効きました! テレビとかであれは嘘だと思ったけど、実際体験してみたらすごく痛かったです!
○5人ぐらいで物の形を作るやつと、2人で歩くクイズが特に好きです。
○なんかしっとりした感じでした。しっとりした「ねーねー」もよかったです。
○「ねぇねぇ」はすごくおもしろかったです!
○「ねぇねぇ」は特に参加者の一体感が感じられてよかったです。
○「ねぇねぇ」は初めて参加しましたが、話の流れが上手く運んでいったと思います。もう少し短時間でもよかったかも。途中で少し疲れました。
○僕自身は「ねぇねぇ」は1時間ぐらいやってもいいと思う。へとへとになりながらやると純粋に肩の力が抜けると思うから。
○いつものごと、分かり易く的確なホストぶり。

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