△ 不等辺ワークショップ第52回 (2007/09/01)


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写真  進行役を務めた林です。9月1日のワークショップの様子をレポートします。いつも始まりは『ウォーキング』から。今回も新しいアイデアをいくつか投入しています。歩き回りながら、目に入った名札の名前を声に出して呼んでみる。すれちがいざまにね。それはよくやります。さらに今回は、名札からぱっとニックネームを考えて声に出してみました。苗字をいじる。「青ちゃん」とか「ジャワ」とか「ヤマーダ」とか、本当に適当。次々いろんな人とすれちがうので、じっくり考えている余裕はないです。自分がなんと呼ばれたのかも把握できない。あとで振り返ったりもしない。そう思うと、無駄なニックネームだなぁ。でもなんだか楽しかったですね。人をどう呼ぶかって、難問ですよね。越えなきゃいけないハードルがありますよね、呼ぶ側に。あるよね? 誰のことでもあっさり呼べちゃえる人もいるけど、私にはできない。私みたいな人も多いと思う。こういうゲームって、そのハードルをあっさり越えちゃえる。やりながら、私は「これ、いいなぁ」と自画自賛していました。

写真  やはり歩き回りながら、人と目が合うごとになにか挨拶をする。次々といろんな人と挨拶をする。その挨拶のセリフが、自分で「尻とり」になるようにしました。「どうもどうも」→「もう秋ですね」→「寝グセついてますよ」→「よろしく」→「9月になりましたね」→「ネコは好きですか」みたいな。ひとり尻とり。これもじっくり考えている余裕はありません。相手が何を言ったかもよく把握できない。コミュニケーションになってねーなー。でも楽しいです。普段、自分がどういう挨拶セリフを言いがちか、自分の癖が出ますね。言い切りが「ね」で終わりやすい人と「か」で終わりやすい人とがいました。そういう発見って、おもしろいですよね。

写真  『ウィンクキラー』。メンバーの中に「殺人者」が混じっていて、ウィンクで次々と殺人を犯します。ポピュラーなゲームです。なのでルールにちょっと趣向を凝らしてみた。ゲームの途中でどんどん「殺人者」が変わっていきます。だれが「殺人者」になるのかは、その都度私が大きな声で指示する。「9月生まれの人!」とか「今日、ここに来るのに新宿を通った人!」とかね。「フルーツバスケット」みたいだね。「殺人者」が複数いるときもあるでしょう。ひとりもいないときもあるかもしれない。「殺人者」が変わるごとに、死者は復活します。殺す経験もするし、殺される経験もする。「去年のクリスマスにいいことがあった人!」が「殺人者」だったとき。愉快だったなぁ。あえなく殺されていく人たちが、滑稽というか哀れというか。あの人、クリスマスにいいことなかったのかなぁと思っちゃうね。あとで指摘を受けましたが、たしかにあれは逆のほうがよかったね。「去年のクリスマスにいいことがなかった人」が、そうじゃない人たちを殺していくの。殺人者には動機があるのだ。「嫉妬」ですかね。

写真  「暗闇リング」については、ぜひ読んでほしい文章があります。第18回のレポートで、アシスタントの江尻浩二郎くんが「あとがきのかわりに…」と題して、いい文章を書いてくれています。ぜひご参照ください。手を握る。目を閉じて輪になる。それだけのゲームです。それが、驚くほど深い印象(喜びだったり安心感だったり)を与えるものなのですね。演劇ワークショップならではの醍醐味だと思います。

写真  クイズ形式で、なにげない会話を交わす『四角歩き』。今回はクイズの答えを一新。「答えカード」を新たに20枚用意しました。厳選。これねー。答えを用意するの、ケッコウたいへんなんですわ。いろんなジャンルの言葉を揃えたいんですよね。ワークショップの前日、私は福島県のいわき市に出張でした。特急で帰ってくるのに、いわき駅から上野駅まで2時間以上かかる。その間ずっとこれのネタ出しをしていました。もちろんボツネタも多数。もし仮に答えが「オダギリジョー」だったら、どんな流れで相手からこの言葉を引き出します?

 『ごみ問題』では、演技形式のトライアルにまで踏み込みました。だれの演技がいちばん胸を打ったかのコンテスト。これの妙味は、観客じゃなくて、相手役がそれを選ぶことですね。相手役の胸を打つ。なので、舞台の外で眺めていた観客が選んだら、ちがった結果になった可能性はあります。最優秀賞にはアシスタントの青山くんが選ばれました。でも他のみなさんも負けたとは思わないでね。勝ち負けじゃないからね。いちばん胸を打った演技をひとつだけ選ぶのって、難問だし、本当はそんな必要ないんですよね。

写真 写真  「彼女」は28歳のフリーターです。俳優を目指して、アルバイトをしながらがんばっています。北陸地方の高校を卒業して上京し、10年が経ちました。でも自分の夢は叶わないのかもしれないなぁと最近、少し思ってもいます。夏もそろそろ終わり、今日はバイトの休みをとって、地元に帰ってきました。高校の同級生たちと居酒屋で飲んでいます。同級生はみんな、地元で就職して責任ある仕事を任されていたり、結婚していたり、もう子供もいたりします。「彼女」の目にはやたらと立派に見えました。自分はなにをやっているのかなぁなんてちょっと思っちゃったりもしました。飲み会の途中、テーブルを離れ、「彼女」は店の外でひとり、いま煙草をふかしています。さて、みなさんは「彼女」の同級生です。居酒屋で飲んでいます。「彼女」の、正直あまりぱっとしない様子を、ふざけてからかっちゃったりもしました。「彼女」が外に行ってしまったので、あなたは様子を見に来ました。店の外でひとりで煙草をふかしている「彼女」を見つけました。さぁ、あなたは「彼女」にどんな言葉をかけますか?

