△ 「背中のイジン」エピローグ


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明転。周人、歩いていると後ろから花音が追いつく。

花音 「周人!」舞台写真
周人 「おう。」
花音 「どうだった、レポート?」
周人 「それがさ、何かすげぇ評価高くってさ。ウチの研究室来いって、もうひっぱりだこ。」
花音 「へぇ。」
周人 「なに、『へぇ』って。それだけ??」
花音 「だってそれ、あんたの背中の人がインスピレーションくれてるんじゃない?」
周人 「え、いやそんなこと…いや、そうかもね…」
花音 「そういえばあれからどうなの?」
周人 「どうなのって…ああ、これか?(手で幽霊のポーズ)」
花音 「それそれ。」
周人 「それがさ、全然見えなくなった。」
花音 「なぁんだ。」
周人 「何それ?」
花音 「だって見えるなら…どうしてるかなって…」
周人 「ああ…そういうことか…どうしてんだろうね、あいつ。」

ハケから潤の声がする。

「お〜い!!」
周人 「あれ、潤じゃん。」

潤、息を切らして走ってくる。

「ちょっと大変だよ!」
花音 「何よ?」
「写真だよ、写真!」
周人 「写真?」
「こないだ皆でディズニーシーに行った時の写真の一つに、もんのスゲェのがあったんだ!」
花音 「見せて見せて!」
「度胆を抜くよ、絶対。」
周人 「もったいぶんなよ。」
「じゃ、いくぞ。ジャンッ!(写真を見せる)」

周人、花音、写真を覗き込む。

周人 「…うわっ!」
花音 「これって…」
「だろ?」
周人 「はははははははは。ありえねぇ〜っ!」
花音 「はははは。こんな笑える心霊写真見たこと無い。ははははは!」舞台写真

エンディングの音楽がかかり、そのまま回想シーンへ。
ディズニーシーに行った時のシーンになる。
舞台にいる周人、花音、潤を中心に、
道子、典子、森島、おじい、満、美香子が集まって来る。
おじいが一番浮かれていて、皆に写真を撮ろうと促す。
潤が自分のデジカメを貸し、セルフタイマーで撮る。
皆でポーズを決め、シャッターが降りると同時に暗転。
そこから現像のフィルムが浮き上がってくるかのようにゆっくりと明転する。
と、彼らの後ろに周作、月子、武者、レイちゃん、男が立ち、
ピースをしている。
しばらくして、またゆっくりと暗転してゆき、幕は閉じる。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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