写真  今回のアシスタントは青山公美嘉さんです。青山さんはNPO演劇百貨店のメンバーです。第48回の大西さんのチームメイトですね。もう百選練磨。この夏も兵庫県の姫路市で大きな規模の連続ワークショップをおこなったそうです。青山さんも都立の高校で演劇の授業を担当していて、私もいちど授業を見学させてもらいました。とってもクラスの雰囲気がよかったです。クミカ、今日はありがとうね。また新学期が始まっちゃうねー。お互い授業、がんばろうねー!

写真  次回のワークショップは10月6日(土曜)を予定しています。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。進行役は私、林成彦が務めます。このレポートを書いている9月6日現在(ちょうど1ヵ月前だ!)、内容は一切未定。アシスタントも未定です。未定だらけなのにナンなんですが、興味を持ってくださった方、どうぞ遠慮なくご参加ください。これまでの52回がそうだったように、次回もきっと楽しいワークショップにします。多くのお申し込みを楽しみにお待ちしています。

 今回、私の個人的ヒットは『ねぇねぇ』ですね。トリップした瞬間があったんです。みんなで満員電車に乗ったり、人間ピラミッドを作ったり、温泉で髪を洗ったりしたんでした。ぜんぶ写真に残っています。その他に、鼻歌を歌ったり、カラオケで熱唱したりもした。私はスピッツの「空も飛べるはず」を、ふっと思い浮かんだんで歌いました。歌いながらねー、ぐっと来ちゃったなぁ。このトリップ感(?)は予期していなかったです。不意に訪れた。今回、参加者のなかに江尻浩二郎くんがいました。上述の第18回のワークショップでアシスタントをお願いした江尻くんです。学生時代からだから、もう17年か? かなり長い付き合いになる芝居仲間で、昔はよーく江尻くんとカラオケに行ったんですよ。本当によーーーく、歌ったんだよなぁ。100回じゃ利かないな。そういや今日は江尻くんもいるんだよなぁ、なに歌ってんのかなぁと思うと、鼻歌を歌いながらつかの間、進行役としての立場も忘れて、昔の気分に戻っちゃいました。そういうのも、演劇ワークショップならではの醍醐味なのかもしれませんね。自分の人生の登場人物としての自分。それが現れるの。不意に。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 空気もさわやかな9月1日。
そこに集まったメンバーは私にとって皆さんお初にお目にかかるメンバーばかり。
しかし4時間たっぷり一緒に遊んで帰る頃にはなぜかお互いのキャラクターがばっちり
把握できてました。
初めは恐る恐る、でも遊んでる間に年齢も社会的立場もどこへやら!?
年齢も社会的立場も関係の無い不思議な関係。面白いです!

 くみか


写真 写真 皆様お疲れ様でした。
今回は人数が多いと、聞いていてそのつもりで行ったら少なくてあれ?って感じでしたね。
ちょっとラッキーみたいな(笑)
あれくらいの人数だと充実感が多くて個人的には、好きなのですが皆様はどうでしょうか?

今回は自分の大好きなウインクキラーがあったので、満足ですね。
あのゲーム大好きなんです!!
でも自分は一人も殺せなかったので、悔しいですね。
参加者の方ですっごいウインク上手な方がいたんですよ。
多分あの方が殺しまくってたんだろうなぁ、あーくやし。

何回か参加させてもらって思うのですが、積極的になるのって難しい!!
自分からもっと、もっと!といつも思うのですが、できないんです。
手をつなぐゲームも最後だったらしいし、きっと心のどこかで誰かやってくれるだろーとか思ってるのかなぁ…。
写真 これってもったいないです。
せっかく皆さんとお会いできて、ああいう空間があるのにそんな事考えていたら無駄ですよ。
もうなりふり構わず楽しまなきゃ絶対に損です!!
ならやれよ!!ということなんですがやはり自分から進んでやるというのは勇気がいります。
だから時々皆さんの思いがけない行動や発言に、とても驚かされます。
皆さんは自然なのかもしれないけど、私にとっては衝撃なんですね。

毎回自分の体動かすのに必死で、周りの人の事を考えてあげられないことがあるので今度からは余裕をもちたいです。
皆さんの温かい態度にいつも感謝であります。
本当にありがとうございました。

 山田 歩


★アンケートより

◆雰囲気&内容について

写真 ◇とても温かく、協力的な雰囲気でした。
◇ゲーム的なものが普段より楽しめた? 夢中になれた。あとテレがなく思ったことができてよかったです。
◇初めて出会った人と手をつなぐって、ドキドキするけれど安心するっていうことがわかりました。
◇最初の方、二人でペアになって背中合わせで動くというのがありましたけど、あれがすごい苦手です。
◇手を握り相手を探すゲームがおもしろかったです。
◇目をつぶってみんなの手を探すゲームは2度目も成功して本当にすごい!と感動しました。
◇目をつぶっての輪になるゲームは最高でしたね。まさか2回目もちゃんとできるなんてビックリです。
写真 ◇「ねぇねぇ」、いつもポジティブだけど、ひとりでフラフラしているので、大勢でやるのは楽しいですね。
◇歩いて雑談するの、日常的なことでも2つ3つと条件がつくととても難しいですね。
◇今日のおやつのおせんべいはおいしかったです!

◆リーダーについて

◇豊富なゲームの種類に脱帽です。
◇いつも楽しいゲーム、よく提案してくれて、説明もわかりやすいです。
◇非常にわかりやすかったです。やってることはとても複雑なことだと思うんですけどね。
◇風邪をひかれてたとブログで読んでましたが、いつも通りでやられてて何も感じなかったのですごいなぁと思いました。

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